ミーム


先日、リチャード・ドーキンスが書いた「利己的な遺伝子」のことに触れた。 実は、この本の中では更にとんでもないアイデアが提示されている。「ミーム」というものだ。

文化は個体の脳から脳へコピーされて伝わる。ときにはコピーミスを起こし、これが新しい文化を生むことがある。役に立つ文化はよくコピーされるが、役に立たない文化はあまりコピーされずいずれ廃れてしまう。 これはまるで、遺伝情報が遺伝子によって伝わるのと同じではないか。遺伝情報を伝える単位を遺伝子というのなら、文化を伝える単位を「ミーム」と呼ぼう。

人間は「遺伝子」と「ミーム」という2種類の自己複製子の乗り物である、という考えはたいへん斬新であるが、非常に説得力があり、確かにその通りかもしれない、と思わせる。

世の中のスピード競争とは、言ってみればミームを伝えるスピードの競争だ。

昔、ミームを伝えるスピードは人間の歩くスピードであった。やがて車の走るスピードになり、飛行機の飛ぶスピードになった。

今やこれは、光ファイバーの中を光が進むスピードになった。 技術的には、ほとんど一瞬のうちに、世界中のどこにでもミームを伝えられ、他人の脳から脳へ次々とコピーされる。

勝負は、ミームの乗り物としての人間がこのスピードについていけるかどうか、大量のミームをどう処理するのか、そしてミームの質となった。

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