経営と会計

未来に希望を持っている

2008年 6月 13日

まもなく、ロゴスウェアの第7期も終了する。

7年前に文字通りゼロからスタートした当社がここまでやってこれたことは喜ばしいことだ。 四半期ごとの成長で前年同期を一度も下回ることなく成長できたことは誇りにできる実績である。 いくつかの幸運にも助けられたかもしれないが、それを成し遂げた社員の力と努力を誇りに思っている。

しかし過去は過去だ。 それが私を興奮させ、すっかり満足な気分にさせることはない。

本当に興奮させられるのはいつだって未来について考えるときだ。

私たちはどこまで行けるのだろうか。

私たちはどこまで進化できるだろうか。

私たちはどれほどの製品を顧客に届けられるだろうか。

私たちは未来に何を見るのだろうか。

今、ロゴスウェアは未来に希望を持っているのだ。 これがロゴスウェアの7年間の最大の成果だ。

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生存者偏向

2008年 2月 23日

第二次世界大戦中、戦闘機の耐久性について研究していたエイブラハム・ワルドという学者は、生還した戦闘機のある部分が他の部分に比べて極端に被弾していることに気づいたという。

その報告をうけて、軍関係者は戦闘機のその被弾の多い部分を補強するように提言するが、エイブラハム・ワルドは次のように言う。

「補強すべきは、ほとんど被弾を受けていない部分である。なぜなら、自分たちが調べたのは生還した戦闘機だ。被弾が多い部分に障害を受けても戦闘機は飛び続けるのだ。生還できなかった戦闘機は、生還した戦闘機がほとんど被弾しなかった部分を破損したからに違いない。」

こういう問題を「生存者偏向」という。 

企業に置き換えてみよう。 日本の企業の現状を見ると、いろいろな問題点が浮かび上がってくる。 労働環境のことやモチベーションのことや人事制度のことやメンタルケアのことや人材教育のことや、いろいろである。

それでも企業は生きている。 生還した戦闘機に例えれば、企業生命が途絶えるかどうかは、きっと生きている企業が被弾していない部分にあるのかもしれない。 それらは生きている企業にとっては普段気にもしていない問題なので、あまり分析されることもないのだろう。 しかし、本当に大切なのはそういう部分かもしれない。

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人件費の変動費化

2007年 11月 29日

右肩上がりで成長を続けた日本経済は、90年代に入ると失速してしまう。 売上が上がったり、下がったり、変動するようになってしまった。

この変動に多くの日本企業が耐えられなかった。 固定費が目立ち、赤字企業が続出してしまった。

多くの企業は体質改善を実施し、「固定費の変動費化」を図った。

固定費となってしまう正社員の数を必要十分な規模まで下げ、その他の人件費はパート、アルバイト、派遣、請負、へと切り替えた。

この構造変化がいま格差社会と呼ばれる社会問題となっている。

格差問題は放置してよい問題ではないが、かといって、企業がもう一度固定費を上げることも難しい。

「人件費の変動費化」を一部の人間にだけ押し付けてしまわない仕組みが必要だ。

例えば、会社の役員報酬や役員賞与を変動費化したらどうだろうか。毎月の月次決算や四半期ごとの業績をもとに役員報酬額や役員賞与の額を調整したらどうだろうか。

理にかなっているように思えるのだが、いまの税法はその実施を拒んでいる。

役員の報酬額は毎月同じ額を支払わないと特別に税金が課される。 役員賞与などはそもそも損金不算入だ。つまり、役員賞与を支払うことには税金が課される。 (平成18年度の税制改正で役員賞与は事前に決めた定額であれば損金扱いできるようになったようだが、事前に決めた定額であるならばそもそも賞与ではない。) そんなわけで、役員賞与をもらっていない企業経営者も多いと思われる。

このあたりの税制はもっと柔軟にできないものなのか。

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内部留保金課税

2007年 11月 28日

税法の一つに、同族会社に対する内部留保金課税というものがある。

企業は1年間事業を行って得た利益を、期末に「株主に配当する」、「役員賞与を支払う」、「会社内に内部留保する」の方法で処理するわけだが、このうちの「会社内に内部留保する」ということに対して税金を課す制度だ。

面白いことに、内部留保金課税は、同族会社に対してのみ適用されている。税法も毎年変わって複雑なのだが、適用対象の同族会社とは、いまのところ「1株主グループによる持ち株割合が50%を超える会社」ということになっている。 多くの未上場中小企業がこの範疇に入る。

経営の本来の姿からすれば、事業から得た利益を会社に内部留保させ、会社の財務体質を強化させるのは正しい行動に思えるのだが、税法からするとそういう行動に対しては税金を課すということになっている。

なぜ課税をするのかと言えば、「資本と経営が分離されていない中小企業の経営者は、利益を自分に配当すると税金がかかるので、会社の中に留保させて税金逃れをする」と税務署は考えるからである。

しかし、多くの企業経営者にとってこれは大変違和感のある考え方に違いない。

会社の安全性と持続的成長を願い、配当や役員賞与にお金をまわさず内部留保を優先させる企業経営者は多いに違いない。

そのような世の中の声を反映して、平成19年度の税制改正では、とりあえず資本金 1億円以下の会社は適用除外になった。 ロゴスウェアのようなベンチャー企業にとっては望ましいことだ。 しかし、これを悪用する人たちもいるのだろうなあ、と思うとすっきりしない。

よくニュースなどでも会社の区分をするのに、大企業、中小企業 というように会社の規模を属性とした区分がなされる。 ときどき、その区分は何か雑すぎないかと感じることがある。 特に、中小企業にはいろいろな種類がありすぎる。 完全な個人経営もあれば、真のベンチャー企業もあり、家族だけで経営する会社もある。 何かもっとうまく区分する方法はないのだろうか?

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ソフトウェア資産

2007年 11月 26日

今年の5月くらいにアプリックスという携帯用ソフトウェア開発会社が76億円もの特別損失を計上したことがあった。 これにより、今期7億5,000万円の黒字予測が、一転して75億円の赤字予測になった。

簡単に言えば、自社開発したソフトウェアを76億円の価値があるとして資産計上していたが、どうもすぐに売れそうもないということで一気に費用化したもののようだ。

ソフトウェアの開発は、企画、設計、コーディング、・・・と進んでいくが、規則正しく工程が進むわけでもなく(前工程に戻ったり、あるいは最初の工程に戻ったりは頻繁に発生する)、目に見えるものでもないだけに、どこまでが研究開発費としての経費なのか、どこからがソフトウェアの資産なのかがはっきり定義しづらい。

一応、「製品マスターの完成」と「販売の意思」を持って線引きをすることになっているが、やはり曖昧だと言わざるを得ない。損益計算書上で利益が上がっているように見せたいのか、見せたくないのかという経営者の意思で、操作ができてしまう。

財務諸表に記載される利益は解釈次第と言われるが、普通に考えれば何とも釈然としない。会計学としてはどう解釈されるのか知らないが、少なくとも経営者と株主の視点で見れば、何かすっきりしない。

ソフトウェアの場合、開発したものが将来の売上につながるかどうかなんてさっぱりわからないのだから、これらのものは必要最低限のところだけ資産とし、その他の多くは研究開発費として経費計上すべきであると思う。 つまり、少額のソフトウェア資産と多額の研究開発費用となる。

いくつかのベンチャー系上場会社の財務諸表を見てみた。勿論違法ではない。しかし、気に入らない会計をしている会社はある。これは信念の問題だ。

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二重振子

2007年 11月 21日

二重振子の動きを見てみよう。

普通の振子は、右から左へ、左から右へ、と実に単純な運動をするが、振子を二つつなげただけでこんな予測困難な動きになるのだ。

同じ動きを2回させるのも難しい。スタート位置のちょっとのズレが動きに大きな変化を与えるのだ。

こういうのをカオスというのだそうだ。

「ほんのわずかな初期条件の違いが予想もつかないほど大きく違った結果を生む現象、個々の現象は決定論的に予測できても、総体としては非連続でバラバラな挙動を示し予測不可能なこと」とWikipediaにある。

経営もカオスではないのかとふと思う。

いくつかの成功実例だけをあげて、「経営成功の法則」、「経営成功の秘訣」、「経営成功のポイント」などをタイトルにした安っぽい経営書が売られているが、その類のものはあまり信じないほうが良いと思うのはこういう理由だ。

初期条件がちょっと違う(社員が違うし、会社の規模が違うし、業種が違うし、企業文化が違うし、時代が違うし、経営者の性格が違うし、人事制度が違うし、経済環境が違うし、・・・・違うものをあげていったらきりがない)だけで、同じようなことをしようとしたってまったく違った結果になるのだ。

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掛け算の世界

2007年 6月 20日

経営戦略のこと、資金調達のこと、利益のこと、事業計画のこと、組織のこと、マーケティングのこと、テクノロジーのこと、イノベーションのこと、人材育成のこと、ミッションやビジョンのこと、人事のこと、営業のこと、製品開発のこと、プロジェクト管理のこと、品質管理のこと、リスク管理のこと、知的財産のこと、業務提携のこと、コンプライアンスのこと、・・・・・・・・・

経営者という職業に携わるものが関わる領域はあまりにも多い。

企業経営にとって何が大切かと問われれば、全てが大切だ。疎かにしていいものなど何もない。

よく言われるように、企業経営とは掛け算の世界だ。何かがゼロになれば、他の点数がどうであれ、掛け算としての結果はゼロとなる。

他の全てがうまくいっているのに、品質管理の問題でつまづくことは十分にありえる(不二家のように)。コンプライアンスでつまずくことも十分ありえる(コムスンやNOVAのように)。

これらを一人の人間が全て実行することは不可能なので、経営チームが必要になってくる。どれだけ早い段階で、どれだけ強力な経営チームを構築できるかはベンチャー企業の安定成長にとって最重要課題の一つだ。

ロゴスウェアとしても、抜かりの無いように

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マキャべリも教えたほうが良い

2007年 5月 17日

SBIグループが、経営学修士(MBA)を取得できる通信制の大学院大学の設置を文部科学省に申請した、という記事を見た。

企業経営に不可欠な「哲学」、「人間学」まで教えるのが狙いだという。 そのために、孔子の論語や孫子の兵法などについても教えるそうだ。

これは正しい方法だと思う。  実際に経営をする上で最も悩み、最も難しく、それでいて最も重要なものは、決して経営戦略などについての科学的アプローチではなく、人間についてだ。

孫子の兵法を教えるなら、ついでにマキャべリについても教えた方がよい(ひょっとすると、既に計画されているのかもしれないが)。

自分が必ずしもマキャべリが説くようなリーダーにならなくてもいいかもしれないし、第一なれないかもしれない。  しかし、世の中にはマキャべリを愛読し、実践するリーダーは少なからずいる。 そのような者たちと対峙しなければいけないときが来るかもしれない(特に、海外に進出しようというときは)。

そのような時のためにも、マキャべリは知っておくべきだ。 でないと勝ち目がない。

「彼を知り己を知らば、百戦殆うからず」である。

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適正規模

2007年 5月 11日

銀行も、家電量販店も、デパートも、製薬会社も、その他多くの産業で、合併による企業規模の拡大が続いている。 これらの業種では、規模が重要な力の一つなのだろう。

企業の適正規模はどれくらいのものなのだろうか。 業種によって違う。 一般的に言えば、ロゴスウェアがやっているようなWebソフトウェア開発の世界であれば、このような大きな規模は必要としていない。 しかし、小さいながらも一定の適正規模には到達させなければいけないと思っている。 しかも、可能な限り速やかに。

ロゴスウェアはスタート時点で数名の社員しかいなかった。 創業からまもなく6年になるが、2007年5月時点で社員数は30名ほどである。 今では、当時よりずっと品質の良い製品やサービスを顧客に提供することができる。 今の方が顧客の満足度は高まっているはずだ。

しかし、適正規模には、まだ人を増やす必要があると感じている。 いまやWebの開発はずっと複雑になったのだ。 CSSでデザインを組んだり、AjaxやFlashで画面を作ったり、ビデオを編集したり、CMSを組み込んだり、ブログを構築したり、セキュリティ対策を施したり、SEO対策をしたり、開発のテストプロセスを管理したり、データベースを組んだり、とにかくいろいろな専門知識を持った多くの人材 が必要だ。

一定の適正規模に到達するまでは、私たちはあらゆる方面の能力を向上させ続けることができる。 顧客には、より良いものをより低価格で提供できるようになるのだ。

「2~3名でやっているから低コストでやれます。 きめ細かいサポートができます。 中小企業の味方です。 」 などと書いている会社のホームページを見ることがあるが、これは完全なまやかしである。 確実に何かを犠牲にしている。 それは、一級の技術を提供できないことだったり、品質管理を疎かにすることだったり、アフターフォローができないことだったりする。

ベンチャーのスタート時点では、数名から始めなければならないから、いくつかの制約が生じてしまうのは避けられない。 ロゴスウェア自身もそうであった。 しかし、ずっとそうであっていいということでは決してない。 顧客に最高の価値を提供できるようになる適正規模まではもっていくべきである。 顧客に犠牲を負わせてはいけない。

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「未来は作り出すもの」

2007年 4月 29日

あしたのジョーの丹下段平は「明日はどっちだ」と叫ぶ。 今日の経営者の叫びと同じだ。

未来はますます不確実になっている。 これまで成功に導いてくれた公式が明日には役立たなくなっている。 多様化し素早く変化する顧客の嗜好を予測しづらくなっている。 製品寿命は短くなるばかりだが、顧客は次に何を求めるのか予測しづらくなっている。 業界の境が曖昧になり、将来誰が競合相手になるのかさえ予測しづらくなっている。 突然、視界に入っていない海の向こうから競合が現われるかもしれない。 突然のパラダイムシフトが起き、今の技術基盤が無価値なものになる危険さえある。 ビジネスモデルそのものが破壊される可能性もある。

このような不安を解消するために、未来をできるだけ早く、できるだけ正確に予測したいと誰もが願っている。

未来の変化を予測し将来の見通しを得るために、ある人はイノベーションの理論に頼り、ある人は直観力に頼る。 何の根拠もなく、占いや霊感の類に頼る人さえ増えているようだ。  それでも、予測は不確かで、常に未来は不確実だからいつも不安が消えない。

先日、ソニー創業者の一人、故井深大の「未来は予測するものではなく、作り出すものだ」という言葉を目にした。 明快である。 そう思ってしまえば、あれこれ悩むことはなくなる。 やるだけである。

ソニー旧本社のあった御殿山エリアに、ソニー歴史資料館ができた。 そこでは、創業者の故井深大が肉声で 「未来は予測するものではなく、作り出すものだ」と言ってくれるらしい。

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