ヒアリング


「私は誰でしょう?」というゲームがある。

カードには歴史上の人物名などが書かれている。

カードは頭の上などに掲げられて他の人には見えるが、本人には見えないようにする。

「私は日本人ですか?」 「私は男性ですか?」 「私は江戸時代の人ですか?」 などと質問をしながら自分は誰なのかを当てるゲームだ。

テレビのバラエティー番組でもときどき行われる。

これがゲームとして成り立つのは、なかなか自分が誰なのか当てられないからだ。

ヒアリングとはこのように難しいのだ。 「聞かなかったあなたが悪い」と単純に思わないこと。 それではコミュニケーションが成立しない。

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12音階


以前、NHKの番組で、ヨーヨー・マ率いるザ・シルクロード・アンサンブルを特集していた。

今、自分たちが普段聞いている音楽は、1オクターブを12に分割した12音階が使われているが、イランなどの民族音楽ではもっと細かい音があり、半音の中が更にいくつかに分割されているのだという。

考えてみれば、1オクターブの中を12に分割しようと決めたのは人間だ。 1オクターブの音の中に何か自然な区切りがあるわけではないから、分けようと思えば無限に分割できる。 100音階にすることだってできるし、逆に5音階にすることだってできる。

12にしようと決めたところに人間の知恵がある。 たぶんこれくらいが人間が創造力豊かに音楽を創っていくのに適していたのだ。

音が12個になったから、モーツァルトもベートーベンもショパンもチャイコフスキーも創造力豊かな音楽を創り上げられた。

音が100個もあったら自由に振舞うのが難しく、5個しかなければ窮屈すぎて不自由する。

これが教えてくれることは、適度な制約が人間の自由を最大に高めてくれることだ。 制約が無さ過ぎても自由になれず、制約が多すぎても自由になれない。

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競争相手を理解する


「彼を知り己を知らば、百戦殆うからず。彼を知らずして己を知るは一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に殆うし。」

は、孫子の兵法からの有名な言葉だ。

どんなビジネスをしようが、競争相手がいないということはない。 その競争相手を知らずして戦いに勝つことはできないという教えは、まったくもってその通りである。

しかし、「競争相手の何を知るべきか」 になると怪しくなる。

「競争相手の商品とのベンチマークを行い自社商品の足りないところを補う」という行為は無駄ではないかもしれないが、賢いやり方とは思えない。

最も重要なことは、「競争相手は自分たちに何をさせてくれるか」を知ることである。 競争相手は顧客の中でどのようなポジションを占めていて、どのようなポジションを占めていないかを知ることである。

それさえ分かればこっちのものだ。 自分たちの能力と照らし合わせて、自分たちのやるべきことが見えてくる。

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ダイソンのCM


掃除機メーカー ダイソンのTV CM を見よ。

他のすべての家電メーカーのCMとの違いを見よ。

ここには、楽しげに掃除をする主婦の姿やタレントなどは登場しない。

淡々と語られる女性ナレータの声と映像で、「遠心力を使って吸引する」という商品の独自性が見事に表現されている。

「ダイソン。吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」という最後のメッセージも素晴らしい。

独自化とは、こうやるのだという見本としよう。

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市場に知ってもらう


マーケティングの一つの役割 「市場を知る」 は重要なことに違いないが、もう一つの役割 「市場に知ってもらう」 はその何倍も重要なことである。

自分たちがいくら良い商品を持っていようが、優れた技術を持っていようが、顧客の役に立つ方法を知っていようが、認知されていないのでは存在しないと等しい。

市場に知ってもらうということは、昔も難しかっただろうが、今は更に難しくなっている。

「とにかく世の中情報過多なのだ」と最初に正しく認識しよう。

朝目が覚めてから夜寝るまでにどれくらいの情報が飛び込んでくるかを想像したらいい。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、電車の中つり広告、Webサイト、SNS、ブログ、書籍、会社の中に溢れる書類、Eメール、・・・・・・あらゆる媒体を通して情報が飛び込んできる。しかも、どんどん数が増えている。 インターネット関連は特にそうだ。

これらの情報量は人間が処理できる量をはるかに超えているから、人は一瞬で関心を引かなければそれを無視する。 そうしなければ、大事なことに当てる時間がとれなくなるのだから当然そうなる。

自分たちが発信する情報もこれらの中に埋もれた一つなのだ、と理解しよう。

処理できないほどに届けられる膨大な情報量の中で、どうやったら自分たちのメッセージに目を留めてもらうかを考えたら、独自性に真剣にならざるを得ない。

他のものとは圧倒的に違う何かを明確に提示しなければならない。 これにエネルギーを集中させよう。

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