Great Place to Work


アリス・クーパーというロック歌手がいる。 61歳になる超ベテランである。 

この人のステージは、かなり過激で、大蛇を体に巻きつけるわ、火を噴くわ、ニワトリの首が切られるわ、豚が走るわ、ギロチンにかけられるわ、首吊りにされるわ、・・・・(こんな風に)

でも、人はこういうことにはすぐに飽きる。 飽きさせないためには、更に過激で奇抜な出し物を提供し続けないといけないのだが、それは無理な注文というものだ。 ロックにとって大切なのはやっぱり音楽なのだ。

さて、ロゴスウェアでは今「働きがいのある会社」の実現に向けて活動を開始している。 そもそも「働きがいがある」とはどういうことなのか? 

それは、「ペットと通勤」、「失恋休暇」、「サイコロ給」、・・・などのような出し物ではない。 そのような表面的なものではなく、仕事や会社のあり方について、もっと根本的なものを考えたいのだ。

Great Place to Work Institute という、米国に本拠地を置きグローバルに活動しているコンサルティング団体がある。1980年から、働きがいのある職場作りの研究を重ねている。

彼らは、次のように書いている。

働きがいのある職場では、あらゆる人間関係において信頼が育まれています。

従業員が生産性を高めたいと思っていることを管理者は信じ、事業に参画するよう奨励しています。

従業員は自分の仕事と会社の使命を達成しようと熱心に、情熱を持って取り組んでいます。

高い信頼が築かれた環境では、人は協力しながら働き、積極的に交流しあい、業績や生産性が高まります。

キーワードは「信頼」ということになる。 会社と社員が Win-Win の関係のパートナーシップを結ぶことが大切なのだ。 ロゴスウェアの中で GPTW(Great Place To Work)は、継続的に実行していく重要な活動の一つになるだろう。  

ちなみに、2009年の日本の「働きがいのある会社」リストはこちら。 

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自制


本棚に、ダニエル・ゴールマン著「EQ こころの知能指数」 があったので久々に読んでみた。 

手元にあるのものは1997年発行となっている。 ダニエル・ゴールマン自身による「日本の読者のみなさんへ」という前文には次のように書いてある。

・・・・・・「こころの知能指数」には、日本の社会では珍しくない概念もかなり含まれている。 思いやり、自制、協力、調和を重んじる価値観は、日本人の本質だ。 ある意味では、「こころの知性」に注目しはじめた世界の変化は、世界の国々が日本社会の安定や落ち着きや成功を支えてきた中心的な要素に気づいた徴候ともいえるだろう。・・・・・・・

それから十数年。 ここで語られるような日本人の美徳が崩壊しはじめている。 日本人のこころの荒廃は目を覆うばかりである。 

熱意、忍耐、意欲、共感、などの「こころの知能指数(EQ)」が社会を生きていく上でどんなに重要なことであろうか。 これらは一言で言えば、人格を高める、ということだ。 そして、人格の基盤は自制にある、という。

ジョン・レノンに  Jealous Guy (ジェラス・ガイ) という歌がある。 次のような歌詞ではじまる。 

昔のことを夢見ていたら、心臓の鼓動が激しくなった。 僕は自制を失い始めた。

君を傷つけるつもりじゃなかったんだ。 君を泣かせてごめんね。 君を傷つけたくなかった。

僕はただの嫉妬深い男なんだ。

ジョン・レノンは死んでからずいぶん年月が経つので、「愛と平和のジョン・レノン」のようなイメージが作り上げられている。 本当のジョン・レノンはそんなディズニーキャラクターのような存在ではなかったはずだ。 クソッタレな男で、自分でもそういうことが分かっていて、それでも何とかクソッタレじゃなくなりたいと、もがき苦しんでいた、そういう人間だったはずだ。 

天使のような人格を持つことはできないが、ジョン・レノンのように何とかやってみようともがき苦しむことはできるかもしれない。 だから、自分も自制を試みてみたいのだ。 

自己中心的な見方を克服し、他人の立場に立った見方が、ロゴスウェアの「顧客の視点で考える」という価値観  には重要なのだから。

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戦略的オプション


今思うと不思議な感じがするのだが、1990年頃、マイクロソフトはWindowsに100%コミットしていたわけではなかった。 同時に複数のOS開発にリソースを投入していた。

当時のパソコン用OSの主流はまだコマンドベースのDOSであった。 アップルはすでにGUIを採用したMacintoshを発売していたが当時のCPU性能では快適にGUIを動かすことが難しかった。 しかし、将来どこかの時点で、GUIベースのOSが主流になることは誰の目から見ても明らかだった。 

ただ、いつ、どんなものが、どんな形で、パソコン用GUIベースOSとして市場に受け入れられるのか、誰にもはっきりとはわからなかった。

マイクロソフトの一つのオプションは、OS/2 であった。 OS/2 は、マイクロソフトとIBMが共同開発していたパソコン用OSで、当時、DOSの後継となるGUIベースOSの本命はOS/2 であると信じられていた。 このOSはスクラッチから設計し直され、メモリ保護やマルチタスク処理などが組み込まれた先進のGUIベースOSであった。

一方、マイクロソフトは、自社独自のWindows の開発も続けていた。 こちらは、OS/2 とは設計思想が違っていた。 既に普及しているDOSの上で稼動し、とりあえず見た目だけをグラフィカルにしようというアプローチであった。

また、GUIベースOSがどの段階で広く市場に受け入れられるのかもよくわからず、マイクロソフトはDOSの機能強化にもリソースを投入していた。

整理すると、マイクロソフトは3つのオプションを持っていた。

(1) テクノロジー的に最も優れたものとして OS/2

(2) 市場がなかなかGUIベースに移行しないことを想定して DOS

(3) その中間路線で、DOSの資産を活かしつつ見た目をきれいにした Windows

運命を決定づけたのは、1990年に発売された、Windows 3.0 である。 バージョン1、バージョン2、ともに成功しなかったが、Windows 3.0 はついに売れた。 

Windows 3.0 は、当時のCPU80386の仮想86モードを使い、過去のDOS用アプリケーションを複数稼動させることができた。 また、OS/2 ほどの高性能ではなかったが、そのおかげで軽く快適に動作した。 過去を振り返れば、そのようなことが成功の要因であったかもしれない。 しかし、その当時は、何が絶対にうまくいく方法であったかは分からなかったはずだ。

Windows 3.0 の成功で自信を深めたマイクロソフトは、その後IBMと決別し、OS/2 からは撤退する。 DOSにも見切りをつけ、自社開発のWindowsに集中することを決断する。 これが今日の強力なマイクロソフトを作った。

未来が見えづらいときは複数の戦略的オプションを用意し、成功戦略が見つかるや否や資源を集中させる、そのあたりの判断力がビル・ゲイツという人間のすごいところであったのだ。 これは簡単なことではないのだと改めて思う。

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付箋で協調する


学習というものを個人という閉じられた世界で起こっているものと捉えるのではなく、社会とのかかわり合いの世界で捉えないといけない、という考えが近年あり、そういう影響もあってか、協調学習の重要性が高まっている。

協調学習は、学習者同士がグループで議論したり、お互いの学習を助け合いながら進める学習法である。 このような重要な学習方法が、インターネットを介した学習になると途端に難しくなる。

世の中、それにどうやって対応しているのかというと、LMSに安易に掲示板やチャットを組み入れて、強調学習です、などと言っていたりする。

もっと真面目になろう。 Webの技術はもっともっと進んでいるのだから、そんな安易な掲示板やチャットでお茶を濁すのはやめよう。

会社などの組織の中にSNSを設置してみようと試みた人は経験してると思うが、一人一人が自分の考えや意見を書いたりするのは難しいものなのだ。 これでは、オープンな企業文化を持ったごく一部の会社でしか有効利用できない。

私たちは、先進のWebテクノロジーを使えば、この敷居をもっと低くできると思っている。

本を読んでいるとき、ちょっと思ったことをその瞬間に、簡単に一言二言、該当箇所に付箋で貼っておく。 これくらいなら心理的な負担も軽く、誰でも気軽に参加できるはずだ。 このようにした書き込みをみんなで共有してしまうのだ。 ある事柄に対して、他人はどのように考えているのかを知ることができ、それが自分の推論の幅を広げることに役立つ。

デジタルブック FLIPPER3 に加えたコメント共有機能は、協調学習の足がかりとなる。


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教えるということは学ぶということ


ブログを書く目的の一つは、物事を自分の頭の中で整理するためである。 「今日のお昼は○○○です」の類のブログでないならば、ちょっと洞察がいる。 この行為は自分の中での知識を定着させるには大変有効なものである。

さて、学び方にはいろいろな方法があるが、どういう行為がどれくらい学びに役になっているのかを、Learning Pyramid というものは伝えている。 これは、米国 National Training Laboratories というところの研究結果である。

 人が学んだことを覚えている確率は、次のようになるのだという。

  • 講義を受けたとき                    5%
  • 読んだとき                   10%
  • 音や映像で伝えられたとき          20%
  • デモを見たとき                 30%
  • グループで話し合ったとき          50% 
  • 体験したとき                   75%
  • 他の人に教えたとき               90%  

「他人に教える」という行為が知識の獲得にこんなにも有効なのであれば、これを使わない手はない。 生徒同士が教えあい、学びあう環境は重要だ。

 
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