‘イノベーションとベンチャー精神’ カテゴリーのアーカイブ

黒木靖夫氏死去

2007 年 7 月 18 日 水曜日

元ソニー取締役 黒木靖夫氏が7月12日亡くなられた。74歳であった。

黒木氏は、工業デザイナーとしてキャリアをスタートした。 SONYのロゴデザインを手がけたのも黒木氏だ。その後、数々のソニーの商品企画に携わった。 ウォークマン開発のプロジェクトをリードし、「Mr. ウォークマン」と呼ばれた。

黒木氏の才能を見出し、黒木氏に数々の重要プロジェクトを委ねたのは、ソニー創業者 盛田昭夫氏だ。たんなる上司と部下の関係を超えた強い信頼関係で結ばれていた。

何年か前に黒木氏の著書「大事なことはすべて盛田昭夫が教えてくれた」を読んだ。盛田昭夫という人間に強い興味を抱いた。盛田昭夫自身の著書「MADE IN JAPAN」も読んでみた。「ソニー ドリーム・キッズの伝説」という本も読んでみた。更に強い興味を持った。

魔法のような説得力を持ち、天才的なマーケティング能力を発揮し、あらゆる人を魅了し、燦燦と輝き、まばゆいばかりのエネルギーを放ち、際限ないほどの好奇心を持ち、20世紀に最も影響力があった世界の経済人20人にただひとり選ばれた日本人、それが盛田昭夫だ。

かつでこの国にこのような信じられないほどにスケールの大きな人間がいた。戦後、ベンチャー企業として創業されたソニーを世界企業へと育てた。

日本はもう一度ソニーのような世界企業を作り出せるのか? それは難しいのか? それは、もう盛田昭夫がいないからなのか? もう黒木靖夫氏のような働き方をする社員がいないからなのか? あるいは、その両方か?

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それは運なのか?

2007 年 7 月 12 日 木曜日

イチローが今年のメジャーリーグ オールスター戦のMVPに選ばれた。

イチローは間違いなく超一流の野球選手だ。 しかし、そのヒットを打つ確率は3回に1回にすぎない。 4回に1回しかヒットを打てないものは二流選手だ。 ヒットを打つ確率で言ってしまえば、一流選手と二流選手の差はこの程度だ。

企業がヒット商品を出せる確率はどの程度なのか。 そして、一流の企業家と二流の企業家では、それはどの程度違うものなのか。

企業家の場合は、一流と二流の差はもっと大きいと思う。一流の企業家で10回に1回、二流の企業家で100回に1回、ぐらいのような感覚がする。

悩ましいのは、一流の企業家でさえその確率は相当低いのではないかと思われることだ。

ここにヒットを生み出す確率が共に10%の企業家が二人いたとする。 Aは最初の1回目でヒットを生み出し、後の9回は失敗だとする。 Bは最初の9回を連続して失敗し、最後の1回でヒットを生み出すとする。

新しいベンチャー企業を起こした場合、Aは最初の1回目の成功で資金力を強め、その後の9回の失敗を苦にせず、事業を成功に導くかもしれない。Bは最初の連続的失敗によって10回目のチャレンジを待たずに消え去る公算が強い。

同じヒットの確率10%だとしても、初期の段階でそのヒットを生み出したもののみが生き延び成功するのだとするならば、それは、実力なのか?運なのか?

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常識が覆るとき

2007 年 3 月 25 日 日曜日

常識が覆るときがある。

アップルの「iTunes Music Store(iTMS)」が登場するまで、音楽配信ビジネスはうまくいかないものだと思われていた。 iTMSより以前に、ソニー・ミュージック・エンタテインメント、エイベックス、東芝EMI、などのレコード会社が主体となったいくつかの音楽配信ビジネスが開始されていたが、成功には至らなかった。 振り返ってみれば、彼らはいくつかの失敗をしている。 第一に、レコード会社ごとに配信サイトが分断されていた。 利用者は欲しい音楽を探すために、複数のサイトを調べなければならなかった。 第二に、著作権保護に厳格すぎた。 楽曲データのコピーや移動に厳格すぎて、利用者の使い勝手を損ねた。 しかし、これらは、アップルのiTMSが登場するまで、業界の中では常識であったのだ。 その常識を誰も疑わなかった。 そしてアップルはそれを疑った。

画面の小さな携帯Eコマースでファッション衣料品を販売するのは無理だと思われていた。  ゼイヴェルは、ファッションショー「東京ガールズコレクション」と携帯電話を組み合わせた。 蛯原友里、押切もえ、土屋アンナといった人気モデルが当日着た服が、その場にいながらにして携帯電話の通販サイトから購入できる。 若い女性層の間で、ファッション衣料品をモバイル通販サイトで買うことへの抵抗感は急速に取り除かれている。 ファッション雑誌と携帯の組み合わせなど様々な試みが登場していいる。 既に携帯ECサイトで購入する品目のトップに衣料品が登場するようになった。

常識の範囲内で、ベンチャー企業が勝つことはない。 常識と思われているが、実は常識ではないことは何かを探そう。

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Think different

2007 年 3 月 17 日 土曜日

アップル社を創業し、一度は同社を追われたスティーブ・ジョブズがアップルに復帰したのが1996年12月20日。

直後に開始された「Think different」のテレビCMほど衝撃的な広告をいまだに知らない。 広告はクリエイティブであっても販売にはつながらない、という説もある。しかし、この広告はそういうものを超越した。 アップルという会社の、そして何よりもスティーブ・ジョブズという人物のイメージを強烈に訴えかけた。 直後に販売開始されたiMacの成功を導いた。

画面に映し出される、アインシュタイン、ピカソ、ガンジー、モハメッド・アリ、マイルス・デイビス、ジョン・レノン、エジソン、黒澤明、盛田昭夫、・・・・・

ナレーションが流れる。

「クレイジーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
彼らをクレイジーという人もいるが、私たちは天才だと思う。
自分が世界を変えられると、本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから。」

何かを成し遂げたい、世界を変えるほどの何か、・・・・・・ベンチャー精神の基本はそこにある。

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「人の行く裏に道あり花の山」

2007 年 3 月 9 日 金曜日

「人の行く裏に道あり花の山」は、株式投資の世界で最も有名な格言だ。 人と同じことをしていては勝つことはできないから、人が売りモードの時に買い、買いモードの時に売れ、と教える。 言うは易し行うは難し。 回りの人たちが 「これはいける」 というものに対してNOと言い、「これはダメだ」というものに対してYESというのはたいへん勇気がいる。 人の行く裏が必ず花の山である保証もない。 ゴミの山である方が多い。 それでも、花の山は人の行く裏にしかない。

この決断が個人的なものであれば、実行はより容易だ。 あなたが考え、あなたが決断すればよい。 決断が組織的なものである場合、その実行は難しくなる。 組織の規模が大きくなるにしたがって更に難しくなる。 その決断が正しいことをデータを持って論理的にうまく人に説明できない。 そもそも、データを伴って誰にとっても納得の行く説明がなされるようでは 「人の行く裏」ではない。 ここにジレンマがある。 それでもなお、組織としての勇気ある決断が要求される。

ロゴスウェアは、ベンチャー精神を忘れたくない。 勇気を忘れたくない。 決断することから逃げたくない。 自分たちは正しい未来を見つめているのだと信じる。 

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クロスロード

2007 年 3 月 6 日 火曜日

ギター少年はみんなエリック・クラプトンの弾く「クロスロード」をコピーしながらロックギターを学んだ。 そして、「クロスロード」のオリジナル奏者である、ロバート・ジョンソンという伝説のブルースマンがいたことを知った。 ロバート・ジョンソンには、「ある夜交差点に立ち、悪魔に魂を売り渡し、引き換えに超絶技巧のギターテクニックを手に入れた」という、クロスロード伝説がある。

交差点には何かがある。 何かと何かが出会うところ。 何かまったく別の概念やアイデアが交差するとき、新たなイノベーションが生まれる。 認知心理学(見る、聞く、知る、考える、理解する、 についての研究)とインターネットテクノロジーが交差するところに何が起こるのか、はロゴスウェアの関心事の一つだ。

何年か前、ウルフルズのトータス松本がロバート・ジョンソンの立ったクロスロードを訪れたのをテレビで見た。 何もない田舎の細い砂利道であった。そんなところにも交差点パワーがある。

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「それがどうした」

2007 年 3 月 1 日 木曜日

たまにビートルズを聴く。 「A day in the life」 は、常に新鮮だ。  名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のラストを飾るこの曲は、ジョン・レノンの切ないメロディーから始まる。 途中、ポール・マッカトニーが曲調を大きく展開し、オーケストラ全員が各々の最高音に駆け上がり、最後にピアノの和音が長い余韻を残し終わる。 ビートルズらしさをふんだんに入れた名曲だ。 この曲を更に輝かせているのは、リンゴ・スターの一世一代のドラムである。 独特なフィルインが曲をいやがうえにも盛り上げる。

「A day in the life」レコーディング時のエピソードが好きだ。 ジョン・レノンは、ある曲をリンゴ・スターに聴かせ、こんな風にドラムを叩け、という。
リンゴ・スターは、しばらくそれを聴いた後、「ジョン、こんな風には叩けないよ。 これは、2人のドラマーが叩いている」という。 ジョン・レノンの返した言葉は、

「それがどうした」

「ドラムを2人で叩いていようが、3人で叩いていようが、それがどうした。 オレの欲しい音はこれなんだ。」と、ジョン・レノンは言ったわけだ。 それが、「A day in the life」でのリンゴ・スターの独創的なドラム演奏を生んだ。

人がいない、金がない、時間がない、やったことがない、やり方を知らない、・・・・・・・・・・・・・「それがどうした」

制約は創造性をはぐくむ。

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「くそ野郎」

2007 年 2 月 24 日 土曜日

2月23日、イー・モバイルが携帯電話サービスに新規参入するニュースに絡んで、千本会長の記事が新聞に掲載されていた。

千本氏の挑戦志向は、20代のころの米国留学の経験が影響しているという。 学生寮で同室の白人青年に仕事を尋ねられ、「日本で唯一最大の電話会社で、独占企業の電電公社(現NTT)で働いている」と自慢げに答えたところ、青年の返した言葉は

「くそ野郎」

しばらくたって千本氏は気づいたという。
「優秀な卒業生ほど名前も知らない企業に入り、自分の人生を切り開く。 リスクをとって大企業と競争する人間こそ尊敬されるんだ。」

挑戦することは、それ自体で美しい。

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