ワン・オン・ワン


上司と部下が1対1で定期的にミーティングをする仕組みはどれくらい普及しているのだろうか。

はっきりした数字はないが、ロゴスウェアに転職してくる人たちの話を聞く限りではあまり実施されていないようだ。

「毎日顔をあわせているし、毎日話をするのだから、必要だとは思わない」と言う人がいる。 しかし、1対1で話をすることは、これらとはっきり違うものだ。

1対1のミーティングをロゴスウェアでは、1オン1(ワン・オン・ワン)と呼んでいる。 実は私の前の職場で行われていたことだが、これは有益な制度だと思い、ロゴスウェアでも実施している。

1対1で定期的にミーティングを持ち情報交換をすることは、その他の話し合いでは補えないものだ。

目標の設定、進捗の状況、抱えている課題、人事の問題、組織の問題、個人的な問題など、お互いが確かな時間をとって話し合うことが重要なのだ。

一人一人は、経験も違い、習熟度も違い、能力も違い、知識量も違い、性格も違い、強みも違い、弱みも違い、悩みも違う。だから、全体に対するメッセージだけではなく、一人ひとりに向き合わなければならない。

各自の状況に合わせて最適なアドバイスを提供するのはマネージャの大事な役割だ。

個人が抱えるいろいろな問題は、時に非常にナイーブで、余程さしせまらないと表面にでてこないものだ。表面にでてきたときにはもう手遅れの場合が多い。そのようなナイーブな問題に対するには1対1の話し合いが大事だ。

ワン・オン・ワンは、直接の上司との間だけに限定する必要はない。 ロゴスウェアではまだ社員が30名ほどなので、私自身も全員と行っている。意思疎通を円滑にするために、他部門の人と行うのも有益だ。社員はいろいろな人にワン・オン・ワンをリクエストする権利を持っている。

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自分で知識を創りだせる人


9月29日 朝日新聞に掲載されている小林慶一郎氏の論説を要約すると次のようなものだ。

日本の格差問題も世界的な経済の構造変化によって引き起こされた不可避的な現象かもしれない。 現在の格差問題は一つの政権の政策路線の結果としてできた短期的な問題ではなく、これから30年、40年と続く息の長い経済問題かもしれない。

格差拡大の主因はコンピュータ普及などの技術変化だとする見方が主流である。コンピュータの普及により単純事務職などの仕事を奪い、情報化に適応した人と適応できない人との間で賃金格差を広げていると思われる。

教育システムを新しい技術体系に沿ったものに変えていくことが永続的な格差是正効果を持つのではないだろうか。

情報化に適応した人、情報化に適応できない人とはどういう人を言うのだろうか?

逆説的ではあるが、知識社会、情報化社会にどんどん突き進んでいくに従い、知識や情報の重要性はどんどん薄まっていくように思える。

アインシュタインは自宅の電話番号を覚えていなかったらしく、「電話帳を調べればすぐ分かるようなことを覚えていたくない」と言った、という逸話を読んだ記憶がある。

今やインターネットがあるので、だいたいの知識や情報は即座に得ることができる。しかも誰にでもできる。そのようなものの価値が下がっていくのは当然だ。そのようなものを時間をかけて暗記してもあまり役には立たないかもしれない。

価値があるのは他の人が知らない情報や知識だ。 二つの種類がある。 「裏情報」と「自分で創りだした知識」だ。

裏情報のとり方は教育に馴染まないかもしれないので、正攻法としての教育は、「自分で知識を創りだす力」ということになる。

学校でやっている情報化教育というと、「インターネットで何かを調べてみました」、「ホームページを作ってみました」の類が多いような気がするが、たぶんそのようなものはそれほど価値を持たないような気がする。

「情報化に適応できる人を育てる」という意味が「自分で知識を創りだせる人を育てる」ということならば素晴らしい。

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専門職の業績評価


あるプログラマの嘆き

「自分が3週間でプログラムを書くと3週間の報酬しか得られない。出来の悪いやつが3ヶ月かかって書くと3か月分の報酬を得る」

ソフトウェア企業の経営は、他の産業とはちょっと違ったやり方でやる必要がある。 他の産業には見られないいくつかの特筆すべき違いがあるからだ。

プログラマの個人能力の違いはあまりに大きい。ある調査によれば、最も生産性の高いプログラマと最も生産性の低いプログラマの間には、10倍~20倍の開きがあるという。 いくら時間をかけても同じものは作り出せない場合もある。プログラム開発はアートの世界に近いのだ。

最近はそういう個人の能力によって成果が大きく違ってしまう職種(いわゆる、知識労働者、専門職)も増えてきていると思うが、ソフトウェア企業においては、彼らが中心的な社員なのだ。決してこの特性を無視して組織は運営できない。

このような企業では、社員の評価(報酬額の算出)を最終的に達成した成果ではなく、かかった時間によって決めるのは合理的ではないし、公正ではない。

専門職の成果を正しく評価するのはとても難しい仕事である。専門職の仕事を完全に測定する方法などどこにもないからだ。それでも私たちは、その評価を下すことから逃れてはいけない。

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採用の品質


ある著名な経営コンサルタントが言っていた。

「コンサルタントができることはコンサルタントに頼らなくても成功してしまう人をより早く成功させることである。 自分の力で成功できそうにない人を成功させることはできない。」

今日届いたワイキューブからのダイレクトメールに書いてあること

「社員は企業で育てるものだなんて間違った考え方をしていませんか?育たない人材はいくら時間をかけても育たないのでです。」

人を採用しようというときに、育つことがはっきりわかる人、育たないことがはっきりわかる人には対応しやすい。 悩ましいのは多くの場合は、はっきりとわからないからだ。

採用の品質をどうやって高められるかは製品の品質をどうやって高めるかと少なくても同じくらいは重要だ。

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仕事と家庭のバランス


女性が働きやすくなるように職場改善に取り組む企業が増えている。

育児などに対する柔軟な勤務体制、在宅勤務、女性管理職の比率の向上、託児所の設置、・・・・・・・

仕事と家庭のバランスの問題は非常にナイーブな点を含んでいる。 誤解を与えたり、理解されなかったり、非難されたりするので、多くの経営者はなかなか本当のことを言えないでいるが、 20世紀最高の経営者といわれた元GEのCEO ジャック・ウェルチは、この点について、著書「ウィニング 勝利の経営」の中で、言いづらいことを率直に述べている。

気にいらない点もあるとは思うが、現実を直視してほしい。厳とした現実がある。自分で納得のできる選択をして行動に移すためには、その現実を理解する必要がある。

あなたの上司が(あるいは会社が)最優先するのは競争力だ。あなたの上司は(あるいは会社は)あなたにハッピーになってもらいたいが、それは会社が勝つためのプラスになるという条件つきだ。

もしも、あなたが成果を出しているのであれば、あなたの上司は(あるいは会社は)、あなたが仕事と家庭のバランスをとることに協力的になるはずだ。 キーワードは「もしも」だ。

簡単に言ってしまえば、ジャック・ウェルチは、会社と社員の間のウィン・ウィン関係によるパートナーシップについて述べていると思う。 一方が、ルーズするような関係は成り立たないのだ。

ウィン・ウィンの関係は、企業間のビジネス上の取引でのみ存在するものではない。会社と社員の間の関係も、ウィン・ウィンを前提に話し合えば、もっと良い仕組みが決められるはずだ。

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