予想外のタイミングで、予想外の姿勢から蹴る


最近の新聞に書いてあったサッカーに関するデータによれば

  • 2年前のドイツWカップ。日本は3試合で30回ペナルティーエリア内に侵入したが、シュートを打ったのは8回。シュート率26.7%は参加国中最下位。
  • 優勝したイタリアは、7試合で106回ペナルティーエリア内に進入し、66本のシュートを放つ。シュート率62.2%。

解説によれば、日本の選手は見方にパスしてシュートのための最高の形を作ろうとしたり、自らがシュートしやすい姿勢を整えようとしすぎるという。 そのわずかな間に相手に詰められ、シュートの機会を逃がす。 

また、このようにしてスピード、コースともに素晴らしいシュートを放ってもこのタイミングでは決まらないという。 いかにも「今から打つぞ」というタイミングで蹴ってもキーパーは確実に反応するという。

一方、ヨーロッパや南米の強豪国の選手はスピードと意外性に富んでいるのだという。 予想外のタイミングで予想外の姿勢からシュートが放たれるので、たとえそれがゴールの真ん中に蹴られたものでもキーパーが反応できないのだという。

製品開発にも同じことが言える。 当たり前のような機能の製品を、いかにもというタイミングで市場に投入してもゴールネットを揺らすことはない。 

予想外のタイミングで、予想外の姿勢から蹴ろう。 「とびっきりすごいものをめざそう」

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「虫よ 虫よ ・・・・・・」


「虫よ 虫よ 五ふし草の根を絶つな 絶たば おのれも共に枯れなん」

伝えられるところによると、西郷隆盛はこの歌を生涯大切にしたという。

虫というのは役人のことで、五ふし草とは稲のことをいう。 つまり、「役人たちよ、農民に重い税を課してそんなに苦しめるな。 農民がいなくなれば、自分たちも滅びるのだぞ」という意味になる。

西郷がまだ薩摩藩の郡方書役助(こおりかたかきやくたすけ)という仕事についていたとき、自分の席の前の壁に貼っていた戒めの歌なのだという。 

郡方書役助というのは、今でいえば税務署補助職員のような仕事である。 その時の上司(郡奉行)に迫田という男がいて、その迫田が詠んだ歌である。

役人の腐敗は昔から酷かったらしく、農民からの年貢を自分の懐に入れる奴や賄賂をもらう奴などがたくさんいたらしい。 迫田には正義感はあったのだろうが、役人を正すことはできなかった。 「自分はいくじなしのダメ奉行だ」といって職を辞してしまう。 そのときに、西郷に手渡した紙に書かれていた歌が、「虫よ 虫よ ・・・」の歌であるという。

幕末のころからもう150年は経つだろうが、人間はあまり進歩しないようだ。 いまだに汚職があり、腐敗し、差別がある。だから、人間にはいつでも戒めが必要だ。 

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ソーシャル機能の開放


私たちは、水平分業のモデルがいつも最後には垂直統合のモデルを駆逐してきた歴史を見てきた。

もっとも有名なケースをあげるならば、それは勿論PCだ。 いつも最初は、垂直統合の方が優れている。 テクノロジーがまだ未熟な段階では、1社で全部作ってしまった方が機能も品質も良いものができる。 コンピュータも昔はそうだった。 ハードウェアも、OSも、アプリケーションソフトも、上から下まで1社ですべて作っていた。 

しかし、いつもどこかで分岐点を迎える。 ご存知のように、今のPCは、LSIチップ、ボード、OS、アプリケーションソフト、のあらゆる構成要素ごとに業界があり、競争がある。 PCに驚異的な進化のスピードと低価格化をもたらした原動力は、この水平分業のモデルにある。

さて、インターネット上のソーシャル・プラットフォームの開放がいよいよ本格化する気配だ。 グーグルは、Google Friend Connect のベータ版が利用可能になったと発表した。 これを使えば、SNSが持つようなソーシャル機能をWebサイトやWebアプリケーションに簡単に組み込むことができる。 

日本語環境での整備はこれからだが、次の紹介ビデオを見るとどんなことができるようになるかがわかるだろう。

ついでに、これはOpenSocialOpenID という標準規格に準拠しているから、その他のソーシャル・プラットフォームとも繋がる。 ソーシャル機能の開放は、パラダイムシフトだ。

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「山のてっぺんからダライ・ラマがうたっているように」


ジェフ・エメリックという人がいる。 レコーディングスタジオのエンジニアである。 ビートルズの数々のアルバムでの仕事で有名である。 

ジェフ・エメリック自身が書いた「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」 という本の中で、ビートルズの実験的で斬新なサウンドはどのように創られていったかが書かれている。

面白い発見をした。

ビートルズのサウンドの斬新なアイデアは、ポール・マッカートニーの天才的な音楽的才能によるだけでなく、ジョン・レノンの無茶な要求によるところも多いようだ。

例えば、「Tomorrow never knows」という曲では、「俺の声を山のてっぺんからダライ・ラマがうたっているような感じにしろ」と注文をつける。

それって何? という感じだが、ジョン・レノンという人は 「どうやるのか知らないけどどうにかしろ。 お前らはそのためにいるんだろ」 というタイプである。

ジェフ・エメリックは、このときは、ジョン・レノンのボーカルの声をハモンドオルガン用のレズリー・スピーカー(ドップラー効果によるうねりを作り出すための回転するスピーカー)に突っ込んで、まさに「山のてっぺんからダライ・ラマがうたっている」サウンドを創り上げた。

ジョン・レノンの要求というものはこんな感じだ。
「ベッドの中でまだ夢の中にいて、上流に漂っていく感覚」
「小さな音が次第に大きくなり、ついには何もかも飲み込んでしまう感じ」
「自分の声を月から聴こえてくるようにしたい」

要求は抽象的で、具体的にはどういうことなのかよくわからない。

そこから創造という活動が始まるから面白い。

録音したテープを逆回転再生させたり、安物のマイクをアンプに過入力させて声をわざと歪ませたり、録音したテープを切り刻んで適当につなぎ合わせてみたり、と常識はずれのことをいろいろやっている。

「要求が抽象的でよくわからない、もっと具体的に説明してくれ」という意見はもっともなのだが、創造性というものはそういう所じゃないところから生まれたりするから面白い。

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いつまでも尖った人


エリック・クラプトンは、来年2009年2月12日から2月27日まで来日コンサートを開く。

なんと同時期の2009年2月6日から2月19日まで、ジェフ・ベックも来日コンサートを開いている。

今、どちらか一方を観るとしたら、ジェフ・ベックの方が100倍楽しめるはずだ。

ジェフ・ベックのステージを生で観たことがないが、数年前にテレビ(たぶん、NHK BSだったと思う)で見た。 ビックリした。

ほとんどの曲でピックを使わず、指で弾いていたのだ。 昔、耳にタコができるほど聞いた「ブロウ・バイ・ブロウ」「ワイアード」からの曲もたくさんやっていたがとても新鮮だった。 カメラが手元をクローズアップしても、どうやって弾いているのかよくわからなかった。 マジックだ。

エリック・クラプトンは渋い名人芸という感じになっているが、ジェフ・ベックは64歳になるにもかかわらず、いまだに刺激的に変化し続けている。 こういう尖った生き方には敬服するしかない。

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