2007年 12月

「これが欲しいから、あれはいらない」

2007年 12月 28日

本棚がいっぱいになってしまったのでいらない本を整理しようとしても、なかなか捨てられない。

タンスがいっぱいになってしまったのでいらない洋服を整理しようとしても、なかなか捨てられない。

捨てるということは意外と難しいものだ。

捨てるということは難しいのだが、捨てなければうまく生きられないことも多い。

何かを得ようとすれば、何かを犠牲にしなければいけない関係のことをトレードオフという。

世の中にはトレードオフが多いのだ。

昔の人は、もともと何も持っていなかったから、捨てるということなしにいろいろ得てきたのかもしれない。ここには悩みはない。

いまを生きるものは、既にいろいろ持っていて、それを捨てられないからいろいろと悩む。

責任から逃れようと思えば、自由を捨てなければならない。

苦労から逃れようと思えば、夢を捨てなくてはならない。

平凡さから逃れようと思えば、安定を捨てなくてはならない。

仕事の難しさから逃れようと思えば、仕事のやりがいを捨てなくてはならない。

どうバランスをとるかは人それぞれだが、何かを得ようとすれば何かを失う、ということだけは認識しなければいけない。それをはっきり認識していないと苦しむばかりである。

「これが欲しいから、あれはいらない」と考えよう。

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やり方はいろいろある

2007年 12月 27日

ジャズ界最大の巨人、帝王マイルス・デイヴィスだってコンプレックスがあったのだ。

マイルス・デイヴィスが最初に憧れたのはチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーだ。

彼らが確立したビ・バップと呼ばれるスタイルに憧れた。ビ・バップは、それまでの甘ったるいジャズとは一線を画す刺激的でスリリングな演奏で、エネルギーを爆発させていた。超絶的なテクニックを駆使し圧倒的な速さでアクロバッティックな演奏が聴くものを興奮させずにはおかなかった。

マイルスも彼らのように演奏したかったのだ。でもできなかった。一心不乱に練習したができなかった。どうがんばっても、テクニックが追いつかなかった。テクニック不足のコンプレックスは相当のものだったようだ。

そんなとき、パーカーが言った。

「人の真似をするくらいなら、どうやったら自分の個性が表現できるのか考えろ。お前はスペースを生かしたフレージングにいいものがあるんだから、それに磨きをかけろ。」

それでマイルスはもがき苦しんでいた世界から脱出した。空間を生かしたクールな演奏を確立していく。「卵の殻の上を歩いているようだ」と形容された、リリシズムの極地をいくようなスタイルを確立する。

パーカーやガレスピーのように高いテクニックを持ってホットでエネルギッシュな演奏ができなかったからこそ、マイルス・デイヴィスは他の誰にも真似のできない別のスタイルを作り上げられた。

誰だって最初は正攻法と思われるものをめざすかもしれない。野球のピッチャーは最初はみんな豪速球を投げたいと願うだろう。野球のバッターはみんなホームランバッターに憧れるかもしれない。でもそうしなくたって結果を残せるし、一流にはなれるのだ。

やり方はいろいろあるのだ。いまのそのやり方がうまくいかないからって腐ることはない。自分にあった新しいスタイルを見つければいいのだ。

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縁起の法則

2007年 12月 26日

釈迦は菩提樹の木の下に干草を敷いて静かに座り瞑想し、ついにこの世界や人生に関する真理を悟って仏陀となったという。

釈迦が悟ったのは縁起の法則というものだ。 縁起とは、世の中のさまざまな存在や現象は、ある原因を持っており、それに一定の条件が加わって、その結果として存在や現象が現れるという考え方だ。

釈迦は、縁起の法則によって、世の中にある苦しみというものは結果であって、その原因を探れば、それは世の中の真理に対する根本的な無知(無明という)であると悟った。 だから、世の中の苦しみを無くすためには、その原因である無明を滅しなければいけないといった。

仏教とかいうものは、非論理的な世界と考えていたが、釈迦のもともとの教えは、すごくシステマティックで論理的思考に基づいているので驚かされる。

システム思考に関する本を読んだとき、世の中の現象を原因と結果の因果関係によって表そう、という根本的な発想は釈迦の教えと同じだと思った。

世の中の物事や現象を、それぞれの個別の要素だけでとらえようとしても本質的なところがわからない。いろいろな要素のそのつながり方がわかれば、どこをどうすれば、期待した結果を得られるのかがわかる。

製品の売上を伸ばすのも、工場の不良率を下げるのも、地球環境を良くするのも、的外れなところをいくら改革しても良い結果が得られない。

ということで、システム思考でいろいろな現象の因果関係を表してみよう・・・・と思うのだが、これが難しい。

だいたい世の中の現象は、単一の原因が単一の結果を引き起こしている、などという単純なものでないから、いろいろな要素があっちこっちにつながり、あるときはループし、あるときは正の力が働き、あるときは負の力が働き、あるときはどっちが原因でどっちが結果かがわからなくなる。

というわけで、それは釈迦が縁起の法則を発見し悟りをひらくように難しいのだから、気持ちを落ち着けて深く深く考えるしかない。

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ネットワーク型組織

2007年 12月 24日

組織というものは、何となくあって何となく動いているものではないから、いろいろな組織にはその意図がある。

サッカー日本代表前監督オシム氏がめざしたのは「考えて走るサッカー」である。「考えて走るサッカー」を実現するために選手を集め、指導をし、組織を作る。

ロゴスウェアの組織がめざすものは、「スピード」である。資金力、人材力、などの力では、大手企業に絶対勝てないから、スピードで勝負をしなければいけない。

情報伝達のスピード、意思決定のスピード、製品開発のスピード、市場投入のスピード、を極限まで高めなければならない。

そのために選択されたのはネットワーク型の組織である。 ピラミッド構造の組織は安定しているが、どうしてもスピードに欠けるので、ネットワーク型の組織を選択している。

ピラミッド型の組織では各社員は所属する部門の長とだけつながっていて情報の伝達や意思決定はそこを通して行われるが、ネットワーク型の組織では社員はあらゆるところとつながっている。情報の伝達経路もさまざまだし、意思決定の方法もさまざまだ。

ネットワーク型の組織を作るためにまずしなければいけないことは文化の構築だ。そこには、主体性を発揮する文化、オープンに議論する文化、チームに貢献する文化が不可欠だ。 これらは、ロゴスウェアでは重要な価値観として定義され、その行動が評価される。

ネットワーク型の組織には、同時に、それを支援するツールが必要だ。各自が、必要な情報をいつでも入手できて、共有できるシステムだ。ロゴスウェアの中では、バーチャルな意見交換の場としてのSNSがあり、情報を蓄積しておくためのグループウェアがあり、会社の営業状況を把握するための情報システムなどがある。

ネットワーク型の組織は、文化と情報システムの両面からサポートされなければならない。

ロゴスウェアの現状を言うならば、この両面において、まだ完成形には至っていない。ネットワーク型組織は、ピラミッド型組織に比べて複雑なので、安定的に運営するためには、努力と時間を要する。文化の浸透には時間を要するし、情報システムも更なる改善が必要だ。

特に意思決定のプロセスにおいては十分な配慮が必要だ。しばらくの間は、多くの意思決定に経営責任者が介入しなければならないだろう。これは、スピード化を妨げるものであり、また中央集権を強めるものであるが、時間をかけて解決しなければいけない点だ。

しかし、私たちのめざす方向は明確だ。

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コミュニティのインフレーション

2007年 12月 23日

本当かどうかは私に知る由もないが、宇宙の進化モデルにインフレーション理論というものがある。

その理論によれば、宇宙は誕生直後のごく初期段階(10-36秒後から10-34秒後までの間)に、急激に膨張したのだという。 どれくらい膨張したかというと、百桁膨張したという。百桁というのは、百億倍の百億倍だ。 これだけの膨張が、ほんの一瞬の時間の間になされたのだという。

これを借用すれば、インターネットはコミュニティにインフレーションを引き起こしている。

コミュニティとは、元来、同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結びついている社会のことだ(Wikipediaより)。

昔のことを考えれば、自動車も電話もないのだから、コミュニティというものは、ごく近所の人たちの何らかの集いであった。たくさんのコミュニティはない。 青年会とか婦人会とか、そんな類のものだ。

自動車や電話ができて、人間の活動範囲が広がった。 それにともなって、より多様なコミュニティが形成された。 全国的な組織も形成されたし、国際的な組織も形成された。 しかし、この段階までは実際に顔を合わせて作られるコミュニティだ。 人間の物理的な活動量には限界があるから、コミュニティの数はそれに制約される。

ここにインターネットが登場し、状況が一変した。 バーチャルな世界で、毎日、膨大な数のコミュニティが作られ始めたのだ。

過去そうであったように、社会や組織のあり方というものはコミュニケーション技術によって作られる。 インターネットが作り出すコミュニティが、私たちの社会や組織や働き方を間違いなく変えるのだ。

もはやコミュニティの成員は、同じ地域に住んでいるわけでもなく、同じビルで働いているわけでもなく、場合によっては顔見知りであるわけでもない。ちょっと昔だったら完全に他人なのだが、いまやコミュニティの仲間となっている。

コミュニティは人間の交流だから、そこには親近感が必要だし、人間的な深みのある関係が必要だ。 この領域は、これからインターネット上のコミュニティ技術が更に進化させていく領域だ。新しい何かが生まれるだろう。それは、インターネット上のコミュニティを従来とは違ったやり方で居心地の良い場所にする何かだ。

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問題に直面したとき

2007年 12月 22日

問題に直面したときに人がとる行動は次の4つだ。

  1. 受け入れる。 受け入れてしまえば、もはや問題ではないからそれもよい。
  2. 問題を引き起こしている環境や他人を変えさせる。 これはエネルギーを要するが、それができるならそれもよい。
  3. 自分が変わる。 被害者意識にならずに冷静に考えてみれば問題は自分にあるということも多い。
  4. 問題を受け入れられず、かといってそれを変えようともせず、ただ誰かが直してくれたらいいと願う。

あなたならどれ?

「自分が変わる」が最も素晴らしい行動だが、「受け入れる」や「問題を引き起こしている環境や他人を変えさせる」もそう悪くはない。

厄介なのは、「問題を受け入れられず、かといってそれを変えようともせず、ただ誰かが直してくれたらいいと願う」というものだ。 これはまったく現実を直視していない。 逃避である。

しかし、世の中、この類がじつに多い。 「地方が困っているからなんとかしろ」、「商店街が困っているからなんとかしろ」、「中小企業が困っているからなんとかしろ」の多くはこの類だ。

「なんとかしなくてはいけないのは自分自身だ、さもなければ受け入れろ」と言わなければいけない。

ロゴスウェアにあってはこのようなことがあってはいけないと思っている。 だから、私たちの重要な価値観の一つは「現実を直視する」だ。

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正しい目標を設定する

2007年 12月 21日

仕事で良い成果を上げられなくて悩む人も多いようだが、私の考え方は単純だ。

「正しい目標」を設定して「正しいやり方」で実行すれば、(そしてちょっと運が味方をすれば)良い成果が得られる。

自分がどの段階でつまづいているのかを考えよう。

段階1: 正しい目標を設定する段階でつまづいている

段階2: 正しいやり方で実行する段階でつまづいている

段階3: 運に見放されている

いろいろな人を見ていると、どうも段階1でつまづく人が多いのだ。

正しい目標が設定できていないのだから、いくらがんばっても成果がでない。 第一、どこに向かおうとしているのかもわかっていないのだから、不安や焦りばっかりがつのる。

正しい目標を設定するなんて簡単なことのように思えるかもしれないが難しいのだ。単純だが難しいのだ。

ロゴスウェアではMBO(目標による管理)を取り入れているので、四半期ごとに全員が目標を書くことになっている。 多くの企業でもMBOは実施されていると思うが、形骸化してしてしまっている企業が少なくない。

正しい目標の設定は良い成果を上げるための重要なステップ1だから形式的になんてしておけない。 相当のエネルギーを使い、全員が正しい目標を設定できるようにしなければいけない。

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「誰がどこにいて、どうしてる」の情報

2007年 12月 17日

右隣の△△△さんは今席をはずしている。 左隣の◇◇◇さんは電話中で忙しそうだ。 後ろを振り向くとOOOさんがいるので、これをどうしたらいいのか、〇〇〇さんに聞いてみよう。

自分たちはこういうように人に話しかけたりしている。

人がどこにいて、どうしているのか。 後ろを振り向いたり、横を向いたりすれば、いま誰がそこにいて、どん な状態なのかがわかる。 いま話したい人がそこにいるのかどうかがわかる。 いま話しかけていいものなのか、少し後の方がいいのかがわかる。

コミュニケーションを開始する前段階として、これらの情報は貴重だ。

実世界ではあたりまえのように取得できるが、インターネットの上だとこの情報が不足する。

今はスピードの時代だから、何かあるごとに会議を招集するわけにもいかない。 私たちは、意思決定、情報共有、知識創造をもっともっとインターネットの上で行うようになるに違いない。

コミュニケーションを開始する前の「誰がどこにいて、どうしてる」の情報がインターネットの上でもっと便利に扱えるようにすべきだ。

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メタ認知

2007年 12月 12日

「名選手、必ずしも名監督にあらず」 は、スポーツでよく語られる言葉だ。

名選手といわれる人たちは、概ね才能に恵まれているので、打ったり、投げたり、蹴ったり、をいとも簡単にやってしまう。 監督になったときに、選手がなぜそんなことができないのか、がわからないのだ。

さて、「何がわからないのかがわからない」という状態は教育とか学習とかの世界でよく起こることだ。

こういうのを「メタ認知」の問題というのだそうだ。

メタ認知とは、「自分は何がわかっているのかがわかっている」、あるいは「自分は何がわかっていないのかがわかっている」状態だ。

メタ認知ができていなければ、「自分は何を知らないのかを知らない」わけだから、「何を聞いていいのかもわからない」、「何を学習していいのかもわからない」 となってしまう。

こんな状態では、わからないところは何でも聞きなさい、足りないところは勉強しなさい、などと言っても何の役にも立たない。

ということで、まず 「メタ認知している」状態を作らないといけない、となる。

で、どうやるのだろう?

ギリシャの偉大なる哲学者ソクラテスは「優れた人間は自分は何も知らないということを知っているということにおいて優れているのだ」と語った。

ソクラテスは、相手に問いかけ、質問をし、矛盾を指摘することによって、相手自身が自ら自覚をし、真理を発見し、知識を創り出すことを助けた。そういう点において、ソクラテスは最も知恵のあるものとされた。 ソクラテスは、対話を通して知識を創造していったのだ。

学ぶということの原点に立ち返れば、ソクラテスのような「対話を通じてメタ認知させる」ことが出発点かもしれない。

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知りながら害をなすな

2007年 12月 11日

ピーター・ドラッカーから学ばない経営者はいない。

繰り返し読み、また新たな発見をする。

ドラッカーを読むたびに、立ち止まり深く考えざるを得ない。

機会があれば、経営者以外の人たちも読んでみると良い。 プロフェッショナルをめざす人は是非読むべきである。

なぜならば、ドラッカーの関心は「人を幸福にすること」にあるからだ。

「知りながら害をなすな」とドラッカーはいう。 それがプロの倫理なのだという。 2500年前のギリシャの医師ヒポクラテスの時代からのプロの原則なのだという。

プロは、顧客に対して必ず良い結果をもたらすと約束することはできない、最善を尽くすことしかできない。 だから「知りながら害をなす」ことは絶対にしないと約束し信じてもらわなければいけない。 「知りながら害をなすことはない」と顧客に信じてもらえなければ、プロの仕事の一切は信じてもらえない。

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