‘ユニファイド・ラーニング’ カテゴリーのアーカイブ

人に喜ばれるから人に教えてあげようと思う

2007 年 12 月 6 日 木曜日

人に何かを教えてあげて喜ばれるのはうれしいものだ。

人に喜ばれるから人に教えてあげようと思う。  これはあの人の役に立つ情報だと思うから教えてあげようと思う。

単純に言えば、人と人はそういうふうに知識を伝達したり共有したりしている。

強制されたりしてもなかなか知識共有は進まない。 とにかくデータベースに入力せよ、などと言われても気がすすまない。

この原理原則に則れば、知識共有を推進するためにやることは単純だ。

「あの情報のおかげ手助かった、ありがとう」
「これはすごい方法だ。 つぎから自分の仕事がはかどるよ、ありがとう」
「この情報のおかげで顧客に感謝されたよ、ありがとう」

このような交流が見えるシステム、人と人とが感情で結ばれるシステムにしなければいけない、ということだ。

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テレプレゼンス

2007 年 12 月 5 日 水曜日

場所の離れた人たちに、まるでここにいるかのような感覚を提供することをテレプレゼンスという。 インターネットの上で確かなコミュニケーションを築くための重要な概念だ。

シスコのデモを見てみよう。

素晴らしいだろうか?   勿論、素晴らしい。

買いたいだろうか?    買えない。  2、3箇所に設置するだけで、1年間に5,000万円もの金のかかるものを買える人たちは限られている。

テレビ会議のシステムは20年も前から存在する。 画質はずいぶん綺麗になったが、基本的なコンセプトは何も変わらない。 画質が綺麗になったテレビ会議システムをテレプレゼンスと呼ぶならそれには興味がない。

しかし、テレプレゼンスの本質は、「場所の離れた人たちに、まるでここにいるかのような感覚を提供すること」だ。

画質の綺麗なテレビ会議だけがその唯一の方向ではない。 だいいち、値段が高すぎて現実的ではない。

新しいテレプレゼンスを確立しよう。 それはシスコとはまったく違ったアプローチになる。 もっと安価で、それでいてテレプレゼンス感を得られるものだ。

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学ぶということは参加するということ

2007 年 12 月 3 日 月曜日

日本の子供の学力が落ちてきているのではないかと多くの教育関係者が語り、新入社員の能力が低下していると多くの企業経営者が嘆く。

教育の問題が新聞紙面を飾らない日はないくらいだが、こういうことは日本だけでもないらしく、世界中で昔からずっと関心が持たれている課題だ。

「知識や能力が低下するとひどいことになるぞ」と少なくともすべての先進国の人間が恐れている。

知識は国力にかかわることであるし、企業力にかかわることであるし、個人の生活にかかわることであるから当然だ。

ロゴスウェアの仕事の一つは、インターネットを使ってどうやって学習を支援するかだ。

そもそも学ぶとはどういうことなのか?

いろいろな教育関係者が、様々な立場で、それぞれに論じるのでどうにも難しいが、「状況に埋め込まれた学習-正統的周辺参加」という本は一つの素晴らしい概念を提示してくれる。

その考え方とは「正統的周辺参加」というものだ。

ものすごく簡単に書いてしまうと、「正統的」とは「学びとは社会とつながっていなければいけない、社会でどう役に立つのかを実感すること」だ。 「周辺」とは、「失敗してもダメージの少ないところから始めよ」ということだ。

最も大切なのが「参加」という概念だ。 参加するとは、つまり、コミュニティの一員になるということだ。 社会の一員として人とつながりながら共に学ぶということだ。

いまeラーニングの世界を見たときに不足しているのは、「コミュニティに参加しながら学ぶ」という概念かもしれない。

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知識は「空」なり

2007 年 10 月 23 日 火曜日

仏教の教えによれば、すべての現象には実体がない。 これは「空」の思想というものだ。

すべてを「空」と見るのは大変難しいが、知識に関して言えば、それは「空」だ。実体がないのだ。

知識を何か実体のあるものとして処理しようとするとうまくいかない。 過去、ナレッジマネジメントなるものがうまく機能しなかったのはこういうところに原因があるように思える。

知識を実体のあるものと考え、データベースに保存して体系化しようとする取り組みだけでは何か大事なものが失われている。

ほとんどの知識はどこにも記録されてなく、ただ人間の頭の中にある。うまく言葉に表すこともできず、そもそも自分が知識を持っているという意識すらない。それは日々変化し、新たな何かが加えられたり、忘れ去られたりする。普段は意識していないが、何かのきっかけで思い出したり、ひらめいたりする。

自分たちが扱いたい知識とはこういうものだ。

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eラーニングの課題

2007 年 10 月 1 日 月曜日

フェース・ツー・フェースの教育が最も効果的である、ということは事実だ。 生徒と先生が同じ時間と空間を共有する効果は大きい。

しかし、欠点もあるのだ。

  • 教室に通う時間がとれない人はどうすればいいのだ?
  • 心身の事情があり、教室に通えない人はどうすればいいのか?
  • フェース・ツー・フェースの教育はコスト(旅費、場所代、時間的ロス、など)がかかる

これらを補うために、eラーニングへの期待は大きい。eラーニングであれば、生徒が教室に通う必要がない。生徒がインターネットにつなぐとそこに教室が用意されているのだ。

しかし、未だeラーニングによって素晴らしい効果を上げているという声を聞かない。

なぜなのか?

私たちの分析によれば、それらは次のようなものだ。

  • コンテンツ制作において時間とコストがかかりすぎる
  • 教室に通うときのようなコミュニティが形成されない
  • 非同期型の一方通行のコンテンツ配信だけでは学習効果が上がらない
  • スライド説明型のコンテンツにするための素材がそもそも準備されていない

私たちはこのようなことは克服できると考えている。 Webテクノロジーの世界は日進月歩で進んでいる。最新のWebテクノロジーを駆使した次世代のeラーニングはこのような課題をすべて克服するはずだ。

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知識は人の心の中にある

2007 年 9 月 29 日 土曜日

「知識創造企業」(著者:野中郁次郎、竹内弘高)という書物によって暗黙知の重要性が広まってから既に10年が経過している。

しかし、いまだに世の中の多くは形式知を重視する傾向にある。 膨大なマニュアルを書き、多くの時間をかけてデータベースに入力し、体系化し共有するためのシステムを作ることに時間とお金を使っている。 それにもかかわらず、会社に知識がついたと実感できないでいる。

知識は人の心の中にあるのだ、ということを再認識するときがきている。人は感情を持つ動物だ、と再認識するときがきている。

人の経験の中にしまい込まれた知識は、人の感情と共に引き出される。 職場にオープンな議論を支援する文化、チームを信頼しチームのために働く文化がなければ、それを引き出すことができない。

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ミーム

2007 年 9 月 27 日 木曜日

先日、リチャード・ドーキンスが書いた「利己的な遺伝子」のことに触れた。 実は、この本の中では更にとんでもないアイデアが提示されている。「ミーム」というものだ。

文化は個体の脳から脳へコピーされて伝わる。ときにはコピーミスを起こし、これが新しい文化を生むことがある。役に立つ文化はよくコピーされるが、役に立たない文化はあまりコピーされずいずれ廃れてしまう。 これはまるで、遺伝情報が遺伝子によって伝わるのと同じではないか。遺伝情報を伝える単位を遺伝子というのなら、文化を伝える単位を「ミーム」と呼ぼう。

人間は「遺伝子」と「ミーム」という2種類の自己複製子の乗り物である、という考えはたいへん斬新であるが、非常に説得力があり、確かにその通りかもしれない、と思わせる。

世の中のスピード競争とは、言ってみればミームを伝えるスピードの競争だ。

昔、ミームを伝えるスピードは人間の歩くスピードであった。やがて車の走るスピードになり、飛行機の飛ぶスピードになった。

今やこれは、光ファイバーの中を光が進むスピードになった。 技術的には、ほとんど一瞬のうちに、世界中のどこにでもミームを伝えられ、他人の脳から脳へ次々とコピーされる。

勝負は、ミームの乗り物としての人間がこのスピードについていけるかどうか、大量のミームをどう処理するのか、そしてミームの質となった。

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ジャスト・イン・タイム学習

2007 年 9 月 25 日 火曜日

昔、自動車工場における最善のやり方はフォードの大量生産方式だった。ベルトコンベアを使い、作れるときに大量に作り、プロセスごとに多量の在庫を持つことが最適な生産方式であると信じられてきた。

トヨタはまったく違うアプローチをとった。ジャスト・イン・タイムというコンセプトで語られるものだ。ジャスト・イン・タイムのコンセプトは「必要なものを、必要なときに、必要なだけ作る」というものだ。 これにより、トヨタは自動車業界の勝者になった。

教育の世界はどうか?

教育の世界は、フォードのベルトコンベア・システムと同様のアプローチをとっている。学校や教室に通って、知識を大量に頭の中に在庫するのだ。

ロゴスウェアは、ジャスト・イン・タイムの学習を推進したい。何か知りたいこと、知らなければいけいことに遭遇したときに、15分程度ですぐに特定のポイントについて学習できるようにしたいのだ。

eラーニングを単に教室のコストなどを削減するアプローチだととらえると大事なことを見落とす 。 ジャスト・イン・タイム学習は、従来の教育方法ではできなかったことだ。まったく新しい学習方法を提供するものだ。

ジャスト・イン・タイム学習は、「必要な知識を、必要なときに、必要なだけ学習する」ものだ。

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「たいせつなものはね、目に見えないんだよ…」

2007 年 7 月 26 日 木曜日

「たいせつなものはね、目に見えないんだよ…」

星の王子さま、 サン・テグジュベリ

ロゴスウェアのオフィスはつくばと東京にあり、週の半分は東京のオフィスに勤務する。 人に会うためだ。 顧客であったり、代理店であったり、事業パートナーであったり、投資家であったりする。

インターネットで溢れるばかりの情報を入手できる。しかし、本当に大事な情報は、ネットで公開されていない。

本当に大事なことは、むやみに人に教えられないのだ。勿論、新聞や雑誌やテレビでも入手できない。それらは、信頼関係の下に、人から人に直接伝えられるものだ。

本当に大切なことを知ろうとすれば、多くの人に会わなければならない。

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KEKの素粒子の研究

2007 年 5 月 26 日 土曜日

昔の人間は、夜、星を眺めながら多くの時間を過ごしたのだろう。そんな中から、星座の物語を創造し、偉大なる宇宙にたくさんの神々を見たのだろう。

宇宙の構造や仕組みについてのそれなりの知識を得ている現在の私たちにとっても、宇宙は神々しい。あのあまりにも広大な宇宙全体が一定の法則によって動き、秩序が保たれているのだと考えるとき、その法則の神がかりな力に心をときめかせる。

「私たちはどこからきたのか」という哲学的な問いに人間は何千年も前から答えようとし、それは今も変わらない。素粒子の研究は現在における哲学的探求だ。

1928年、ディラックは、量子力学と相対性理論の整合を試み、ディラック方程式を考案し、電子と反対の性質をもった粒子の存在を予言した。1932年、アンダーソンは、宇宙線の中に陽電子を発見し、ディラックの予言が正しかったことを証明した。共に後にノーベル物理学賞を受賞している。

陽電子と電子は、プラスとマイナスの関係である。一緒になると互いの存在は消え去る。ここに「粒子」に対する「反粒子」の存在が確認された。

宇宙は最初、想像を絶するような高温で高密度な小さな世界だった(らしい)。そのようなところでは、衝突が頻繁に起こり、「粒子」と「反粒子」が作られては消え、消えては作られる、ということだった(らしい)。

そこで、ビッグバンというものが起こり、宇宙が大膨張した(らしい、以下らしい省略)。 宇宙が大膨張すると、宇宙の温度が下がる。

そうなると、衝突による粒子・反粒子の生成はなくなり、あるのは、粒子と反粒子が一緒になり、消え去るのみとなる。

そうなると、この宇宙には物質は何もなくなるはずであるが、現に物質は存在している。 それはなぜか? この疑問に答えようとしているのが高エネルギー加速器研究機構(KEK)で行われている研究の一つだ。

どうも「粒子」と「反粒子」には、微妙に違うところがあるらしく、10億に1つの割合で、粒子は消えずに残るのだという。それを証明しようと、B中間子と呼ばれる素粒子を大量に作り出し、その衝突実験を行っているのが、KEK内にあるBファクトリーと呼ばれる1週3Kmにおよぶ巨大な加速器だ(将来、KEKの研究からノーベル賞受賞者が誕生したら素晴らしい)。

KEKは筑波研究学園都市にあり、縁があって、今回、素粒子実験の学習をするeラーニング教材の制作を担当させていただいた。 KEK内にある総合研究大学院大学の学生向けに作られたものなので、中身は専門的だが、ナレーションを使いスライドを説明していくタイプにしたことにより学習効果が高まる工夫がされている。

今回は専門家向けの内容だったが、機会があったら、一般の人向けにサイエンスを伝えることにWebの効果(アニメーション、ビデオ、インタラクティブ性、など)が使えたら素晴らしい。

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