OJT


仕事の中での教育となると、今も昔も、中心はOJTとなる。

OJTでは、日常の仕事の中で、日常的な業務を行いながら、仕事に必要な知識、技能、経験を身につけていく。

OJTが社員教育の中心となってきたのには理由がある。

  1. 仕事を通じて教えるので、教える内容が具体的になる。 
  2. 特別な教育の時間をもうけるわけではないので、教える側も教わる側にも時間的な負担が少ない。
  3. 特別な教材の準備がいらない

そのようなわけで、体系立てたカリキュラムを必要とする一部の教育を除けば、OJTが今後も職場での教育の中心として存在するはずだ。 

特に、日本の職場ではそうであろう。 アメリカのように、あらゆることをドキュメント化し、マニュアル化する習慣がない。 日本では人から人へ暗黙知のように伝えられることが多いのだと思う。

このことにeラーニングは無頓着でなかったか?  あらゆる知識が文字で書かれて、そこに存在していると錯覚していなかったか?

インターネットを使うと OJT をどのように進化させることができるかに真剣になろう。

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生涯学習


二種類の仕事がある。

一方の種類の仕事は、どんどん単純化されている。 複雑な処理はコンピュータがやってくれる。 最低限の教育だけで仕事ができるようになっている。

一方の種類の仕事は、どんどん複雑化している。 絶え間なく高度な知識や技能の獲得を必要としている。 多くの人が、責任のかかる判断を即座に下さなければならなくなっている。  

昔、会社の仕事は90%の単純な仕事をする人と10%の複雑な仕事をする人で構成されていた。

今やそれは逆転している。 日本のような高度に発展した経済大国において、単純な仕事は国際競争力を持たない。 そのような仕事の多くは賃金の安い国外の労働力に委ねなければならなくなっている。

必然的に日本人の仕事として求められるものは、高度で複雑な仕事となる。 高い知識と技能が求められる。 

このような背景があるから、仕事をするものは学びつづけなければならない。 働いている限り、生涯にわたって学習しつづけなければならない。

ロゴスウェアが達成したいことは、人が生きていくための、そして組織が成長しつづけるための生涯学習のモデルを支援することだ。  私たちのユニファイド・ラーニングのビジョンは、単純なドリルのようなものを覚えさせるためのシステムではない。

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プログラム学習の亡霊


文部科学省のサイトでは過去の教育白書というののが閲覧できるようになっている。

昭和39年の「我が国の教育水準」の中にプログラム学習という項目がある。 次のように書いてある。

いっせい授業のもとでは,学級の多くの生徒は教師の講義を真に理解していない場合が少なくない。プログラム学習とは,このようないつせい授業の効率の悪さに対する反省の上に立つて,ひとりひとりの生徒に学習を成立させることを目標として生み出された新しい教育方法である。

この方法は学習者に学習のプログラムを示し,それに従って ひとりひとりが,その能力差,個人差に応じてそれぞれの早さで,あるいはそれぞれ異なった過程をふみながら学習していくことをその特色としている。

プログラムは単純な問題(ステップ)に分析し,児童生徒の能力に応じてそのステップの解答,訂正を継続していくことによって学習事項を理解されるようにつくられているものである。このプログラムは,いわゆるティーチンダマシンによって提示される。

昭和39年ということは、今から44年も前の記述である。  何と現在のeラーニングと同じ発想ではないか。 違いは、昔のプログラム学習ではティーチングマシンと称する機械で出題されていたが、現在のeラーニングではインターネットを使うというだけだ。

佐伯 胖著「マルチメディアと教育」によれば、このようなプログラム学習を推進していた人たちは、1970年代に姿を消してしまったそうだ。そこには、人間が「本当にものがわかる」とか、「ものを理解する」とはどういうことなのかの視点が欠けていたからだという。 

それにかわって台頭してきたのが認知心理学なのだという。 その思想は、「人間は外界からの一方的な働きかけにしたがって学習を進めるような存在ではなく、みずから世界を意味づけ、ものごとを説明し理解するために積極的に世界に働きかける存在である」というものであるそうだ。

「プログラム学習という40年も前の亡霊がインターネットという世界に復活しeラーニングと名前を変えた」 - eラーニングがいまひとつ浸透しない理由はこういうところにあるような気がするのだ。 そして、eラーニングは単純にそのようなものであってはいけない。

eラーニングは今、明らかに進化が求められている。 

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自由と平等


歴史を振りかってみれば、民主主義というものが始まったのはそう昔のことではないようだ。 アメリカ合衆国は、1776年の独立宣言で「自由」と「平等」を高らかに謳い上げるが、その後長いこと奴隷制度はあったし、ヨーロッパ文化を引き継いだ階級意識のようなものも存在した。

しかし、アメリカは高い理想を掲げた。人民主権の国がうまくいくかどうかわからないが、とりあえずやってみよう、となった。 壮大な実験が始まった。

「一般国民の多数決で正しいことなんて決められるわけがない」というのが当時のほとんどの国の考えだ。「しかるべき人たちがしかるべき方法で決めるのがよい」と考えられていた。 つまり、専門知識も何もない一般国民に国の大事なことを決めさせるなんて危なすぎる、としかるべき身分にいる人たちは考えていたのだ。

多くの論争と時には血を流す戦いの末、一歩一歩、民主主義は成長し、ついには1917年の対ドイツ宣戦布告文の中でアメリカは「世界の民主主義のために戦う」と謳うことになる。

今は当たり前のように思われている民主主義だってこのような長い歴史の中で作られたものであるから、ウェブの世界で話題になる「群集の知恵」(Wisdom of Crowds)が広く浸透するにはまだ多くの実験が必要だし、時間がかかるだろう。

実空間の民主主義だって完全にすばらしく機能しているわけではなく、今だって理想に向かって進んでいる状態なわけだから、仮想空間の群集の知恵が今完全に機能していなくたって、なんら問題はない。

そのような仮想空間の世界を理想的だと思う人たちと、馬鹿げた世界だと思う人たちが両方いる。

「ウェブの世界は玉石混交だ。くだらないもの、間違ったもので溢れかえっていて信用がおけない。その点、既存メディアである新聞やテレビは信頼に値する。」と権威のある人たちは言う。

ただ、私はウェブの未来を信じるのだ。 民主主義が、身分とそれに付随する特権から人を開放して、自由と平等を推進したように、ウェブは新たな人間の解放を成し遂げると思う。

いま私たちには、貴族とか農奴とか奴隷とかの身分制度はない。貴族だけに与えられていたような特権もない。しかし、社会にはまだ不平等なところがあるのだ。

日本の官僚はずいぶんと好き放題をしているようだし、組織の中でも何か納得のいかない理由で一部の人たちに権限が集中しているということもあるだろう。 

何がそうさせるのだろうか?

その一つの原因は、情報が開放されていないからではないかと思うのだ。ある特定の情報を握ったものが、それを抱え込み、それによって自分を権威付けしているのでないか。

「知と情報」が開放されたら、人間は次の次元の「自由」と「平等」を手に入れるのではないか。それがウェブが担う役目なのだと思う。

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仮想空間の社会


あと何年もすれば、社会は実空間と仮想空間の両方に存在するものだとあたり前のように思うことだろう。

地域や家族のつながりがなくなってきているといわれて久しい。私たちはやがて仮想空間の中に新しい社会を作りそれらを補うのではないだろうか。そうなって欲しいと思うし、そうなるように技術や製品やサービスを開発していくことがロゴスウェアの使命でもある。

会話をし、教えあい、助けあい、相談しあい、励ましあう、そのような社会が仮想空間の中に着実に育っている。

ウェブはいまソーシャル化という大きな流れの中で動いている。 SNSによってスタートしたこの流れは、OpenSocialOpenIDSocial Graph、・・・などにより、より大きな枠組みの中でオープンに開放された社会をめざす方向になった。

仮想空間における社会を作り上げる仕事にリアルタイムで関われることは何よりもうれしいことだ。これは人間にとっての一大プロジェクトだし、希望に満ちた大きな未来が待っている。

いま日本の国会では道路特定財源の暫定税率のことで盛んにやり合っているが、10年後に道路が少しくらい整備されても本当に地域格差の解消に役立つのかは疑問だ。そのエネルギー(と財源)の少しでも仮想空間社会の整備に費やした方が地域社会のためになるではないかと思う。

仮想空間であれば人は分散して住んでいても不自由を感じず、ハンディキャップにもならない。教育だって、医療だって、仮想空間の中で遠隔で行えるものが少なからずあるはずだ。

ロゴスウェアは仮想空間の中で特に「知識」というものにフォーカスを置いて開発を進めている。仮想空間の中のコミュニティから知識を創造し、それを蓄積し、伝達し、共有するようにしたいのだ。

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