2007年 3月

常識が覆るとき

2007年 3月 25日

常識が覆るときがある。

アップルの「iTunes Music Store(iTMS)」が登場するまで、音楽配信ビジネスはうまくいかないものだと思われていた。 iTMSより以前に、ソニー・ミュージック・エンタテインメント、エイベックス、東芝EMI、などのレコード会社が主体となったいくつかの音楽配信ビジネスが開始されていたが、成功には至らなかった。 振り返ってみれば、彼らはいくつかの失敗をしている。 第一に、レコード会社ごとに配信サイトが分断されていた。 利用者は欲しい音楽を探すために、複数のサイトを調べなければならなかった。 第二に、著作権保護に厳格すぎた。 楽曲データのコピーや移動に厳格すぎて、利用者の使い勝手を損ねた。 しかし、これらは、アップルのiTMSが登場するまで、業界の中では常識であったのだ。 その常識を誰も疑わなかった。 そしてアップルはそれを疑った。

画面の小さな携帯Eコマースでファッション衣料品を販売するのは無理だと思われていた。  ゼイヴェルは、ファッションショー「東京ガールズコレクション」と携帯電話を組み合わせた。 蛯原友里、押切もえ、土屋アンナといった人気モデルが当日着た服が、その場にいながらにして携帯電話の通販サイトから購入できる。 若い女性層の間で、ファッション衣料品をモバイル通販サイトで買うことへの抵抗感は急速に取り除かれている。 ファッション雑誌と携帯の組み合わせなど様々な試みが登場していいる。 既に携帯ECサイトで購入する品目のトップに衣料品が登場するようになった。

常識の範囲内で、ベンチャー企業が勝つことはない。 常識と思われているが、実は常識ではないことは何かを探そう。

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パネルを隠すな

2007年 3月 23日

博多華丸の児玉清の物まねを見ているとテレビ番組「アタック25」を見てみたくなる。 このクイズ番組では、最後にトップ賞の人がパリ旅行を賭けたクイズに挑戦する。 盤上に流れる映像をヒントにして、関連する人物や都市を当てるクイズである。 トップ賞の人が獲得できなかったパネルは伏せられ、その分だけ映像が隠れているところがミソだ。

ヒント映像終了後、児玉清が「さて、その〇〇は?」と問い、答えられないパターンは次の2種類だ。

(1) 映像はよく見えていたのだが、そもそもその答えを知らない。

(2) 本来ならばその答えを知っているのだか、映像がパネルに隠されていてヒントがよくわからなかった。

私たちが日常の仕事の中で、コミュニケーションに悩むのは (2)のパターンが多い。 情報が十分に伝えられていれば正しく答えられるが、その断片的な情報しか得ていないときに、正しい答えを導き出せない。 隠されたパネルの部分が少なければ、それを推測してみることもできる。 しかし、かなりのパネルが隠されていると、それは困難である。 厄介なことは質問者側にパネルを隠しているという意識がまったくないことだ。 「わからない」などの期待しない答えが返ってくると憤慨する。 良好なコミュニケーションとは、なんと難しいことか。

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スティーブ・ジョブズを見よ

2007年 3月 22日

プレゼンテーションをしたかったらスティーブ・ジョブズを見よ。

繰り返し見よ。

何度でも見よ。

1999年、iBookを発表するスティーブ・ジョブズ
2000年、暫定CEOからCEOになったことを発表するスティーブ・ジョブズ
2000年、MacOS Xを発表するスティーブ・ジョブズ
2005年、iPod shuffle を発表するスティーブ・ジョブズ
2007年、iPhoneを発表するスティーブ・ジョブズ

忘れた頃にまた見よ。

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コミュニケーションの道具は不足している

2007年 3月 21日

プロゴルファー猿は、ティーショットからパターまで、自作の木製ドライバー1本で通す。 しかし、普通のゴルファーは、14本のゴルフクラブを用途に応じて使い分ける。

料理人は数十本の包丁を使い、画家は数十本の筆を使い分ける。

状況に応じて、最適な道具を選択し、最大の成果を発揮させるために。

遠隔地にいるもの同士のコミュニケーションの手段として数々の技術が開発され、私たちはそれを使い分けている。 空間を飛び越えて、時間を短縮する。

電話、FAX、Eメール、テレビ会議、インスタントメッセンジャー、SNS、・・・

十分だろうか?

私はまだ十分ではないと感じる。 不足しているものがある。 ロゴスウェアが開発中のものは、その足りないものを埋める製品となる。 より豊かで便利なコミュニケーションの道具をユーザーに提供する製品となるはずだ。 できる限り早い段階で、市場に届けたい。

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時代は変わる

2007年 3月 18日

「遅いものも、のちには速くなり
現在はやがて過去になる
秩序は消え去り
今一番のものはやがて最後になる
時代は変わっているのだから」

ボブ・ディランが「時代は変わる」と歌った1960年代はゆっくりと変わる時代だったに違いない。 今、変化の速度はあまりにも速い。

1994年に設立されたネットスケープが一時ブラウザ市場を席捲し、その後マイクロソフトとの激しいバトルに敗れ、1998年11月にAOLに買収されるまでの期間は4年。

1998年に設立されたグーグルが検索エンジンの市場に革命を起こし、史上最大規模でナスダックに上場するまでの期間は6年。

2005年にサービスを開始したYouTubeが、 動画共有サービスを爆発的に普及させ、約2,000億円でグーグルが買収するまでの期間は1年。

このあまりにも速い技術の進歩と市場の変化は、経営のやり方において否応なしに変化を求める。 全ての経営手法をスピードに照準を合わせて構築しなければならない。  旧来型の指揮命令統制型の組織では立ち行かなくなる。 上下関係や組織横断的な横とのつながりにスピードを阻害する壁があってはならない。

1980年代、日本はその独特な企業文化によって急成長を遂げた。 日本独特の経営手法はセオリーZと呼ばれた。 日本文化に根ざした規律、上下関係、長い時間をかけて醸成されるコンセンサス、家族主義、などが強さの源流であった。 1990年代に入り風向きが変わってしまったのは、市場の要求するスピードがある臨界点に達し、かつて日本企業の強みとされたものがスピード化の足かせになってしまったからであると思う。 挑戦的に、革新的に取り組み、圧倒的なスピードを持って成し遂げることが、現在を生き抜く私たちに課された課題である。

ロゴスウェアが組織をまとめる上での基盤としているのは、ミッションと価値観、そして目標である。 社員個人の行動を駆り立てるものは、上司からの命令ではなく、使命や目標に対する思いの高まりであって欲しい。 ロゴスウェアは、一人一人が主体的に行動できるように、組織として許される最大限の自由を与えたい。

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Think different

2007年 3月 17日

アップル社を創業し、一度は同社を追われたスティーブ・ジョブズがアップルに復帰したのが1996年12月20日。

直後に開始された「Think different」のテレビCMほど衝撃的な広告をいまだに知らない。 広告はクリエイティブであっても販売にはつながらない、という説もある。しかし、この広告はそういうものを超越した。 アップルという会社の、そして何よりもスティーブ・ジョブズという人物のイメージを強烈に訴えかけた。 直後に販売開始されたiMacの成功を導いた。

画面に映し出される、アインシュタイン、ピカソ、ガンジー、モハメッド・アリ、マイルス・デイビス、ジョン・レノン、エジソン、黒澤明、盛田昭夫、・・・・・

ナレーションが流れる。

「クレイジーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
彼らをクレイジーという人もいるが、私たちは天才だと思う。
自分が世界を変えられると、本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから。」

何かを成し遂げたい、世界を変えるほどの何か、・・・・・・ベンチャー精神の基本はそこにある。

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「人の行く裏に道あり花の山」

2007年 3月 9日

「人の行く裏に道あり花の山」は、株式投資の世界で最も有名な格言だ。 人と同じことをしていては勝つことはできないから、人が売りモードの時に買い、買いモードの時に売れ、と教える。 言うは易し行うは難し。 回りの人たちが 「これはいける」 というものに対してNOと言い、「これはダメだ」というものに対してYESというのはたいへん勇気がいる。 人の行く裏が必ず花の山である保証もない。 ゴミの山である方が多い。 それでも、花の山は人の行く裏にしかない。

この決断が個人的なものであれば、実行はより容易だ。 あなたが考え、あなたが決断すればよい。 決断が組織的なものである場合、その実行は難しくなる。 組織の規模が大きくなるにしたがって更に難しくなる。 その決断が正しいことをデータを持って論理的にうまく人に説明できない。 そもそも、データを伴って誰にとっても納得の行く説明がなされるようでは 「人の行く裏」ではない。 ここにジレンマがある。 それでもなお、組織としての勇気ある決断が要求される。

ロゴスウェアは、ベンチャー精神を忘れたくない。 勇気を忘れたくない。 決断することから逃げたくない。 自分たちは正しい未来を見つめているのだと信じる。 

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クロスロード

2007年 3月 6日

ギター少年はみんなエリック・クラプトンの弾く「クロスロード」をコピーしながらロックギターを学んだ。 そして、「クロスロード」のオリジナル奏者である、ロバート・ジョンソンという伝説のブルースマンがいたことを知った。 ロバート・ジョンソンには、「ある夜交差点に立ち、悪魔に魂を売り渡し、引き換えに超絶技巧のギターテクニックを手に入れた」という、クロスロード伝説がある。

交差点には何かがある。 何かと何かが出会うところ。 何かまったく別の概念やアイデアが交差するとき、新たなイノベーションが生まれる。 認知心理学(見る、聞く、知る、考える、理解する、 についての研究)とインターネットテクノロジーが交差するところに何が起こるのか、はロゴスウェアの関心事の一つだ。

何年か前、ウルフルズのトータス松本がロバート・ジョンソンの立ったクロスロードを訪れたのをテレビで見た。 何もない田舎の細い砂利道であった。そんなところにも交差点パワーがある。

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「それがどうした」

2007年 3月 1日

たまにビートルズを聴く。 「A day in the life」 は、常に新鮮だ。  名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のラストを飾るこの曲は、ジョン・レノンの切ないメロディーから始まる。 途中、ポール・マッカトニーが曲調を大きく展開し、オーケストラ全員が各々の最高音に駆け上がり、最後にピアノの和音が長い余韻を残し終わる。 ビートルズらしさをふんだんに入れた名曲だ。 この曲を更に輝かせているのは、リンゴ・スターの一世一代のドラムである。 独特なフィルインが曲をいやがうえにも盛り上げる。

「A day in the life」レコーディング時のエピソードが好きだ。 ジョン・レノンは、ある曲をリンゴ・スターに聴かせ、こんな風にドラムを叩け、という。
リンゴ・スターは、しばらくそれを聴いた後、「ジョン、こんな風には叩けないよ。 これは、2人のドラマーが叩いている」という。 ジョン・レノンの返した言葉は、

「それがどうした」

「ドラムを2人で叩いていようが、3人で叩いていようが、それがどうした。 オレの欲しい音はこれなんだ。」と、ジョン・レノンは言ったわけだ。 それが、「A day in the life」でのリンゴ・スターの独創的なドラム演奏を生んだ。

人がいない、金がない、時間がない、やったことがない、やり方を知らない、・・・・・・・・・・・・・「それがどうした」

制約は創造性をはぐくむ。

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