誰が言ったのかは覚えていないが、粋とは崖っぷちぎりぎりの所を歩くことであり、崖を落ちてしまえば下品となり、崖から遠ざかれば野暮となる、のだそうだ。 ギリギリのところにだけ粋があり、そのバランス感覚の優れた人が粋な人ということなのだろう。
経営を成り立たせているものもギリギリのところのバランスだ。
成功を目指せば何かにフォーカスを当てて資源を投入しなければならないが、それは同時に失敗の確率も高める。
より良くしようと思えば変革しなければいけないが、変革は築き上げた何かを崩壊させてしまう危険も高める。
経営はいつでも、このようなジレンマの中にある。 そしてそのジレンマの中を、平衡感覚を研ぎ澄ませながら進むしかないのだから、いつだって誰にとっても難しいのだ。