‘組織と人’ カテゴリーのアーカイブ

宇宙線は害か? 有益か?

2009 年 6 月 6 日 土曜日

「ヒストリーチャンネル」という衛星放送テレビチャンネルがある。私の家ではケーブルテレビでこれを視聴できるのだが、質の劣化が止まらない民放地上波テレビよりずっと面白いかもしれない。 

ヒストリーチャンネルの中の番組「ザ・ユニバース ~宇宙の歴史~」を見ていたら宇宙線の話をしていた。

宇宙の中は「宇宙線」と呼ばれる高エネルギーの放射線が飛び交っていて、地球にも降り注いでいる。 生物の進化をもたらしたものは宇宙線なのだそうだ。 宇宙線は時にDNAに突然変異を発生させる。 このおかげで生物は進化をしてきたのだという。一方で、宇宙線は細胞を傷つけ、ガン細胞を作り出す原因にもなるらしい。 

人間一人ひとりとか、そういう個体にとっては、宇宙線は害である。 ところが、人類とか、そういう全体の単位で見てみると、宇宙線は益であり、無くてはならないものなのだ。

これは面白い。 一人ひとりにとって悪いものは、その集合体である全体にとっても悪いはずだ、と単純に思いがちだが、そうとは限らないということだ。 同じように、一人ひとりにとって良いものが、全体にとっても良いとは限らない、ということもあるだろう。

よくよく考えてみれば、このようなことは社会の中ではよくある。 有名な経済学の本の冒頭にも、「貯蓄は個人にとって美徳であるが、社会にとっては悪である」と書いてある。

しかし油断をすると、私たちは「個人の命題」と「全体の命題」をごちゃ混ぜにして議論しがちだから気をつけよう。 

例えば、地球環境の問題とか、戦争の問題とか、格差の問題とか、そういうものは全体の命題だから、個人の事情や正義感のようなもので議論すると間違った答えを導き出してしまう危険があるだろう。 私たちが社会全体や組織全体を良くしたいのなら、そういうことについて良く考えるべきだ。

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「まるで50人の社員がいるかのような組織」

2009 年 3 月 26 日 木曜日

サッカーの中村俊輔。 日本代表チームはどのようなサッカーを目指すべきかと問われて、「まるで14人の選手がいるかのようなサッカー」と答えた。 

見事なビジョンである。 機敏に動き、空きスペースに素早く走りこみ、パスが縦横無尽に繋がる、そんなイメージが鮮やかに浮かぶ。

ロゴスウェアは、今、社員30人程度だが、「まるで社員が50人いるかのような組織」を目指すとしたらどうだろうか? できるだろうか?どうすればできるだろうか?

これを組織のビジョンとして考えていくと、いろいろと面白い発想がでてきそうだ。 会議のあり方、業務分担の方法、コミュニケーションの仕方、レポートの書き方、権限の持ち方、・・・・あらゆることを 「まるで50人の社員がいるかのような組織」を実現するためにどうあるべきか、と考えたら面白い。

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公平な報酬

2009 年 3 月 24 日 火曜日

人の価値観はそれぞれだから、何が正しくて何が間違いだと断じることはできないが、仕事をするのなら価値観の合う職場で働くべきである。

価値観が合わない職場では自分の実力が発揮できないだろうし、だいいち楽しくない。

就職や転職を考えている人は、特に報酬の分配方法について確認すべきである。

ここに、AさんとBさんがいたとする。 AさんとBさんは、ある同じ仕事を頼まれた。 Aさんはその仕事を、特に残業をせずに、1ヶ月 160時間で完了させた。 Bさんは、その仕事を完了させるのに、毎日2時間の残業が必要で、1ヶ月 200時間の労働時間になった。 さて、ここに報酬原資として60万円あったとして、これをAさん、Bさんにどのように分配するのが公平なのだろうか?

考え方1: 両者の成果はどちらも同じなのだから、両者に30万円ずつ分配すべきである。

考え方2: Aさんに25万円、 Bさんに35万円を分配すべきである。 なぜならば、BさんはAさんより多くの時間を仕事に費やしたのだから。

どちらが公平だと思うかは人それぞれかもしれない。 しかし、「考え方1」が公平だと思う人が、「考え方2」の会社に働くと不幸になる(そして、その逆もまた)。 

だから、就職や転職をするときには、その会社はどちらの考え方なのかを確認しておくべきだ。ついでに、そのように報酬制度がなっていることも確認しておいた方がよい。 中には、「考え方1」に同意するが、報酬制度は「考え方2」になっている、などという筋の通らない会社も少なくないように思えるからだ。 

さて、ロゴスウェアはどうなっているかといえば、「考え方1」で、報酬制度もそうなっている。 だから、「考え方2」の人はロゴスウェアで働くわけにはいかない。 

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強みを生かせ

2009 年 3 月 6 日 金曜日

私たちが、これから将来に渡って良い仕事を続けられるかどうかは、人材にかかっているわけだから、人の採用は私たちにとっては最重要な仕事の一つだが、同時に中小ITベンチャー企業にとってそれは常に最も難しい仕事の一つだ。

万能の天才が採用できればいいのだがそのようなことは起こらず。 現実には、特に欠点はないが大きな強みもない人と欠点もありそうだが強みもありそうな人と、どちらを採用すべきかの判断に迷ったりするのがせいぜいである。

ピーター・ドラッカーは、強みを生かせ、という。

成果をあげるためには、人間の強みを中心に据えて人事をしなければならない。 人事上の決定においては、人間の弱みを最小限に抑えるのではなく、強みを最大限に発揮させなければならない。 

しかし、人は迷うものである。 その弱みは、組織としての弱点になるのではないか、と。 ドラッカーに言わせれば、それができないのは、組織を正しく構築していないからだ、となるのだろう。   

 
組織は人間が持っている弱みを克服することはできない。 しかし、組織は、人間の弱みを意味のないものにしてくれる。 組織の役割は、人間一人一人の強みを、共同の事業のためのビルディング・ブロックとして使うところにある。

人間の弱みを、仕事や成果とは関係のない個人的な欠点にしてしまうように、組織を構造化しなければならない。 そして、強みだけを意味あるものとするように組織を構築しなければならない。

つまり、人の弱みが悪影響を与えるようでは、その組織は未熟だ、ということなのだろう。 また、ドラッカーは次のようにもいっている。 

他人に成果をあげさせるためには、「彼は私とうまくやっていけるか」を考えてはならない。 「彼はどのような貢献ができるか」を問わなければならない。

できることではなく、できないことに気をとられ、弱みを避けようとするようなエグゼクティブは彼自身が弱い人間である。 

ドラッカーの書は、いつも、私を立ち止まらせ、何かを考えるきっかけを与える。 

マネジャーたる者、人の弱みを意味のないものにするような組織の構築をし、強みを中心に据えた人事ができるような強い人間にならなければならない。 ドラッカーは、そう言っている。

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BOOKIE

2008 年 12 月 1 日 月曜日

エリック・クラプトンは、愛用していた黒いストラトキャスターをBlackie (ブラッキー)という愛称で呼んでいた。

1970年、エリック・クラプトンは、6本のビンテージものストラトキャスターをそれそれ100ドルで購入した。そのうち3本は人に譲り、残った3本を分解して、選び出した最良のパーツを組み合わせて1本のギターに仕上げた。 それが、Blackie だ。

それから1985年に老朽化のために使用を中止するまで、13枚のアルバムのレコーディングや数知れないほどのコンサートで使い続けた。 2004年にオークションに出品されると、1億2,000万円もの値がついたという伝説のギターである。

さて、話はまるで変わるが、ロゴスウェアにはBookie (ブッキー)という制度がある。 四半期ごとに書籍購入のための一定予算が各人につく。 

ロゴスウェアがやっているような技術進化の激しい業界では体系立てた教育カリキュラムを設計するのが非常に困難な場合が多い。 各自がそれぞれの方法で、求められる技能を磨いていくしかない。 Bookie は、それを書籍の面から支援するものである。

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インタ-プレイ

2008 年 9 月 20 日 土曜日

休日の早朝、つくばの街中を南北に貫く遊歩道を、ビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」をiPodで聴きながら自転車を走らせると気持ちがいいのではないかと想像している。

午後になったら木漏れ日の古い喫茶店の中でコーヒーをすすりながら、ビル・エヴァンスの「Autumn Leaves」を聴き、静かに秋の景色を眺めていたら気持ちがいいのではないかと想像している。

ビル・エヴァンスのピアノの音色はいつもリリカルで、繊細で、知的で、美しくて、それでいて、非常に過激で先進的だ。

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ビル・エヴァンスの最高傑作は「ポートレイト・イン・ジャズ」(1959年)というアルバム。 ビル・エヴァンス(ピアノ)、スコット・ラファロ(ベース)、ポール・モチアン(ドラムス)の3名からなるトリオでの演奏だ。

何がすごいのかと言えば、3人が一体となって繰り広げる緊張感だ。 普通のピアノ・トリオと違い、3人が対等にやりあう。

お互いが演奏中に相互作用しあう。 相手の音に反応しあい、個々を高めあう。

時に、ベースのスコット・ラファロはもはやベース音を弾かない。高音域を使い対位法旋律を奏でる。 エヴァンスのピアノに絡むように入るポール・モチアンのブラシ・ワークも素晴らしい。

こういうスタイルをインタープレイという。 インタープレイがあるから、いつも演奏は刺激的なのだ。 同じ曲を何百回演奏しても新鮮で、クリエイティブなのだ。

仕事だってインタープレイした方がいい。 それが創造性を生む。

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カサンドラ

2008 年 3 月 16 日 日曜日

Intel の元CEO アンディ・グローブは著書「インテル戦略転換」の中で、カサンドラの重要性について書いている。

カサンドラとはトロイの陥落を予言した女司祭である。組織の中にカサンドラがいれば戦略転換点を認識する上で頼もしい存在となってくれる。 こうした人たちは販売部門で働く人間であることが多い。彼らは近づきつつある変化について経営陣より多くのことを察知している。

今日もっとも優れた組織を作り上げたいならば、それは有機的システムのように機能しなければいけない。

有機的システムは、自己組織性を持ち、自己監視機能を持ち、自己修復機能を持つ。 つまり、自ら秩序を持った組織体系を作りあげるだけでなく、何かおかしくなっているところはないかを監視していて、問題が生じれば自ら修復することができる。

人体もそうなっているし、生態系もそうなっている。 企業の組織の究極的な姿もこれと同様なものだ。

カサンドラは、監視機能の働きをする。はっきりしたことは言えないが何か調子が悪い、何か変化が起こりつつあるのではないかと警告を発するのだ。

カサンドラを厄介なことを持ち込む面倒な人間などと決して思わないこと。カサンドラの話に耳を傾けよう。

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「全員がキャプテンマークをつける」

2008 年 3 月 15 日 土曜日

以前、サッカー日本代表監督であったフィリップ・トルシエが言っていた。

「モダンサッカーでは、ある一人がキャプテンマークを付けることでチームの雰囲気が変わることはない、というのが私の信念です。キャプテンマークは全員がつけないといけない。」

これはモダンサッカーだけに当てはまるものではない。モダン組織すべてに適用すべき考え方だ。

企業でいうならば「全員がリーダーでなくてはならない」。全員が責任感と判断力を有していなければ、現代の最高の組織は作れない。 何しろ時間は止まらないし、私たちの周りはどんどん速度を上げて動いているのだから。

ロゴスウェアが目指す組織とはそういうものだ。

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自己組織性

2008 年 3 月 4 日 火曜日

組織をコントロールしようとしても、思い通りにいかないのは組織というものが複雑系であるからに違いない。

複雑系というのは、それぞれの因子(たとえば、一人ひとりの社員とか)が相互に影響をしあうために、未来の振る舞いが予測不可能なシステムをいう。

全体が相互作用して複雑に絡み合っていて、たくさんの循環ループを形成している。こうなると、何が原因で何が結果かがさっぱり分からず、どこから手をつけるべきかが判断つかなくなる。 経済、生態系、社会、政治、などがすっきり解決しないのは、それがみんな複雑系だからだ。

複雑系ではコントロールが難しいからシステムがいつも混沌としているのかというとそうでもない。複雑系でも見事な秩序と調和が造られることがある。

太陽のまわりを惑星が回って構造が作られたり、銀河が形成されたり、水の分子が集まって雪の結晶が造られたりする。

誰がこれを造ったのか? 神か?

いや、これは自分で勝手に構造や形状や秩序を作り上げたのだという。 これを複雑系の自己組織性というのだそうだ。

こういうことの研究により1977年にノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンという人は、自己組織化するためには3つの条件が必要だといった。

  1. オープン
  2. ダイナミック
  3. ポジティブ・フィードバック

つまり、会社にはこの3つの文化が必要だ。 こうすることにより、自己組織性により組織に美しい構造と強い秩序が作られる。 これを無視して組織を思い通りにしようとしてもそれは無駄な抵抗だ。

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ゆっくりした変化には注意せよ

2008 年 2 月 25 日 月曜日

世の中どんどん変化のスピードが上がり、組織はそれに適応せよ、ということで多くの経営理論、組織理論が論じられている。階層を減らしてフラットな組織にしたり、ネットワーク型組織にしたり、一つ一つを自立的な小規模な集団にしたりだ。

イージス艦のような大きな船が急に進路を変えられないように、これは社員が数千人、数万人もいるような大企業にとっては重要なことに違いないが、ロゴスウェアのような小企業にとってはあまり重大なことではない。小さな組織なので、そもそも組織はフラットだし、新しい会社なのでネットワーク型のコミュニケーションが自然とできている。スピード化ということでいえば、すでに準備は整っているのだ。

不思議なことにあまり議論になることがないが、より重要な課題はゆっくりした変化にどう対応するかだ。 人間も組織も急激な変化に適応するのは大変な苦痛を伴うだろうが、やらなければいけないことははっきりしているので、なんとかなるものだ。

ゆっくりした変化はこれが難しい。昨日も今日もあまり変わらず、今日何かを変えなくても突然破綻したりもしないのだ。そういうときに人間は怠慢になる。何も変化せずにずっと済んでしまうような気がする。

あるいは、変化がゆっくりだと変化していることすら認知されないのかもしれない(アハムービーのように)。

この問題には、急激な変化に対する以上の意識を持って取り組まなければならない。

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