「知識創造企業」(著者:野中郁次郎、竹内弘高)という書物によって暗黙知の重要性が広まってから既に10年が経過している。
しかし、いまだに世の中の多くは形式知を重視する傾向にある。 膨大なマニュアルを書き、多くの時間をかけてデータベースに入力し、体系化し共有するためのシステムを作ることに時間とお金を使っている。 それにもかかわらず、会社に知識がついたと実感できないでいる。
知識は人の心の中にあるのだ、ということを再認識するときがきている。人は感情を持つ動物だ、と再認識するときがきている。
人の経験の中にしまい込まれた知識は、人の感情と共に引き出される。 職場にオープンな議論を支援する文化、チームを信頼しチームのために働く文化がなければ、それを引き出すことができない。