イシューというもの


ロゴスウェアでは、日々の仕事のやり方は一人ひとりの裁量にまかされているが、守らなければいけないいくつかの約束はある。 その一つは、ウィークリーレポートを書くということだ。 毎週金曜日に、その週に達成したこと、次に達成しなければならないこと、そしてイシューを記載して全員に公開しなければならない (今は、これはSNS上で公開されている)。

issue を英語辞書で調べれば、「論争点」、「問題点」といった意味が記されている。 誤解を招く可能性があるので、私たちは、そのまま英語で issue イシューと呼んでいる。  論争点や問題点と言うと、何かひどくネガティブな印象を与えがちであるし、何かまずいこと、何かトラブルになっていることを指摘さえすればよいというような誤解を与える。 私たちが、イシューで書くべきことはそのようなことではない。

ここに何かうまくことが運んでいない事象があったとしよう。 それってどういうことだろうか?  重大なことなのか、些細なことなのか、急を要するのか、ゆっくり考えればいいのか、影響を与える範囲はどの程度なのか、そのようなことを知らなければならない。 そして、イシューとは、そのようなものに対して、どういうポイントで考えればいいのだろうか、どういう視点で考えればいいのだろうか、を指摘することである。

例えば、ある製品の品質が悪化しているという問題が発生したとしよう。 イシューで指摘すべきは、単に「品質に問題がある」と記載することではない。 これをどのようなポイントで考えるべきだろうか。 人的リソースなのだろうか、開発プロセスなのだろうか、あるいは何か別の考慮すべきポイントがあるのだろうか、イシューとはそういうことを指摘することである。

これは、私たちにとっては一石二鳥である。  第一に、 会社のいろいろなプロセス上の問題が解決する。 第二に、これを繰り返すと、一人ひとりの論理思考能力は自然と鍛えられる。

とはいっても、優れたイシューを誰でもすぐに書けるものではない。 習熟度の低い時点での典型は 「特にありません」だ。 イシューがどれだけ書けるかはその人の習熟度のバロメータにもなる。

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