自分で知識を創りだせる人


9月29日 朝日新聞に掲載されている小林慶一郎氏の論説を要約すると次のようなものだ。

日本の格差問題も世界的な経済の構造変化によって引き起こされた不可避的な現象かもしれない。 現在の格差問題は一つの政権の政策路線の結果としてできた短期的な問題ではなく、これから30年、40年と続く息の長い経済問題かもしれない。

格差拡大の主因はコンピュータ普及などの技術変化だとする見方が主流である。コンピュータの普及により単純事務職などの仕事を奪い、情報化に適応した人と適応できない人との間で賃金格差を広げていると思われる。

教育システムを新しい技術体系に沿ったものに変えていくことが永続的な格差是正効果を持つのではないだろうか。

情報化に適応した人、情報化に適応できない人とはどういう人を言うのだろうか?

逆説的ではあるが、知識社会、情報化社会にどんどん突き進んでいくに従い、知識や情報の重要性はどんどん薄まっていくように思える。

アインシュタインは自宅の電話番号を覚えていなかったらしく、「電話帳を調べればすぐ分かるようなことを覚えていたくない」と言った、という逸話を読んだ記憶がある。

今やインターネットがあるので、だいたいの知識や情報は即座に得ることができる。しかも誰にでもできる。そのようなものの価値が下がっていくのは当然だ。そのようなものを時間をかけて暗記してもあまり役には立たないかもしれない。

価値があるのは他の人が知らない情報や知識だ。 二つの種類がある。 「裏情報」と「自分で創りだした知識」だ。

裏情報のとり方は教育に馴染まないかもしれないので、正攻法としての教育は、「自分で知識を創りだす力」ということになる。

学校でやっている情報化教育というと、「インターネットで何かを調べてみました」、「ホームページを作ってみました」の類が多いような気がするが、たぶんそのようなものはそれほど価値を持たないような気がする。

「情報化に適応できる人を育てる」という意味が「自分で知識を創りだせる人を育てる」ということならば素晴らしい。

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