Webの進化は止まらない。 多くのサイトはWeb2.0的機能を組み入れ、利用者を巻き込んだ真の双方向メディアとしての特長が鮮明になってきた。今日もおびただしい数のブログページが生まれ、SNSで情報交換をし、写真や動画がアップロードされ、タグ付けされた情報が連結している。 リッチインターネットアプリケーション化が進み、ウェブ上で提供される体験はますます豊かなものとなっている。
Webで起こっている変化は、プログラミングの世界だけの話ではない。 Webデザインの世界も進化を遂げているのだ。 ここ数年の大きな変化は、tableタグで組んだレイアウトデザインからCSSデザインへの移行である。 以前からCSSでデザインを組むことのメリットは言われ続けてきたが、CSSのサポートが不完全な古いブラウザが無視できないほどに存在していたので、CSSデザインへ移行することは躊躇された。 その足かせが外れ、CSSデザインへの移行が加速されたのは、ここ1~2年のことである。
CSSでデザインするとは、情報(HTMLで記述)と見た目(CSSで記述)を分離することだ。 css Zen Garden を見ると、そのメリットがよくわかる。このサイトで、右側にリストされるCSSデザインのどれかをクリックしてみて欲しい。 中身の文章はそのままで完全 にデザインやレイアウトが変更されるのを確認できる。 これがCSSのメリットだ。 HTMLは一切書き換える必要がなく、CSSファイルというのを書き 換えるだけで、どのようなデザインにもすることができる。
CSSデザインを採用すれば、サイトの更新は簡単になる。 もはや、HTMLファイルにレイアウトを組む目的での複雑な(そして多くの人には意味不明な) table タグがない。 table タグの使い方を間違えると、ページのレイアウトが総崩れになってしまうので、慣れていない人には手を出しづらかった。 CSSデザインを使うなら、そのような心配をすることがない。 サイトの更新は専門家でなくても行えるようになる。
季節に合わせて、デザインを変えたいということもある。 あるいは、長年使ってくると、デザインを変更したくなることもある。 従来のやり方でそれを行うのは、大変な労力が必要だ。 全てのHTMLページを作り変えなければいけなかったのだから。 CSSデザインを採用していれば、それはいとも簡単だ。 CSSファイル(通常、それは 1枚~3枚くらいだ)を変えるだけでいいのだから。
まだ旧来型の方法で行っているWebデザイナーがいたとすれば(多くはそうなのかもしれないが)、すぐにCSSデザインをマスターした方が良い。 顧客のためにもそうすべきである。 決して顧客の知識が無いことを利用してはいけない。