二重振子の動きを見てみよう。
普通の振子は、右から左へ、左から右へ、と実に単純な運動をするが、振子を二つつなげただけでこんな予測困難な動きになるのだ。
同じ動きを2回させるのも難しい。スタート位置のちょっとのズレが動きに大きな変化を与えるのだ。
こういうのをカオスというのだそうだ。
「ほんのわずかな初期条件の違いが予想もつかないほど大きく違った結果を生む現象、個々の現象は決定論的に予測できても、総体としては非連続でバラバラな挙動を示し予測不可能なこと」とWikipediaにある。
経営もカオスではないのかとふと思う。
いくつかの成功実例だけをあげて、「経営成功の法則」、「経営成功の秘訣」、「経営成功のポイント」などをタイトルにした安っぽい経営書が売られているが、その類のものはあまり信じないほうが良いと思うのはこういう理由だ。
初期条件がちょっと違う(社員が違うし、会社の規模が違うし、業種が違うし、企業文化が違うし、時代が違うし、経営者の性格が違うし、人事制度が違うし、経済環境が違うし、・・・・違うものをあげていったらきりがない)だけで、同じようなことをしようとしたってまったく違った結果になるのだ。