真の事実をもって判断する


日本を代表するグラフィック・デザイナー、福田繁雄氏が去る1月11日に亡くなった。
トリック・アートの巨匠であった。 いくつかの作品は、次のページで見れる。
http://www.geocities.jp/sakushiart/mirumuki.htm

正面からしか見ていない人にとって、これはバイオリンを弾く人である。
横からしか見ていない人にとって、これはピアノを弾く人である。

しかし、事実は、どちらも正しくない。 

私たちが何かを正しく判断するためには、紛れもない事実が必要である。 しかし、トリック・アートのように、事実であるように見えるが事実でないものが世の中には溢れかえっている。 それらに人は騙されやすい。

米ITTのCEOであった、ハロルド・ジェニーンは著書 「プロフェッショナル・マネジャー」の中で、事実のように見えるものには次のようなものがあるといった。

  • 表面的な事実 (一見事実と見える事柄)
  • 仮定的事実  (事実とみなされていること)
  • 報告された事実 (事実として報告されたこと)
  • 希望的事実  (願わくば事実であってほしい事柄)

そして、ジェニーンは、これらはたいていの場合、事実ではないといった。 何が真の事実であるかを追求することは、日常生活の多くの場面では問題ないかもしれないが、経営決定の分野では決定的に重要である、といった。 

先入観を捨て、曇りのない目で見よう、あらゆる角度から見よう、上からも下からも、右からも左からも見よう。 そうやって揺さぶってみて、最後に残るのが真の事実である。 そして、真の事実をもって判断しよう。 

 
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