ネットワーク型組織


組織というものは、何となくあって何となく動いているものではないから、いろいろな組織にはその意図がある。

サッカー日本代表前監督オシム氏がめざしたのは「考えて走るサッカー」である。「考えて走るサッカー」を実現するために選手を集め、指導をし、組織を作る。

ロゴスウェアの組織がめざすものは、「スピード」である。資金力、人材力、などの力では、大手企業に絶対勝てないから、スピードで勝負をしなければいけない。

情報伝達のスピード、意思決定のスピード、製品開発のスピード、市場投入のスピード、を極限まで高めなければならない。

そのために選択されたのはネットワーク型の組織である。 ピラミッド構造の組織は安定しているが、どうしてもスピードに欠けるので、ネットワーク型の組織を選択している。

ピラミッド型の組織では各社員は所属する部門の長とだけつながっていて情報の伝達や意思決定はそこを通して行われるが、ネットワーク型の組織では社員はあらゆるところとつながっている。情報の伝達経路もさまざまだし、意思決定の方法もさまざまだ。

ネットワーク型の組織を作るためにまずしなければいけないことは文化の構築だ。そこには、主体性を発揮する文化、オープンに議論する文化、チームに貢献する文化が不可欠だ。 これらは、ロゴスウェアでは重要な価値観として定義され、その行動が評価される。

ネットワーク型の組織には、同時に、それを支援するツールが必要だ。各自が、必要な情報をいつでも入手できて、共有できるシステムだ。ロゴスウェアの中では、バーチャルな意見交換の場としてのSNSがあり、情報を蓄積しておくためのグループウェアがあり、会社の営業状況を把握するための情報システムなどがある。

ネットワーク型の組織は、文化と情報システムの両面からサポートされなければならない。

ロゴスウェアの現状を言うならば、この両面において、まだ完成形には至っていない。ネットワーク型組織は、ピラミッド型組織に比べて複雑なので、安定的に運営するためには、努力と時間を要する。文化の浸透には時間を要するし、情報システムも更なる改善が必要だ。

特に意思決定のプロセスにおいては十分な配慮が必要だ。しばらくの間は、多くの意思決定に経営責任者が介入しなければならないだろう。これは、スピード化を妨げるものであり、また中央集権を強めるものであるが、時間をかけて解決しなければいけない点だ。

しかし、私たちのめざす方向は明確だ。

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コミュニティのインフレーション


本当かどうかは私に知る由もないが、宇宙の進化モデルにインフレーション理論というものがある。

その理論によれば、宇宙は誕生直後のごく初期段階(10-36秒後から10-34秒後までの間)に、急激に膨張したのだという。 どれくらい膨張したかというと、百桁膨張したという。百桁というのは、百億倍の百億倍だ。 これだけの膨張が、ほんの一瞬の時間の間になされたのだという。

これを借用すれば、インターネットはコミュニティにインフレーションを引き起こしている。

コミュニティとは、元来、同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結びついている社会のことだ(Wikipediaより)。

昔のことを考えれば、自動車も電話もないのだから、コミュニティというものは、ごく近所の人たちの何らかの集いであった。たくさんのコミュニティはない。 青年会とか婦人会とか、そんな類のものだ。

自動車や電話ができて、人間の活動範囲が広がった。 それにともなって、より多様なコミュニティが形成された。 全国的な組織も形成されたし、国際的な組織も形成された。 しかし、この段階までは実際に顔を合わせて作られるコミュニティだ。 人間の物理的な活動量には限界があるから、コミュニティの数はそれに制約される。

ここにインターネットが登場し、状況が一変した。 バーチャルな世界で、毎日、膨大な数のコミュニティが作られ始めたのだ。

過去そうであったように、社会や組織のあり方というものはコミュニケーション技術によって作られる。 インターネットが作り出すコミュニティが、私たちの社会や組織や働き方を間違いなく変えるのだ。

もはやコミュニティの成員は、同じ地域に住んでいるわけでもなく、同じビルで働いているわけでもなく、場合によっては顔見知りであるわけでもない。ちょっと昔だったら完全に他人なのだが、いまやコミュニティの仲間となっている。

コミュニティは人間の交流だから、そこには親近感が必要だし、人間的な深みのある関係が必要だ。 この領域は、これからインターネット上のコミュニティ技術が更に進化させていく領域だ。新しい何かが生まれるだろう。それは、インターネット上のコミュニティを従来とは違ったやり方で居心地の良い場所にする何かだ。

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問題に直面したとき


問題に直面したときに人がとる行動は次の4つだ。

  1. 受け入れる。 受け入れてしまえば、もはや問題ではないからそれもよい。
  2. 問題を引き起こしている環境や他人を変えさせる。 これはエネルギーを要するが、それができるならそれもよい。
  3. 自分が変わる。 被害者意識にならずに冷静に考えてみれば問題は自分にあるということも多い。
  4. 問題を受け入れられず、かといってそれを変えようともせず、ただ誰かが直してくれたらいいと願う。

あなたならどれ?

「自分が変わる」が最も素晴らしい行動だが、「受け入れる」や「問題を引き起こしている環境や他人を変えさせる」もそう悪くはない。

厄介なのは、「問題を受け入れられず、かといってそれを変えようともせず、ただ誰かが直してくれたらいいと願う」というものだ。 これはまったく現実を直視していない。 逃避である。

しかし、世の中、この類がじつに多い。 「地方が困っているからなんとかしろ」、「商店街が困っているからなんとかしろ」、「中小企業が困っているからなんとかしろ」の多くはこの類だ。

「なんとかしなくてはいけないのは自分自身だ、さもなければ受け入れろ」と言わなければいけない。

ロゴスウェアにあってはこのようなことがあってはいけないと思っている。 だから、私たちの重要な価値観の一つは「現実を直視する」だ。

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正しい目標を設定する


仕事で良い成果を上げられなくて悩む人も多いようだが、私の考え方は単純だ。

「正しい目標」を設定して「正しいやり方」で実行すれば、(そしてちょっと運が味方をすれば)良い成果が得られる。

自分がどの段階でつまづいているのかを考えよう。

段階1: 正しい目標を設定する段階でつまづいている

段階2: 正しいやり方で実行する段階でつまづいている

段階3: 運に見放されている

いろいろな人を見ていると、どうも段階1でつまづく人が多いのだ。

正しい目標が設定できていないのだから、いくらがんばっても成果がでない。 第一、どこに向かおうとしているのかもわかっていないのだから、不安や焦りばっかりがつのる。

正しい目標を設定するなんて簡単なことのように思えるかもしれないが難しいのだ。単純だが難しいのだ。

ロゴスウェアではMBO(目標による管理)を取り入れているので、四半期ごとに全員が目標を書くことになっている。 多くの企業でもMBOは実施されていると思うが、形骸化してしてしまっている企業が少なくない。

正しい目標の設定は良い成果を上げるための重要なステップ1だから形式的になんてしておけない。 相当のエネルギーを使い、全員が正しい目標を設定できるようにしなければいけない。

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「誰がどこにいて、どうしてる」の情報


右隣の△△△さんは今席をはずしている。 左隣の◇◇◇さんは電話中で忙しそうだ。 後ろを振り向くとOOOさんがいるので、これをどうしたらいいのか、〇〇〇さんに聞いてみよう。

自分たちはこういうように人に話しかけたりしている。

人がどこにいて、どうしているのか。 後ろを振り向いたり、横を向いたりすれば、いま誰がそこにいて、どん な状態なのかがわかる。 いま話したい人がそこにいるのかどうかがわかる。 いま話しかけていいものなのか、少し後の方がいいのかがわかる。

コミュニケーションを開始する前段階として、これらの情報は貴重だ。

実世界ではあたりまえのように取得できるが、インターネットの上だとこの情報が不足する。

今はスピードの時代だから、何かあるごとに会議を招集するわけにもいかない。 私たちは、意思決定、情報共有、知識創造をもっともっとインターネットの上で行うようになるに違いない。

コミュニケーションを開始する前の「誰がどこにいて、どうしてる」の情報がインターネットの上でもっと便利に扱えるようにすべきだ。

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