‘マネージャとリーダーシップ’ カテゴリーのアーカイブ

モーセのように

2008 年 11 月 30 日 日曜日

キリスト教文化圏の人たちにとって、リーダーのイメージとはモーセであるという。

奴隷になってしまったイスラエルの民をエジプトから約束の地カナンに導くリーダーとして、なぜかはわからないが、神はモーセを選んだ。

モーセ自身、私は雄弁でもなければカリスマでもなく、とてもそのような大役は務まりません、といって固辞するのだが、神にそのような理由は通用しない。

というわけで、モーセはこの仕事にとりかかるのだが、それは大変な困難な仕事であった。 40年間をかけて、イスラエルの民のために、そして神から与えられた使命を果たすためにモーセは働く。 

最もつらかったであろうことは、多くのイスラエルの民の不平・不満であっただろう。 奴隷から開放される喜びなどを感じていたのは最初のほんの数日だけで、その後は、不平・不満の連続だ。 「余計なことをしてくれた」、「こんなことなら奴隷のままの方がよかった」などという。

人間はわがままなものである。楽をしたい、安定したい、贅沢をしたい、あれも欲しい、これも欲しい。 

それは分かるが、それでもやらなければならないことがある。 苦難を伴ってもやるべきことがある。 それをリーダーは実行しなければならない。 人に好まれることばかりではないが、やらなければならないことがある。

そういうモーセの姿が旧約聖書の中に出エジプト記として描かれている。 キリスト教の人たちは(もちろんユダヤ教の人たちも)、この物語を、たぶん日本人が浦島太郎の物語を何度も聞くくらいに聞いている。 それは幸いなことのように思える。 リーダーとなる人も、リーダーに従う人も、共通のイメージを持てるのだから。日本人の中にリーダーの共通のイメージがないのは不幸なことだ。 

リーダーシップは仕事である。 カリスマ性のような天賦の才能が必要というわけではない。 リーダーとは為すべきことを為す人をいう。  為すべきこととは、使命やビジョンを達成することである。 万人に愛されることを望んではならない。

聖書そのものを読むのは少々苦痛だから(言葉が文語体になっていたりするので)、パール・バック著「聖書物語 旧約篇」などを読むと良い。 リーダーシップの細かいテクニックどうのこうのの前に、知っておくべき大事なことを教えてくれるはずだ。

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船を造りたければ海への憧れを教えよ

2008 年 3 月 1 日 土曜日

星の王子様で有名なサン・テグジュペリの言葉に次のようなものがある。

船を造りたいのなら、材木を集めるために人を集めたり、彼らに仕事や作業を割り当てたりするな。

彼らに海の無限の広さへの憧れを教えよ。

人を成長させたいならば、まずここから取り掛からなければいけない。

私たちは、他人の脳の中に無理やり知識を詰め込んだり学ばせたりすることは決してできない。知識を得たり学んだりすることができるのは本人以外の誰にもできない。

そうであるならば、マネージャがしなければいけない最も重要なことは、部下の一人ひとりが自発的に成長できるように支援することである。

次の二つに注力することだ。

  1. 最高のものとはどういうものなのかを見せること
    子供のころはみんな憧れの野球選手やアーティストなどがいるものだ。彼らが最高だからだ。毎日つらい練習をするのも彼らのようになりたいからだ。難しいことじゃないんだ。これが目標なんだ。
  2. 最高を追い求める姿勢がいかに美しいかを教えること
    最高のものを目指すとなれば、悪戦苦闘するに違いない。たくさんの失敗もするだろう。必ず壁にぶち当たるだろう。しかし、それでも前に進もうとする人間の姿は美しいのだ。

マネージャが自身に問わなければいけないことは、「自分は最高の目標を持って、最高のものを追い求めているか」だ。

人間は誰でも不完全である。未熟である。マネージャが部下に教えられるのは、「最高のことをするための身につけた知識」ではない。「最高のものになりたいという姿勢」である。

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問題社員

2007 年 10 月 18 日 木曜日

マネージャになるとマネージャならではの悩みをいろいろ抱えるものだが、その中でも問題社員への対応の仕方は最も難しい問題の一つに違いない。

元インテルCEO アンディ・グローブは著書「ハイ・アウトプット・マネジメント」の中で素晴らしい考えを提示してくれている。 要約すると次のようなものだ。

問題を抱えた社員の問題解決には5つのステップが必要である。 ステップは順序よく登らなければいけない。どこかのステップを飛ばそうと思ってもうまくいかない。 5つのステップとは次のようなものだ。

ステップ1: 自分の問題を無視する

ステップ2: 自分には問題などないと否定する

ステップ3: 問題があることは認めるが、それは自分の問題ではないと他人を批判する

ステップ4: それは自分の問題だと認識する

ステップ5: 解決策を見つける

ステップ1からステップ3まではかなりはやく進む。ステップ3からステップ4への移動が難しい。ここを通過すればステップ5は簡単だ。

最大の壁は、問題社員を”他人批判”の考え方から”自己責任”の考え方へ変えさせることだ。 まだ社員が引き続き自分の責任を引き受けない状態(ステップ3の状態)にいるときに解決策について話し合っても意味がない。 マネージャのエネルギーが注がれるべきポイントはここだ。

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マネージャとしてのテクニックなど忘れること

2007 年 10 月 12 日 金曜日

それまでは自分のパフォーマンスをどうやってあげるのかに注力すればよかった。 マネージャになると他の人のパフォーマンスをどうやってあげるのかが仕事になる。

これが悩ましい。 難しいし、思い通りにいかないし、イライラもする。

そこで、マネージャとしてのテクニックやハウツーを教える本が溢れている。 マネージャを育成するためのセミナーの類も溢れている。

人を動かすことはそれほどに難しいから何か魔法の法則がないかと探したい気持ちになるが、あまりそういうことにのめり込まないほうが良い。

そういうテクニックはうまくいくどころか、かえって部下との関係を悪くするかもしれない。

大体において、こういうテクニックは、人間を操作することができる、他人を管理することができる、部下を自分の望みどおりに行動させることができる、という考えをベースにしているが、人間は誰も動物のように管理などされたくないのだ。

そんな時間があるなら、自分の人格を高めるために使った方が良い。

自分に厳しく、人に誠実に対応できるように日々鍛錬した方が良い。

自分が燃えていないのに、人を燃えさせることなんてできない。

自分が誠実でないのに、人に誠実さを求めることなんてできない。

自分が真剣でないのに、人に真剣さを求めることなんてできない。

時間はかかるが良いマネージャになる道はこれしかない。

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成果を評価するということ

2007 年 8 月 7 日 火曜日

多くの企業が成果主義人事制度の運用について悩んでいるようである。

人の成果を正確に評価することはきわめて難しい。そもそも、評価とはそういうものだ。客観的に簡単にわかるならば、それは測定というのだ。

難しくはあるが、報酬額の決定を公正に行おうとするならばその基準は成果以外にはないので成果を評価しなければならない。

成果の評価がどれだけ正確に公正に行われるかが成果主義人事制度の成功のすべてだ。 そしてその鍵を握っているのがマネージャだ。

人を評価することは誰にとっても苦痛である。マネージャの仕事の中で最もつらい仕事である。しかしマネージャとして最も重要な仕事でもある。

この辛い仕事から逃れるために、安易に人の成果や行動を単純な数字で表そうとしてはいけない。

今、消費者物価指数はまだ下落を続けていて、それによって政府・日銀はまだデフレだという。しかし、現実にはガソリンが値上がりし食品が値上がりしている。庶民の実感としてはすでにインフレなのだ。数字で示された消費者物価指数と現実が乖離している。

単純に数字で何を示そうというとき、ときにこのような現実との乖離が見られることを忘れてはいけない。

ロゴスウェアでは、評価は具体的な言葉で表現しようとしている。 雰囲気やイメージなどではなく、その人が達成した具体的な成果、その人がとった具体的な行動を、どのように素晴らしく、どのように改善して欲しいかを具体的な言葉で示そうとしている。

簡単なことではない。 私たちはこれについて永遠に向上を怠らないようにしたい。

ロゴスウェアでは、四半期に1回のペースで評価を行う。1年に1回しか行わない会社よりも4倍のスピードでそれを学習し、半年に1回しか行わない会社よりも2倍のスピードでそれを学習していくことができる。

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