‘組織と業務プロセス’ カテゴリーのアーカイブ

組織図というもの

2007 年 5 月 2 日 水曜日

ロゴスウェアを始めた当初、私たちには組織図というものはなかった。 5、6人でやっていたので、それは必要ではなかった。 一人ひとりがいろいろな役割をこなさざるを得なく、何の役割を担うかは一人ひとりの強みに依存していた。  職務内容に人をアサインしていたのではなく、人に仕事をアサインしていた。

しばらくたって、人が増えてきたので、組織図なるものを作った。 面白いことに、組織図ができると仕事の効率は落ちた。 組織図がまずあって、それに人がアサインされている、という意識にとらわれてしまうようだ。  自分の役割を固定しすぎるのだ。 これでは組織は機動的ではない。 まずは人ありきであるべきだ。 一人ひとりの強みに合わせて仕事がアサインされ、それが組織図という形に表現できたら素晴らしい。  そのとき、組織図は綺麗な図ではないかもしれない。 また、頻繁に変わるかもしれない。

以前インテルで働いたとき、何度かアメリカで仕事をする機会があった。 私に用意された机にPCはあったのだが配線がしていなかったので、机の下にもぐりPCのAC電源を差したり、本体にモニターのケーブルを差したりしていた。 そのとき通りかかった人が言った。 「おいおい、おまえはテクニシャンか?」  どうも、アメリカではこの手の作業をするのはテクニシャンと呼ばれる職種の人たちで、エンジニアはそういうことはしないようなのだ。 馬鹿げていないか?

私たちは組織図を無くすことはできない。 それでは、あまりに無秩序すぎる。 ただ、組織図に縛られて身動きがとれないようにはしたくないのだ。

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人の移動を伴わないグローバル化

2007 年 4 月 25 日 水曜日

航海技術の発達、新大陸発見、移住、航空技術の発達、・・・・・・
人類の歴史のベクトルは常にグローバル化の方向を向いていた。

GE、ソニー、トヨタ、マイクロソフト、インテル、ファイザー、デュポン、・・・・・
企業は世界に事業拠点を設け、グローバル企業となった。

レアル・マドリッド、バルセロナ、ヤンキース、シリコンバレーの企業、アメリカの大学、国際的な研究所、・・・・・・・
世界中から優秀な人材を集めて組織を形成する動きも激しい。

これらの流れに加えて、インターネットの発達は、「人の物理的な移動を伴わないグローバル化」が起こることを予感させる。  インターネットにより、資本、原材料、知識 の経営資源は、いつでも、そして世界中のどこからでも入手することができるようになってきた。 残る最大の経営資源 「労働力」 もいつの日か必ずインターネット上で容易に入手可能になるときがくるのではないか。

そのとき、会社の形態は今と著しく違った姿となるに違いない。 取り組む課題によって、人と人とが自在に結合し、各組織は大きくもなり、小さくもなる。 決まった形を持たず、自由に変形していく。 物理的に同じ場所にいる必要もなく、知識と情報のネットワークで結ばれている。  人は命令ではなく、目標、目的、役割、責任、において仕事をする。

私の経営するロゴスウェアを未来型の組織にしたいと願っている。 伝統に対応するのではなく、未来に対応したい。  主体性、自由、公正、オープン、などを中心とするロゴスウェアの価値観は、その基盤となるために書かれた。

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リスクを冒せ

2007 年 4 月 18 日 水曜日

数あるスポーツの中でも、サッカーほど戦略や組織力を要求するものはない。  そこに理論家オシム監督が加われば、これは会社経営にとってそのまま使えるような言葉となる。

オシム監督曰く、 「リスクを冒せ」
いつ、どこで、どんな種類のリスクを冒すべきなのか、逆にどんな種類のリスクを減らすべきなのか、その感度を磨けという。 「5人で攻めて、残り5人で守る、などという分業はもはや通用しない。 チーム全員が、リスクを冒しつつ、バランスもとれる判断能力がないとだめだ」 と主張する。

サッカーの戦略もかなり高度になり、単純な個人技、固定された組織などではもはや世界で戦えないということなのであろう。  南米は個人技のチーム、ヨーロッパは組織のチームなどと言っていたのはもう昔のことなのだ。 サッカーは、全員が有機的に攻め、そして守る、というスタイルに様変わりしている。 試合の流れを瞬時に判断し、あるときはリスクを冒して攻め、あるときは危険を察知しリスクを回避する。 それをフォーメーションやポジションを自在にそして瞬時に変更しながら行う。 こういう判断能力が一人ひとりに求められ、組織として機能する。

会社の経営もまったく同じではないか。 もはや単純ではないのだ。  市場ニーズは多様化し、そして絶えず変化する。 しかも、かなり速く。  企業はこれに対応しなければ生き延びることができない。 この市場環境に順応することに成功した企業だけが生き延びる。

一人ひとりが瞬時に、しかも適切にものごとを判断し、それが組織的なバランスを保った状態で行われる。  これを実現することが、私がロゴスウェアで実践していく経営である。

オシム監督はこうも述べている。
「日本の若者は小さいころから親や先生に”危ないからやめなさい”という教育を受けると聞く。 それをいきなり私に”リスクを冒せ”といわれても教えに反するわけで、難しいのかも」

またしても教育なのか。  教育とはなんと重要なことなのか。

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混沌を経営する

2007 年 4 月 16 日 月曜日

秩序があり、混乱がなく、みんな仲良しで、いくら心地よくても、創造的でなければ気に入らないのだ。

新しい発見、斬新なアイデアは創造力の賜物だ。 私たちは創造したいのだ。 それがベンチャー企業としての姿だ。 創造的な人間を集め、 創造的な環境の中で、創造的な活動を行いたいのだ。

創造的な人間は、みな個性的であり、何よりも自由を求める。  必要以上の干渉を好まないのだ。  一方で私たちは組織で働く。 組織としての目標があり、ビジョンがある。  これを両立させることが、創造的な企業に求められる。

私たちは混沌を受け入れなければならない。 創造的であろうとすれば混沌は避けられない。 新たな秩序が確立するまで、必ず混沌とするのだ。 そしてその新しい秩序はやがて古いものとなり、次の創造が始まる。 再度、混沌とするのだ。 これの繰り返しである。

ある人は混沌とした状態を見て、何か組織がうまく機能していないという印象を持つかもしれないが、 そうではないのだ。 大切なことは混沌を避けることではない。 混沌を受け入れ、それを経営していくのだ。

官僚的で、管理され過ぎの企業には、確かに秩序があるであろう。 混乱がなく、みんなが心地よいのかもしれない。  しかし、その企業は衰退するのみである。  間違っても、ロゴスウェアが目指すべき企業像ではない。

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時代は変わる

2007 年 3 月 18 日 日曜日

「遅いものも、のちには速くなり
現在はやがて過去になる
秩序は消え去り
今一番のものはやがて最後になる
時代は変わっているのだから」

ボブ・ディランが「時代は変わる」と歌った1960年代はゆっくりと変わる時代だったに違いない。 今、変化の速度はあまりにも速い。

1994年に設立されたネットスケープが一時ブラウザ市場を席捲し、その後マイクロソフトとの激しいバトルに敗れ、1998年11月にAOLに買収されるまでの期間は4年。

1998年に設立されたグーグルが検索エンジンの市場に革命を起こし、史上最大規模でナスダックに上場するまでの期間は6年。

2005年にサービスを開始したYouTubeが、 動画共有サービスを爆発的に普及させ、約2,000億円でグーグルが買収するまでの期間は1年。

このあまりにも速い技術の進歩と市場の変化は、経営のやり方において否応なしに変化を求める。 全ての経営手法をスピードに照準を合わせて構築しなければならない。  旧来型の指揮命令統制型の組織では立ち行かなくなる。 上下関係や組織横断的な横とのつながりにスピードを阻害する壁があってはならない。

1980年代、日本はその独特な企業文化によって急成長を遂げた。 日本独特の経営手法はセオリーZと呼ばれた。 日本文化に根ざした規律、上下関係、長い時間をかけて醸成されるコンセンサス、家族主義、などが強さの源流であった。 1990年代に入り風向きが変わってしまったのは、市場の要求するスピードがある臨界点に達し、かつて日本企業の強みとされたものがスピード化の足かせになってしまったからであると思う。 挑戦的に、革新的に取り組み、圧倒的なスピードを持って成し遂げることが、現在を生き抜く私たちに課された課題である。

ロゴスウェアが組織をまとめる上での基盤としているのは、ミッションと価値観、そして目標である。 社員個人の行動を駆り立てるものは、上司からの命令ではなく、使命や目標に対する思いの高まりであって欲しい。 ロゴスウェアは、一人一人が主体的に行動できるように、組織として許される最大限の自由を与えたい。

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「目標+主体性」の組織

2007 年 2 月 10 日 土曜日

昔、「太陽にほえろ!」というテレビドラマがあった。
ボス(石原裕次郎)の机の電話がなる。  「3丁目の消費者金融で殺しだ。 ホシは30代の男性。 車で逃走中」 と言うと、3秒後には、七曲署捜査一係の部屋から、長さん、山さん、ゴリ、殿下、ジーパン、が飛び出していくという早業だ。

もしこれが「指示命令+統制」型の組織だったらこうはいかない。  細かい打合せから始まる。 誰が何をするか、細部を詰め、一人一人に細かい指示を出すところから始まる。 時間がかかる。 間違いなく、犯人は逃走に成功する。

七曲署は、プロの集団だった。 一人一人が、自分の果たすべき役割を認識していた。 目的や課題に対して、即座に動くことができた。

ロゴスウェアで実現したいのは、「目標+主体性」型の組織だ。 自分は何をすべきかを一人一人が理解し、行動できる組織だ。 一人一人のプロ化が要求される。 主体性、自律、自己責任が要求される。

ほとんどの日本人が学校で学ぶことをしなかった領域だ。 以前の職場で経験してこなかった価値観だ。 従って、このような組織を完成させるにはたくさんの時間と甚大な努力を要する。 また、これを要求するとき人にとって大きな戸惑いがあることを理解している。 しかし、次の二つの理由により、ロゴスウェアはこれを推進し、そして完成させたいのだ。

1. 「指示命令+統制」型は、人の思考を停止することを要求する。 しかし、 「目標+主体性」型は、人には誰でも脳みそがあり考えることができる、ことを前提としている。 ずっと人間的である。

2. 仮にどんなに正確に情報伝達ができたとしても、 仮に混乱がなくどんなに心地よくても、時間に間に合わなければ意味がない。 「指示命令+管理」型では市場の要求するスピードについていけず、「目標+主体性」型のみが生き残る道である。

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