Intel の元CEO アンディ・グローブは著書「インテル戦略転換」の中で、カサンドラの重要性について書いている。
カサンドラとはトロイの陥落を予言した女司祭である。組織の中にカサンドラがいれば戦略転換点を認識する上で頼もしい存在となってくれる。 こうした人たちは販売部門で働く人間であることが多い。彼らは近づきつつある変化について経営陣より多くのことを察知している。
今日もっとも優れた組織を作り上げたいならば、それは有機的システムのように機能しなければいけない。
有機的システムは、自己組織性を持ち、自己監視機能を持ち、自己修復機能を持つ。 つまり、自ら秩序を持った組織体系を作りあげるだけでなく、何かおかしくなっているところはないかを監視していて、問題が生じれば自ら修復することができる。
人体もそうなっているし、生態系もそうなっている。 企業の組織の究極的な姿もこれと同様なものだ。
カサンドラは、監視機能の働きをする。はっきりしたことは言えないが何か調子が悪い、何か変化が起こりつつあるのではないかと警告を発するのだ。
カサンドラを厄介なことを持ち込む面倒な人間などと決して思わないこと。カサンドラの話に耳を傾けよう。