リスクを冒せ


数あるスポーツの中でも、サッカーほど戦略や組織力を要求するものはない。  そこに理論家オシム監督が加われば、これは会社経営にとってそのまま使えるような言葉となる。

オシム監督曰く、 「リスクを冒せ」
いつ、どこで、どんな種類のリスクを冒すべきなのか、逆にどんな種類のリスクを減らすべきなのか、その感度を磨けという。 「5人で攻めて、残り5人で守る、などという分業はもはや通用しない。 チーム全員が、リスクを冒しつつ、バランスもとれる判断能力がないとだめだ」 と主張する。

サッカーの戦略もかなり高度になり、単純な個人技、固定された組織などではもはや世界で戦えないということなのであろう。  南米は個人技のチーム、ヨーロッパは組織のチームなどと言っていたのはもう昔のことなのだ。 サッカーは、全員が有機的に攻め、そして守る、というスタイルに様変わりしている。 試合の流れを瞬時に判断し、あるときはリスクを冒して攻め、あるときは危険を察知しリスクを回避する。 それをフォーメーションやポジションを自在にそして瞬時に変更しながら行う。 こういう判断能力が一人ひとりに求められ、組織として機能する。

会社の経営もまったく同じではないか。 もはや単純ではないのだ。  市場ニーズは多様化し、そして絶えず変化する。 しかも、かなり速く。  企業はこれに対応しなければ生き延びることができない。 この市場環境に順応することに成功した企業だけが生き延びる。

一人ひとりが瞬時に、しかも適切にものごとを判断し、それが組織的なバランスを保った状態で行われる。  これを実現することが、私がロゴスウェアで実践していく経営である。

オシム監督はこうも述べている。
「日本の若者は小さいころから親や先生に”危ないからやめなさい”という教育を受けると聞く。 それをいきなり私に”リスクを冒せ”といわれても教えに反するわけで、難しいのかも」

またしても教育なのか。  教育とはなんと重要なことなのか。

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