電子書籍のことについて少々


Amazonが昨年のクリスマス商戦でKindle向け電子書籍が初めて紙の本の売り上げを上回ったと発表し、ソニーは電子書籍リーダー市場で2012年度に世界シェア40%を目指すと意気込み、今年のCESでは大量の電子書籍閲覧端末が発表され、今週はAppleが噂のiPadの発表をした。

過去何度も挑戦され失敗してきた電子書籍の市場に再度注目が集まっている。 

今度こそは本当に離陸するのか? その可能性は高まっている。 まず第一に、音楽におけるiTunesの成功をモデルにしたコンテンツ配信を含めたエコシステムの構築がされようとしていること、第二に、ePubのようなコンテンツの標準規格が定義されていること、第三に、iPhoneが一般化させたタッチスクリーン操作により端末の魅了が増していること。

電子書籍の未来を覆っていたもやが消えていき、大分見通しがよくなった。 パソコンやスマートフォーンを含めてどんな端末が揃い、そんな規格で、どのように各社がエコシステムを構築していくのかが見通せるようになってきた。

独自のエコシステムを作っていこうという会社(つまり、AmazonやAppleなど)からエコシステム参加者まで含めて、各社が好位置を確保するための戦いが始まる。

ロゴスウェアとして何をしようとしているかについて、ここで詳しくは述べないが、一つ記しておきたいのは次のようなこと。

小説、学習教材、辞書、辞典、写真集、コミック、マニュアル、・・・・本にはいろいろなものがある。 外観が同じなので一緒に考えてしまいがちだが、それは単に今までは紙の本という物理的な制約からそうなっているだけにすぎない。 紙の本という物理的な制約が外れればもっと本質に迫れる。 

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ソーシャル機能の開放


私たちは、水平分業のモデルがいつも最後には垂直統合のモデルを駆逐してきた歴史を見てきた。

もっとも有名なケースをあげるならば、それは勿論PCだ。 いつも最初は、垂直統合の方が優れている。 テクノロジーがまだ未熟な段階では、1社で全部作ってしまった方が機能も品質も良いものができる。 コンピュータも昔はそうだった。 ハードウェアも、OSも、アプリケーションソフトも、上から下まで1社ですべて作っていた。 

しかし、いつもどこかで分岐点を迎える。 ご存知のように、今のPCは、LSIチップ、ボード、OS、アプリケーションソフト、のあらゆる構成要素ごとに業界があり、競争がある。 PCに驚異的な進化のスピードと低価格化をもたらした原動力は、この水平分業のモデルにある。

さて、インターネット上のソーシャル・プラットフォームの開放がいよいよ本格化する気配だ。 グーグルは、Google Friend Connect のベータ版が利用可能になったと発表した。 これを使えば、SNSが持つようなソーシャル機能をWebサイトやWebアプリケーションに簡単に組み込むことができる。 

日本語環境での整備はこれからだが、次の紹介ビデオを見るとどんなことができるようになるかがわかるだろう。

ついでに、これはOpenSocialOpenID という標準規格に準拠しているから、その他のソーシャル・プラットフォームとも繋がる。 ソーシャル機能の開放は、パラダイムシフトだ。

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マイクロソフトのファスト サーチ & トランスファ買収計画


検索エンジンといえば誰でも思い浮かべるのがグーグルだが、企業向け市場に目を向けるともう1社重要な企業がある。 ノルウェーに本拠のあるファスト サーチ & トランスファという会社だ。

メリルリンチ、シーメンス、GE、楽天、リクルート、ソフトバンク、・・・・などの企業が導入しているという。

ファスト サーチ & トランスファの検索技術がグーグルと決定的に違うのは、グーグルがページランクという技術によってページの重要度を算出しているのに対して、ファスト サーチ & トランスファの検索はセマンティックという技術を使う。

セマンティック技術とは簡単に言うと、メタ情報を使って情報を構造化し、情報の意味を読み取るものだ。

Web2.0の提唱者ティム・オライリーは、次のウェブの重要なトレンドの一つとしてセマンティック技術をあげていた。

さて、今日のニュースによると、マイクロソフトはファスト サーチ & トランスファ社に買収提案を行う計画があると発表した。株式取得価格は、市場価格に40%以上のプレミアムを乗せた額になるという。 ファスト サーチ & トランスファ社はこの提案を受け入れる予定だという。

ここ数年グーグルにやられっぱなしのマイクロソフトだが、戦略的にかなり重要な技術を手に入れるのかもしれない。

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CES 2008、ゲイツのキーノート 


一年はCESではじまる。

いまやラスベガスまで行かなくてもネットでキーノートスピーチが見れるのでなんとも便利になった。

今年のトップバッターを飾ったのは、マイクロソフトのビル・ゲイツ。 マイクロソフトのサイトから閲覧可能だ。

全体的な内容はあまり面白くないので35分まで飛ばそう。 そこで重要な発表がある。 NBCと組んで北京オリンピックをウェブで配信するというのだ。数十チャンネルに及ぶ配信をライブでもオンデマンドでもやるという。

ここではマイクロソフトの新しい技術 Silverlight が使われるそうだ。 一体、同時に何人に配信するというのだろう。 これは歴史上、過去最高の規模のビデオ配信になるに違いない。

いつでも、どこからでも、マイナーな競技でも、オリンピック競技が見れるんだとしたらすごいことだ。

ところで、NBCというのは、ご存知のようにアメリカのTV局だが、彼らのネットへの力の入れようは半端じゃない。 この点に関しては、日本のTV局はまったく腰が引けている。 アメリカのTV局はネットを通して番組を世界配信しようと狙っているのに。

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Flash PlayerのH.264ビデオ対応


Adobeから「Flash Player9 update3」(ダウンロードはこちら)が2007年12月4日にリリースされた。

このアップレートにより、Flashプレーヤは動画圧縮規格「H.264」対応となった。 H.264とは、次世代のDVD(プルーレイやHD-DVD)にも採用されている高精細ビデオのための圧縮規格だ。

これがどれくらい綺麗かを知るには、Adobeのサイト Flash on を見ると良い。

ビデオが再生されたら、ビデオウィンドウの右上にある「HD OFF」という所にマウスをのせて、「HD ON」になったことを確認してクリックしよう。

高画質ビデオがフルスクリーンで閲覧できる(少々重いので辛抱)。 すばらしい画質のビデオ。Adobeがここで、”TVとインターネットの融合”と謳っているのは大袈裟ではない。正確にはインターネットがTVを取り込む世界だ。

ここでいま公開されているものは、720Pの品質のもののようだ。 ということは、1080Pのビデオはもうため息がでるくらいに綺麗に違いない。(720P、1080Pを再生するには高性能のPC性能が必要なようだが。詳細はこちら

同日に、Adobeは、Flash Media Server 3 を発表している。 Flash Media Server 3は、H.264対応のビデオをストリーミング配信するためのサーバー側ソフトウェアだ。

Adobeの製品では、ビデオ編集をする Adobe Premiere Pro とAdobe After Effectsで既にH.264対応済みであるから、Adobe製品としては一通りH.264対応の準備が揃ったことになる。

2008年は、ビデオのH.264化に拍車がかかるに違いない。 インターネットからのHDビデオストリーミング配信を実現するために、既にアカマイをはじめ代表的なCDN提供会社が動き出している。

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