人はどんなに頭で理解していても、複雑で、不確かで、不明確なものが嫌いであろう。 みんな単純明快な答えを望む。 「売り上げを5倍にする方法」、「顧客を虜にする方法」、「儲かる仕組み」、「社員のモチベーションを上げる方法」、「最強の組織の作り方」、・・・・・などなど、そんな願望を叶えてくれそうなタイトルの書籍が本屋には山積みだ。
しかし、 現実を直視してみよう。 世界はすごいスピードで変化し続け、そして多様化しているのだ。 これが意味するものは、複雑さ、不確かさ、不明確さだ。 現実を直視するならば、これを受け入れざるを得ない。
複雑、不確か、不明確、の世界で、私たちの行動を規定するものは何なのだろうか。 それらは、就業規則、職務規定、業務マニュアルの範疇に規定できるものではない。 私たちが遭遇する問題は、もっと複雑で、判断に悩み、それにもかかわらず、素早い決断を求められる。
このような環境下において、社員の行動の基準となるべきものは、ミッションと価値観しかない。 社員に会社のミッションと価値観を理解してもらい、共有できるようになるまでには、並外れた時間と忍耐と努力を要するであろう。 しかし、それをやり遂げなければならない。 ロゴスウェアのミッションと価値観のページは他のどの企業のものより長く詳細であるかもしれない。 意味あるものにしよう、より具体的なものにしよう、としたらこうなった。
松下電器産業創業者 故松下幸之助は、 最大の任務は何かと問われ、こう答えたという。 「愛の模範を示すことです。 私はこの会社の魂です。 会社の価値観は私をとおして実現するのです。」 経営とはそういうものでなければならない。