リーダーシップについて考えるとき、いつも頭に浮かぶ人物がいます。
それは、ネルソン・マンデラ
映画「インビクタス/負けざる者たち」(監督:クリント・イーストウッド、2009年)を見たとき、衝撃を受けました。
舞台は南アフリカ共和国。1990年に27年の投獄から釈放された活動家ネルソン・マンデラは、1994年に同国初の黒人大統領となります。しかし、黒人と白人の間に根強い対立が残っています。
そんな中、1995年、ラグビーのW杯が南アフリカで開催されます。ラグビーは、アパルトヘイトの象徴のようなスポーツ。 白人のみが行うスポーツ。 マンデラは、黒人たちの猛反対の中、ラグビーを支援し、最終的に、W杯での優勝、そして黒人と白人の和解と団結に導きます。
この映画を通して示されるネルソン・マンデラの言動や行動は、多くの人たちにリーダーシップとは何かを考えさせるでしょう。それは、地位の力によって命令するのではなく、許すこと、支えることによって人々をゴールに導くリーダーシップだからです。
誰もがリーダーシップを発揮することが求められる現在。新しいリーダーシップのあり方を具体的にイメージすることができる映画です。
ところで、この映画の中で、象徴的に何度も語られる詩があります。それは、英国の詩人ウィリアム・アーネスト・ヘンリーによって作られた詩で、ネルソン・マンデラが獄中で心の支えにしていた詩、そしてマンデラがラグビー南アフリカ代表キャプテンに手渡した詩です。詩のタイトルは「インビクタス」。
この詩は、次の言葉で締めくくられます。
I am the master of my fate, I am the captain of my soul (我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり)