年末になり、各社からいよいよ電子書籍リーダーが発売開始となりました。テレビでも連日特集が組まれ、ちょっとしたブームになっています。関連業界は大忙しでしょうが、一般の人にとっての関心はどれほどなのでしょうか?
本離れが進んでしまって、年に数冊くらいしか書籍を読まない多くの人にとってはどうでもいいことなのかもしれません。しかし、そのような人でも仕事のために読んでいるものがあります。それはマニュアルです。
新しい製品を買ったときにはマニュアルを読んで使い方を覚えなければいけません。また、社内の業務を覚えるためのマニュアルも絶対読まなければいけないものです。
マニュアルは大きく分けると、商品の①取扱説明書としてのマニュアルと社内の仕事上の取り決めなどを覚えるための②業務マニュアルがあります。これらの二つは、企業の大小に関わらず、まず普通の会社には存在するものです。
これらのマニュアルは、コスト削減の観点から従来よりデジタル化が進んでいました。一般的にはPDFファイル形式で存在します。しかし、従来の紙のドキュメントを単にPDF化してWebサイト上にアップしておくだけという場合がほとんどで、それ以上のデジタルならではの利便性の追求はなされていません。
この領域はまだまだやるべき課題が残されています。
第一に、これらのマニュアルは、デジタル化されたのなら、その利点を活かすべきです。つまり、キーワードによる検索性を高め、個人のメモを記録できるようにし、必要なところをブックマークしたり、テキストをコピーしたり、あるいは他の人との情報共有をできるようにすべきです。
第二に、これらのマニュアルは、商品の使い方や業務フローの手順を学習してもらうことを目的に書いているわけですから、学習を容易にする機能を付加するべきです。それは、文字と画像によるドキュメントのマニュアルを基盤にして、必要な箇所に、スライドや動画を使った説明講義型のコンテンツを加えることです。内容のすべてを説明講義型コンテンツにする必要はありません。それは、とても時間とコストのかかるやり方です。大部分はドキュメント形式のマニュアルで説明し、どうしても分かりづらい箇所に絞ってスライドや動画を使った説明講義型コンテンツを使えば、時間とコストをかけずに、全体的に分かりやすいマニュアル・システムになるでしょう。
第三に、eラーニングに使われる学習管理システム(LMS)の活用を図ることです。特に、業務マニュアルの領域に有効です。業務マニュアルは、社員に覚えてもらい、確実に実行してもらう必要がありますから、学習の状況をLMSで把握することはとても利にかなったやり方です。テスト問題などを出題し学習の定着に役立てると良いでしょう。
最後に、これらを支援するロゴスウェアの製品をリストしておきます。
マニュアルなどのドキュメントをデジタルブック化する「FLIPPER3 Maker」
スライド+動画の説明講義型コンテンツを作る「STORM Maker」