星の王子様で有名なサン・テグジュペリの言葉に次のようなものがある。
船を造りたいのなら、材木を集めるために人を集めたり、彼らに仕事や作業を割り当てたりするな。
彼らに海の無限の広さへの憧れを教えよ。
人を成長させたいならば、まずここから取り掛からなければいけない。
私たちは、他人の脳の中に無理やり知識を詰め込んだり学ばせたりすることは決してできない。知識を得たり学んだりすることができるのは本人以外の誰にもできない。
そうであるならば、マネージャがしなければいけない最も重要なことは、部下の一人ひとりが自発的に成長できるように支援することである。
次の二つに注力することだ。
- 最高のものとはどういうものなのかを見せること
子供のころはみんな憧れの野球選手やアーティストなどがいるものだ。彼らが最高だからだ。毎日つらい練習をするのも彼らのようになりたいからだ。難しいことじゃないんだ。これが目標なんだ。 - 最高を追い求める姿勢がいかに美しいかを教えること
最高のものを目指すとなれば、悪戦苦闘するに違いない。たくさんの失敗もするだろう。必ず壁にぶち当たるだろう。しかし、それでも前に進もうとする人間の姿は美しいのだ。
マネージャが自身に問わなければいけないことは、「自分は最高の目標を持って、最高のものを追い求めているか」だ。
人間は誰でも不完全である。未熟である。マネージャが部下に教えられるのは、「最高のことをするための身につけた知識」ではない。「最高のものになりたいという姿勢」である。