日本の子供の学力が落ちてきているのではないかと多くの教育関係者が語り、新入社員の能力が低下していると多くの企業経営者が嘆く。
教育の問題が新聞紙面を飾らない日はないくらいだが、こういうことは日本だけでもないらしく、世界中で昔からずっと関心が持たれている課題だ。
「知識や能力が低下するとひどいことになるぞ」と少なくともすべての先進国の人間が恐れている。
知識は国力にかかわることであるし、企業力にかかわることであるし、個人の生活にかかわることであるから当然だ。
ロゴスウェアの仕事の一つは、インターネットを使ってどうやって学習を支援するかだ。
そもそも学ぶとはどういうことなのか?
いろいろな教育関係者が、様々な立場で、それぞれに論じるのでどうにも難しいが、「状況に埋め込まれた学習-正統的周辺参加」という本は一つの素晴らしい概念を提示してくれる。
その考え方とは「正統的周辺参加」というものだ。
ものすごく簡単に書いてしまうと、「正統的」とは「学びとは社会とつながっていなければいけない、社会でどう役に立つのかを実感すること」だ。 「周辺」とは、「失敗してもダメージの少ないところから始めよ」ということだ。
最も大切なのが「参加」という概念だ。 参加するとは、つまり、コミュニティの一員になるということだ。 社会の一員として人とつながりながら共に学ぶということだ。
いまeラーニングの世界を見たときに不足しているのは、「コミュニティに参加しながら学ぶ」という概念かもしれない。