銀行も、家電量販店も、デパートも、製薬会社も、その他多くの産業で、合併による企業規模の拡大が続いている。 これらの業種では、規模が重要な力の一つなのだろう。
企業の適正規模はどれくらいのものなのだろうか。 業種によって違う。 一般的に言えば、ロゴスウェアがやっているようなWebソフトウェア開発の世界であれば、このような大きな規模は必要としていない。 しかし、小さいながらも一定の適正規模には到達させなければいけないと思っている。 しかも、可能な限り速やかに。
ロゴスウェアはスタート時点で数名の社員しかいなかった。 創業からまもなく6年になるが、2007年5月時点で社員数は30名ほどである。 今では、当時よりずっと品質の良い製品やサービスを顧客に提供することができる。 今の方が顧客の満足度は高まっているはずだ。
しかし、適正規模には、まだ人を増やす必要があると感じている。 いまやWebの開発はずっと複雑になったのだ。 CSSでデザインを組んだり、AjaxやFlashで画面を作ったり、ビデオを編集したり、CMSを組み込んだり、ブログを構築したり、セキュリティ対策を施したり、SEO対策をしたり、開発のテストプロセスを管理したり、データベースを組んだり、とにかくいろいろな専門知識を持った多くの人材 が必要だ。
一定の適正規模に到達するまでは、私たちはあらゆる方面の能力を向上させ続けることができる。 顧客には、より良いものをより低価格で提供できるようになるのだ。
「2~3名でやっているから低コストでやれます。 きめ細かいサポートができます。 中小企業の味方です。 」 などと書いている会社のホームページを見ることがあるが、これは完全なまやかしである。 確実に何かを犠牲にしている。 それは、一級の技術を提供できないことだったり、品質管理を疎かにすることだったり、アフターフォローができないことだったりする。
ベンチャーのスタート時点では、数名から始めなければならないから、いくつかの制約が生じてしまうのは避けられない。 ロゴスウェア自身もそうであった。 しかし、ずっとそうであっていいということでは決してない。 顧客に最高の価値を提供できるようになる適正規模まではもっていくべきである。 顧客に犠牲を負わせてはいけない。