何かが達成できないときに、まず問うべきことは、それに適切な時間を割けているのか、ということだ。
何かを成し遂げることができないときに、「時間がない」というのは簡単だが、そう言ったところで何かが達成されることはない。何かを達成しようと思えばやはり時間をかけるしかないのだから、私たちが真剣に考えるべきことは、どうやってその時間を作るかということに違いない。
自分は何にどれくらいの時間をかけているのだろうか? 計測したことがあるだろうか? ほとんどの人はそのような計測をしたことがないかもしれないが、計測をしてみると予想外の結果になることが多い。 営業が顧客に向き合っている時間を十分とれていなかったり、プログラマがコードを書いている時間が十分でなければ、高い成果を望めるわけがない。
ロゴスウェアでは、このような個人ごとの時間配分の数字を月ごとに計測して、みんなで情報共有している。 その仕事本来の価値を生む仕事(営業担当なら販売のために顧客に対応する仕事、製品開発者なら新機能を製品に組み込む仕事)に正しく時間を割けているのかはすごく気になるからだ。
多くの会社では、お金の支出をモニターして無駄を省こうとしているかもしれないが、時間に注目して無駄を削っていった方がより効果的だ。 なぜならば、お金の場合は、無駄金があったからといって、必ずしも正しいことに使われるお金の額が少なくなることはないかもしれないが、時間の場合はそうはいかない。 時間は完全に有限だから、それが無駄に使われれば、正しい行為に対する時間が確実に削られる。
時間が正しく配分されていないとき、それは個人のせいではないことが多い。 私たちは個人を責めるために時間配分を分析するのではない。 多くの場合は、何か組織的な仕組みに欠陥があるのだ。 本来の仕事とは関係のない雑務があったり、不必要な会議があったり、なくても別に困らないような文書を書かせていたりするのだ。 時間配分分析をすれば、そのようなものが簡単に発見できる。 それらを改善しながら組織は強くなるのだ。