‘仕事のやり方と働くということ’ カテゴリーのアーカイブ

脳は時と場所を選ばず働いている

2007 年 8 月 2 日 木曜日

経営の仕事をしていると厄介な問題に対して日々判断をしなければいけない。 より正しい判断をするためには、常に心を落ち着かせていなければならない。

深呼吸は精神を安定させる。 ゆっくり息を吸い、ゆっくり息を吐く。 何も考えず、ただ息を吸い、息を吐く。 しかし、これが難しい。 何も考えずに5分間深呼吸することすら難しい。 15秒も経たないうちに脳は勝手に何かを考え始める。

人は、手足をコントロールすることは可能だが、脳をコントロールすることはできないようだ。

だから、風呂の中だろうが、ベッドの中だろうが、電車の中だろうが、仕事のことを考えるのに時と場所を選ばない。

このような人はたくさんいるだろう。 さて、これは勤務時間なのか?

頭脳労働者や知識労働者と呼ばれる人たちの勤務時間を正確に管理することが難しいのはこのためだ。

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仕事と家庭のバランス

2007 年 7 月 2 日 月曜日

女性が働きやすくなるように職場改善に取り組む企業が増えている。

育児などに対する柔軟な勤務体制、在宅勤務、女性管理職の比率の向上、託児所の設置、・・・・・・・

仕事と家庭のバランスの問題は非常にナイーブな点を含んでいる。 誤解を与えたり、理解されなかったり、非難されたりするので、多くの経営者はなかなか本当のことを言えないでいるが、 20世紀最高の経営者といわれた元GEのCEO ジャック・ウェルチは、この点について、著書「ウィニング 勝利の経営」の中で、言いづらいことを率直に述べている。

気にいらない点もあるとは思うが、現実を直視してほしい。厳とした現実がある。自分で納得のできる選択をして行動に移すためには、その現実を理解する必要がある。

あなたの上司が(あるいは会社が)最優先するのは競争力だ。あなたの上司は(あるいは会社は)あなたにハッピーになってもらいたいが、それは会社が勝つためのプラスになるという条件つきだ。

もしも、あなたが成果を出しているのであれば、あなたの上司は(あるいは会社は)、あなたが仕事と家庭のバランスをとることに協力的になるはずだ。 キーワードは「もしも」だ。

簡単に言ってしまえば、ジャック・ウェルチは、会社と社員の間のウィン・ウィン関係によるパートナーシップについて述べていると思う。 一方が、ルーズするような関係は成り立たないのだ。

ウィン・ウィンの関係は、企業間のビジネス上の取引でのみ存在するものではない。会社と社員の間の関係も、ウィン・ウィンを前提に話し合えば、もっと良い仕組みが決められるはずだ。

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恐怖心

2007 年 6 月 15 日 金曜日

「Qさま」というテレビ番組があり、その中にビビリ橋というシリーズがある。海上から高さ10mのところに幅45cmの細長い橋が作られる。その橋を芸人に渡らせ、そのビビリ具合を笑おうという趣向だ。

地上に置かれた幅45cmの橋ならば誰も怖がることはないが、それが高さ10mのところにあると足がすくんで動けない。

恐怖心というものは人間の行動に大きな影響を与える。地上にある45cmの橋と10mの高さにある45cmの橋。同じ橋でも、人間の行動はまったく違ったものになるのだ。

時間を浪費する人たちを研究した心理学者によれば、時間の浪費の問題は、いわゆるタイム・マネジメントとはまったく無関係であるという。時間の浪費は、往々にして心理的な葛藤が原因であり、時間管理のハウツウ本によるテクニックなどでは決して直せるものではないという。

時間を浪費する人たちが抱える原因は、傷つきやすい自尊心であったり、欠点を指摘されたり評価されたりすることへの恐怖心だったりするのだという。

恐怖心のせいで本来ならできることもできなくなるのはもったいない。人は恐怖心を克服する努力をしなければならない。一方、会社の中においては、人が抱える恐怖心を理解し、それを取り除く努力をしなければならない。

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「なんとかなるよ」

2007 年 5 月 24 日 木曜日

何か厄介な問題に直面したり、困難な決断をしなければいけないとき、チャップリンの映画「モダン・タイムス」のラストシーンが思い出される。

何の仕事をしてもうまくいかないチャーリー。 街をうろつく中、孤独な浮浪少女に出会う。 二人のために家を建てようと俄然やる気をだすが、やっぱりそれもうまくいかない。 落ち込む少女を 「元気出して、くよくよするなよ、なんとかなるよ」 と励まし、長くまっすぐな道を二人が肩を寄せ合って歩いていくラストシーンで終わる。バックに流れる「スマイル」という曲が美しい。

だいぶ前、まだ学生のころ、街の名画座で見た。 それ以来、このラストシーンを繰り返し思い出す。 「どんなことになったって死にはしない。なんとかなるものだ。」という勇気と希望のメッセージを受け取った。

人によっては、このラストシーンから絶望をイメージする人もいるらしい。 最後に、二人は夕日に向かって歩いているからだそうだ。  とらえ方は人それぞれだが、私は楽観的なのだ。 その方が気が楽だと思う。

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仕事をすることへの偏見を捨てよ

2007 年 5 月 16 日 水曜日

水泳選手のインタビューを見ると、彼らが自己ベストの更新に最大の目標を置いているのが良くわかる。 彼らは、自己ベストを更新するために、来る日も来る日もプールの中で、すたすら泳ぎ続けているのだ。 プールの底を見続けながら。 自己実現のためには、人の意欲は無限になる。

そのようなものを仕事の中に見出せたらどんなに素晴らしいことだろうか。 あなたは、誰かの命令によって仕事をするのではないのだ。 「あなたが達成したい目標」・・・あなたを仕事に駆り立てるものはそのようなものであって欲しい。

仕事に夢中になれることは人生において素晴らしいことなのだ。 インテル創業者 アンディ・グローブが著書の中で書いているように、偏見を捨てよう。

「われわれは文化的偏見を克服しなければならない。 われわれの社会はスポーツに夢中になる人を尊敬するが、長時間にわ たって働く人は病人、働き過ぎ中毒のようにみなす。 だから大多数の人びとは、スポーツは善でおもしろいが、仕事は単調で、必要悪、楽しみの源泉にはなら ない、というような偏見をもっている。」

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グローバル化の時代を生きる

2007 年 5 月 14 日 月曜日

今、日本は格差問題が大きな社会問題となっている。

格差問題の根源は、グローバル化だ。  グローバル化されれば、労働力は世界中で調達される。 経済規模の拡大により、富めるものはより豊かになる。 しかし、付加価値を与えられない労働は、最低賃金に向かってしまう。

おそらく、世界規模で見てしまえば、理屈が通っているのだ。 いままで貧しかった中国や東ヨーロッパの人たちに金がいきわたるようになっている。 彼らは昔より豊かになっているはずだし、それを得る権利もある。 しかし、それは、日本やアメリカやヨーロッパの労働者がいままで得ていたものを失うことを意味する。

戦後日本は奇跡的な復興を遂げた。 日本が発展していく段階で、世界の多くの労働者の富を奪ったのかもしれない。 実際、アメリカとは何度となく貿易摩擦を起こしている。 しかし、私たちはそれは自由競争の中で得たものだから正義であると信じた。

これは難しい問題だ。 国内問題ならもう少しコントロールが効くかもしれない。 国内のパートや派遣労働者の問題を改善することはできるだろう。 しかし、グローバル化という根本のところを変えることは難しい。

今、予測されることは更にグローバル化は進んでいくだろうということだ。 このような時代に、私たちがすべきことは、自分自身の能力を高め、付加価値を提供できるようになることだ。 努力を要するし、時間もかかる。 それはすぐに報酬面などの形で返ってこないものだろう。 しかし、短期的な視点では失敗する。 自分の未来に対して投資しなければならない。 安易な道を選んではいけない。

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イシューというもの

2007 年 5 月 9 日 水曜日

ロゴスウェアでは、日々の仕事のやり方は一人ひとりの裁量にまかされているが、守らなければいけないいくつかの約束はある。 その一つは、ウィークリーレポートを書くということだ。 毎週金曜日に、その週に達成したこと、次に達成しなければならないこと、そしてイシューを記載して全員に公開しなければならない (今は、これはSNS上で公開されている)。

issue を英語辞書で調べれば、「論争点」、「問題点」といった意味が記されている。 誤解を招く可能性があるので、私たちは、そのまま英語で issue イシューと呼んでいる。  論争点や問題点と言うと、何かひどくネガティブな印象を与えがちであるし、何かまずいこと、何かトラブルになっていることを指摘さえすればよいというような誤解を与える。 私たちが、イシューで書くべきことはそのようなことではない。

ここに何かうまくことが運んでいない事象があったとしよう。 それってどういうことだろうか?  重大なことなのか、些細なことなのか、急を要するのか、ゆっくり考えればいいのか、影響を与える範囲はどの程度なのか、そのようなことを知らなければならない。 そして、イシューとは、そのようなものに対して、どういうポイントで考えればいいのだろうか、どういう視点で考えればいいのだろうか、を指摘することである。

例えば、ある製品の品質が悪化しているという問題が発生したとしよう。 イシューで指摘すべきは、単に「品質に問題がある」と記載することではない。 これをどのようなポイントで考えるべきだろうか。 人的リソースなのだろうか、開発プロセスなのだろうか、あるいは何か別の考慮すべきポイントがあるのだろうか、イシューとはそういうことを指摘することである。

これは、私たちにとっては一石二鳥である。  第一に、 会社のいろいろなプロセス上の問題が解決する。 第二に、これを繰り返すと、一人ひとりの論理思考能力は自然と鍛えられる。

とはいっても、優れたイシューを誰でもすぐに書けるものではない。 習熟度の低い時点での典型は 「特にありません」だ。 イシューがどれだけ書けるかはその人の習熟度のバロメータにもなる。

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大事なことは中を調べよ

2007 年 5 月 8 日 火曜日

前の会社に勤めていて、まだエンジニアをしていた頃に聞いた話である。 その頃は、ノートPCを設計するのはまだ技術的にかなり難しかった。 どうやって放熱するのか? どうやればプリント基板を小さいスペースに押し込めるのか? どんな部品を使うと小さくできるのか?  どうやって使っていない部品への電源供給を停止するのか?

ある時、社員のある者が台湾の会社との打合せのために出張した。 そのとき、ノートPCの新製品を持参した。 その製品はかなりの出来栄えで、とても小さく、薄く、そして電力消費が少なかった。

会議は長時間に及んだため、昼休みをとり部屋に戻ると、なんと持参したノートPCが、その台湾の会社の者たちによって分解されていた。 「何をしてるんだ?」と問い詰めると、「どうやって設計されているのか中を見ていたんだ」と事も無げに答えたと言う。

今回のメッセージは、「他人のものを勝手に分解せよ」 ではない。 「大事なことは中を調べよ」である。

今、あらゆることが複雑になってしまったので、全てを分解して理解しようとしていたら、それで一生終わってしまうかもしれない。 自動車がどういうメカニズムで走るかを知らなくても特に不便でもなく、テレビがどういうメカニズムで映像を映すのかをしらなくても何も困りはしない。 ただ、自分にとって大事なことだけは、ブラックボックスにしないで、中を調べた方が良い。

技術者はビジネスというものをブラックボックス化しすぎる。 マーケティングやセールス担当者はテクノロジーをブラックボックス化しすぎる。 以前は、これでも通用したかもしれない。 なぜならば製品は単一機能で動き、ビジネスモデルは単純であった。

今や製品やサービスはネットワーク化している。 特にIT系の製品はそうなのだ。 他社の製品と自在に連結したりもする。 そうなってくると、ビジネスモデルも複雑化する。 昔のように、単体製品に値段をつけて店で売ればいいというわけにはいかない。 どこに収益を生む仕掛けを作っておくかは、テクノロジーを知らずして語れない。 逆に、ビジネスモデルを考慮せずに製品を開発しても価値を生み出さない。

大事なことは中を調べよ

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つくばエクスプレスの中

2007 年 1 月 22 日 月曜日

膨大な数のeメールを読み返信し、会議に出席してあれやこれやと言い、社員から持ち込まれた諸々の課題について話し合い、顧客と会って商談をし、・・・・・・・・それで私の会社での時間は終わる。  私の時間のほとんどは人のための時間なのだ。

何かを考えるにはまとまった時間が必要だ。 私にとってそれは、つくばエクスプレスの電車の中、・・・・そして、バスタブの中、ベッドの中だ。  たぶん、そういう習慣になってしまっている。 何か新しいアイデアを思いつくのはいつもそういう場だ。  つくばエクスプレスの中では思いつくことを手帳に書き込む。 バスタブの中で思いつくことは風呂上りに手帳に書き込む。

問題はベッドの中だ。 そのまま寝てしまうことが多い。 そしてリフレッシュ信号の入らなくなった私の脳DRAMから完全に消え去る。  もっとも優れたアイデアが浮かぶのがベッドの中なので、これは厄介な問題だ。 解決しなければならない。

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