‘組織と業務プロセス’ カテゴリーのアーカイブ

カサンドラ

2008 年 3 月 16 日 日曜日

Intel の元CEO アンディ・グローブは著書「インテル戦略転換」の中で、カサンドラの重要性について書いている。

カサンドラとはトロイの陥落を予言した女司祭である。組織の中にカサンドラがいれば戦略転換点を認識する上で頼もしい存在となってくれる。 こうした人たちは販売部門で働く人間であることが多い。彼らは近づきつつある変化について経営陣より多くのことを察知している。

今日もっとも優れた組織を作り上げたいならば、それは有機的システムのように機能しなければいけない。

有機的システムは、自己組織性を持ち、自己監視機能を持ち、自己修復機能を持つ。 つまり、自ら秩序を持った組織体系を作りあげるだけでなく、何かおかしくなっているところはないかを監視していて、問題が生じれば自ら修復することができる。

人体もそうなっているし、生態系もそうなっている。 企業の組織の究極的な姿もこれと同様なものだ。

カサンドラは、監視機能の働きをする。はっきりしたことは言えないが何か調子が悪い、何か変化が起こりつつあるのではないかと警告を発するのだ。

カサンドラを厄介なことを持ち込む面倒な人間などと決して思わないこと。カサンドラの話に耳を傾けよう。

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「全員がキャプテンマークをつける」

2008 年 3 月 15 日 土曜日

以前、サッカー日本代表監督であったフィリップ・トルシエが言っていた。

「モダンサッカーでは、ある一人がキャプテンマークを付けることでチームの雰囲気が変わることはない、というのが私の信念です。キャプテンマークは全員がつけないといけない。」

これはモダンサッカーだけに当てはまるものではない。モダン組織すべてに適用すべき考え方だ。

企業でいうならば「全員がリーダーでなくてはならない」。全員が責任感と判断力を有していなければ、現代の最高の組織は作れない。 何しろ時間は止まらないし、私たちの周りはどんどん速度を上げて動いているのだから。

ロゴスウェアが目指す組織とはそういうものだ。

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自己組織性

2008 年 3 月 4 日 火曜日

組織をコントロールしようとしても、思い通りにいかないのは組織というものが複雑系であるからに違いない。

複雑系というのは、それぞれの因子(たとえば、一人ひとりの社員とか)が相互に影響をしあうために、未来の振る舞いが予測不可能なシステムをいう。

全体が相互作用して複雑に絡み合っていて、たくさんの循環ループを形成している。こうなると、何が原因で何が結果かがさっぱり分からず、どこから手をつけるべきかが判断つかなくなる。 経済、生態系、社会、政治、などがすっきり解決しないのは、それがみんな複雑系だからだ。

複雑系ではコントロールが難しいからシステムがいつも混沌としているのかというとそうでもない。複雑系でも見事な秩序と調和が造られることがある。

太陽のまわりを惑星が回って構造が作られたり、銀河が形成されたり、水の分子が集まって雪の結晶が造られたりする。

誰がこれを造ったのか? 神か?

いや、これは自分で勝手に構造や形状や秩序を作り上げたのだという。 これを複雑系の自己組織性というのだそうだ。

こういうことの研究により1977年にノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンという人は、自己組織化するためには3つの条件が必要だといった。

  1. オープン
  2. ダイナミック
  3. ポジティブ・フィードバック

つまり、会社にはこの3つの文化が必要だ。 こうすることにより、自己組織性により組織に美しい構造と強い秩序が作られる。 これを無視して組織を思い通りにしようとしてもそれは無駄な抵抗だ。

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ゆっくりした変化には注意せよ

2008 年 2 月 25 日 月曜日

世の中どんどん変化のスピードが上がり、組織はそれに適応せよ、ということで多くの経営理論、組織理論が論じられている。階層を減らしてフラットな組織にしたり、ネットワーク型組織にしたり、一つ一つを自立的な小規模な集団にしたりだ。

イージス艦のような大きな船が急に進路を変えられないように、これは社員が数千人、数万人もいるような大企業にとっては重要なことに違いないが、ロゴスウェアのような小企業にとってはあまり重大なことではない。小さな組織なので、そもそも組織はフラットだし、新しい会社なのでネットワーク型のコミュニケーションが自然とできている。スピード化ということでいえば、すでに準備は整っているのだ。

不思議なことにあまり議論になることがないが、より重要な課題はゆっくりした変化にどう対応するかだ。 人間も組織も急激な変化に適応するのは大変な苦痛を伴うだろうが、やらなければいけないことははっきりしているので、なんとかなるものだ。

ゆっくりした変化はこれが難しい。昨日も今日もあまり変わらず、今日何かを変えなくても突然破綻したりもしないのだ。そういうときに人間は怠慢になる。何も変化せずにずっと済んでしまうような気がする。

あるいは、変化がゆっくりだと変化していることすら認知されないのかもしれない(アハムービーのように)。

この問題には、急激な変化に対する以上の意識を持って取り組まなければならない。

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ネットワーク型組織

2007 年 12 月 24 日 月曜日

組織というものは、何となくあって何となく動いているものではないから、いろいろな組織にはその意図がある。

サッカー日本代表前監督オシム氏がめざしたのは「考えて走るサッカー」である。「考えて走るサッカー」を実現するために選手を集め、指導をし、組織を作る。

ロゴスウェアの組織がめざすものは、「スピード」である。資金力、人材力、などの力では、大手企業に絶対勝てないから、スピードで勝負をしなければいけない。

情報伝達のスピード、意思決定のスピード、製品開発のスピード、市場投入のスピード、を極限まで高めなければならない。

そのために選択されたのはネットワーク型の組織である。 ピラミッド構造の組織は安定しているが、どうしてもスピードに欠けるので、ネットワーク型の組織を選択している。

ピラミッド型の組織では各社員は所属する部門の長とだけつながっていて情報の伝達や意思決定はそこを通して行われるが、ネットワーク型の組織では社員はあらゆるところとつながっている。情報の伝達経路もさまざまだし、意思決定の方法もさまざまだ。

ネットワーク型の組織を作るためにまずしなければいけないことは文化の構築だ。そこには、主体性を発揮する文化、オープンに議論する文化、チームに貢献する文化が不可欠だ。 これらは、ロゴスウェアでは重要な価値観として定義され、その行動が評価される。

ネットワーク型の組織には、同時に、それを支援するツールが必要だ。各自が、必要な情報をいつでも入手できて、共有できるシステムだ。ロゴスウェアの中では、バーチャルな意見交換の場としてのSNSがあり、情報を蓄積しておくためのグループウェアがあり、会社の営業状況を把握するための情報システムなどがある。

ネットワーク型の組織は、文化と情報システムの両面からサポートされなければならない。

ロゴスウェアの現状を言うならば、この両面において、まだ完成形には至っていない。ネットワーク型組織は、ピラミッド型組織に比べて複雑なので、安定的に運営するためには、努力と時間を要する。文化の浸透には時間を要するし、情報システムも更なる改善が必要だ。

特に意思決定のプロセスにおいては十分な配慮が必要だ。しばらくの間は、多くの意思決定に経営責任者が介入しなければならないだろう。これは、スピード化を妨げるものであり、また中央集権を強めるものであるが、時間をかけて解決しなければいけない点だ。

しかし、私たちのめざす方向は明確だ。

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12音階

2007 年 11 月 17 日 土曜日

以前、NHKの番組で、ヨーヨー・マ率いるザ・シルクロード・アンサンブルを特集していた。

今、自分たちが普段聞いている音楽は、1オクターブを12に分割した12音階が使われているが、イランなどの民族音楽ではもっと細かい音があり、半音の中が更にいくつかに分割されているのだという。

考えてみれば、1オクターブの中を12に分割しようと決めたのは人間だ。 1オクターブの音の中に何か自然な区切りがあるわけではないから、分けようと思えば無限に分割できる。 100音階にすることだってできるし、逆に5音階にすることだってできる。

12にしようと決めたところに人間の知恵がある。 たぶんこれくらいが人間が創造力豊かに音楽を創っていくのに適していたのだ。

音が12個になったから、モーツァルトもベートーベンもショパンもチャイコフスキーも創造力豊かな音楽を創り上げられた。

音が100個もあったら自由に振舞うのが難しく、5個しかなければ窮屈すぎて不自由する。

これが教えてくれることは、適度な制約が人間の自由を最大に高めてくれることだ。 制約が無さ過ぎても自由になれず、制約が多すぎても自由になれない。

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ワン・オン・ワン

2007 年 10 月 15 日 月曜日

上司と部下が1対1で定期的にミーティングをする仕組みはどれくらい普及しているのだろうか。

はっきりした数字はないが、ロゴスウェアに転職してくる人たちの話を聞く限りではあまり実施されていないようだ。

「毎日顔をあわせているし、毎日話をするのだから、必要だとは思わない」と言う人がいる。 しかし、1対1で話をすることは、これらとはっきり違うものだ。

1対1のミーティングをロゴスウェアでは、1オン1(ワン・オン・ワン)と呼んでいる。 実は私の前の職場で行われていたことだが、これは有益な制度だと思い、ロゴスウェアでも実施している。

1対1で定期的にミーティングを持ち情報交換をすることは、その他の話し合いでは補えないものだ。

目標の設定、進捗の状況、抱えている課題、人事の問題、組織の問題、個人的な問題など、お互いが確かな時間をとって話し合うことが重要なのだ。

一人一人は、経験も違い、習熟度も違い、能力も違い、知識量も違い、性格も違い、強みも違い、弱みも違い、悩みも違う。だから、全体に対するメッセージだけではなく、一人ひとりに向き合わなければならない。

各自の状況に合わせて最適なアドバイスを提供するのはマネージャの大事な役割だ。

個人が抱えるいろいろな問題は、時に非常にナイーブで、余程さしせまらないと表面にでてこないものだ。表面にでてきたときにはもう手遅れの場合が多い。そのようなナイーブな問題に対するには1対1の話し合いが大事だ。

ワン・オン・ワンは、直接の上司との間だけに限定する必要はない。 ロゴスウェアではまだ社員が30名ほどなので、私自身も全員と行っている。意思疎通を円滑にするために、他部門の人と行うのも有益だ。社員はいろいろな人にワン・オン・ワンをリクエストする権利を持っている。

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ネガティブパワーには注意を払え

2007 年 6 月 30 日 土曜日

人間は誰にだって、新たなものに挑戦してみよう、現状を打破してもっと素晴らしいものにしよう、という前向きな力、ポジティブパワーがある。

一方で人間は、変わったことはしたくない、このまま無難にしていればいいじゃないか、やっても無駄じゃないか、新しいことをするのは億劫だ、というような否定的な力、ネガティブパワーも持っている。

私の実感としては、ポジティブパワーはまわりの2~3人の人間に影響を及ぼすが、ネガティブパワーはまわりの10人の人間に影響を及ぼす。

一般に、会社の規模が大きく社員数が多いほど、ネガティブな雰囲気が蔓延し消極的になっているのはこのためであると思う。

ベンチャー企業のスタートアップ時などは夢と希望に溢れたポジティブパワーに満ちているのが普通だ。 少人数の社員しかいない中に、ポジティブパワーが強い創業者、起業家の影響が色濃く反映されるからだ。

成長とともに社員数が増えていく段階で、ポジティブパワーが衰えないように細心の注意を払う必要がある。

第一に、ネガティブな人間を採用してしまわないように注意を払う必要がある。

第二に、会議、メール、会話、その他の日々のコミュニケーションを注意深く観察し、ネガティブな雰囲気を根絶するように行動することだ。

第三に、それでもネガティブな人間がいる場合は、その処遇について考えることだ。

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会社と社員のパートナーシップ

2007 年 6 月 25 日 月曜日

昔、学生の頃、経済学の授業で、「搾取」について講義を受けたことがる。マルクス経済学というものだ。資本制のもとでは資本家は労働者から搾取している、というのだ。

この考えによると、労働者は、一定期間(例えば、8時間とか)の労働力というものを売り、資本家はそれを買うのだという。資本家は、労働力を買ったのだから、その使用権を得てそれをどのようにでも使うことができる、という。資本家は、労働者への賃金支払に必要な労働力(例えば、これを5時間としよう)を超えた分(つまり、残り3時間分)を搾取するのだという。

共産主義やマルクス主義は、こんな考えで資本主義を批判するらしい。まったく馬鹿げている。

少なくても自分が会社員であったときにもそんな風に考えたことはなく、経営者になった今でもそんな風に考えることはない。

大体において、労働力を売買するという考え方に違和感がある。資本家と労働者階級をはっきり分けているのも気に入らない。そこからイメージされるのは、明治時代や昭和初期の頃の工場で、あくどい資本家に奴隷のようにこき使われる工場労働者たちだ。

あまりに古臭い考えなので、今や共産党でさえ「搾取」などという言葉は使わなくなったと思っていたが、どうもそうでもないようだ。労働法改革に対する労働組合などの反応は、ほとんど大昔の共産主義的考えそのままだ。

今、企業経営は会社と社員のパートナーシップに重点を置いている。お互いが協力して共通のミッションを達成するために共に働く関係だ。そして、会社は全てのステークホルダー(顧客、社員、株主)を幸福にするために存在するのだ。少なくても、ロゴスウェアではそうしたい。

私たちは未来に向かって進みたいのだ。進化した組織、進化した働き方が必要だ。大昔に戻るなんてごめんだ。

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「オーケストラ・リハーサル」

2007 年 5 月 21 日 月曜日

巨匠フェデリコ・フェリーニの映画に「オーケストラ・リハーサル」というものがある。

ある寺院の礼拝堂を舞台に、そこでの演奏のために集まって来た音楽家たちのリハーサル風景をドキュメンタリー・タッチで描く。

演奏家たちはみな個性的で、楽器を深く愛し、音楽家としての誇りを持っている。 ただし、まとまりが何もない。 音楽を勝手な解釈で演奏をし、他の人が弾いているときには勝手なことを始めてしまう。 指揮者が仕切ろうとすると、「俺たちは芸術家だ、誰にも指図されたくない、指揮者なんていらない、メトロノームで十分だ」 と文句をいう。 しかし、実際にはまったく演奏にならないのだ。

組織とは何かを考えさせてくれる映画だ。

個人の自由と組織の規律のバランスには、細心の注意を払わなければならない。 特に、ソフトウェア開発会社で、それは生命線だ。

私たちは自由でありたいが、自由放任であってはいけない。 そうでなければ、結局すべての人の目標を達成できない。

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