CP対称性の破れを説明する「小林・益川理論」によって、ノーベル物理学賞を受賞した一人、小林誠氏はつくば市の住民でもあり、つくば市の名誉市民となった。
家の本棚に昔買った小林誠著「消えた反物質」があるので読み直してみたが、相変わらずよくはわからない。 ただ、あらゆるものには正があれば負があり、プラスがあればマイナスがあるように、物質には反物質があるのだといわれれば、そうに違いないと思う。
今、自分たちは物質の世界に住んでいて、反物質など見ることも感じることもできないわけだが、そういうことに思い至る物理学者という人たちには感心する。
あらゆるものにはプラスとマイナスがあるのだ、ということは宇宙を支配する真理のように思える。
そういうわけだから、あらゆる経営上の手法にもプラスとマイナスがあるのだ。 だいたいにおいて、経営や人事などのコンサルティング、あるいはそういう書物が紹介する経営手法などはプラス面ばかりが強調される。 XXX社は○○を取り入れて成功した、などの成功例だけが語られ、失敗例が語られることはない。
あらゆるものにはプラスとマイナスがあるのだから、慎重になるべきなのだ。
報酬制度、人事評価制度、目標管理制度、・・・など経営の根幹を成すような制度の設計には、プラス面とマイナス面の両方を熟知した上で臨んだほうが良い。
経験があり、よく知っているやり方を、少しの改良を持って取り込むのが良い。 そうしないと、マイナス面が出てきたときに制御不能となるだろう。 自分が使ったこともないような道具をいきなり本番で使うな、ということだ。