捨てるために情報を集める


人間の脳が処理できる情報量には限りがあります。処理能力以上の情報量を与えられると、脳は突然に混乱し正常さを失い正しい判断ができなくなります。また、人間の脳はマルチタスク処理が苦手です。人間の脳はシングルタスクでしか処理ができません。

いろいろなツールを使い情報を整理し管理する目的とは、このような特性を持った人間の脳のために、最適な考える環境を提供することにあります。

やるべきことは二つです。

  • 情報を捨てる

現代は情報が不足している時代ではありません。圧倒的情報過多の時代です。人間の脳の処理能力以上の情報は害です。不要な情報は捨てなければいけません。主眼は情報を集めることにあるのではなく、選別し不要な情報を捨てることに置かれるべきです。”捨てるために情報を集める”のです。そうやって初めて大事な情報が浮かび上がってきます。

  • 情報を分類する

選別されて残った情報は分類されていつでも必要なときに引っ張りだせる状態にしておかなければいけません。Evernoteは情報をフォルダに分類することも、タグを付けて分類することもできて便利です。

このようにして、初めて考えるための下準備ができます。つまり、必要な情報だけがテーマ毎に分類された状態です。 考えることとは”一人ブレインストーミング”をすることです。 続きは次回。

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「私の仕事術」


日経ビジネス誌から「私の仕事術」に関する取材依頼。 よい機会なので、情報の整理・管理のために私が使っているツール類についてサマリーします。

まずはその前に、なぜ情報の整理・管理が重要なのかということを少し。 経営者の仕事の質として、どれだけ正しい決断や経営判断ができたか、どれだけ優れた戦略を立てられたか、が問われるわけです。

これらは考える仕事です。 考えるためのまとまった時間が必要です。 考えるための集中力が必要です。

まとまった考える時間を作り出すためには、情報の収集は効率よく手っ取り早く行われなくてはいけません(情報を集めることが仕事ではないのだから)。 集中して考えるためには余計なことは一旦頭の中から外に出しておかねければいけません。そのために情報を整理・管理しています。

さて、私が使っているツールの紹介です。

■ Evernote

情報の整理・管理場所です。 ひらめいたことをメモ、ウェブページ内の文章を保存、本のページを写真に撮って保存、インターネットニュース記事を保存、・・とにかくあらゆる情報をここに放り込みます。 放り込まれた情報は、すべて一旦インボックスに入ります。それらを一週間に一回整理します。読み捨てOKのものは読んだ後削除。 保存しておくべきものは、適切なフォルダに分け、また適切なタグをつけて管理します。 なお、Evernoteは、PCからでもiPhoneからでも使え、蓄積された情報はウェブ上にあるので一元管理されます。

■ Googleリーダー

Googleが提供するウェブサービス型のRSSリーダーです。テクノロジーニュース系のサイトの情報はすべてGoogleリーダーで読みます。私の場合は、多くは、iPhone上で使い、電車の中やちょっとした空き時間だけを使い、テクノロジーニュースにざっと目を通します。 保存しておきたい記事、あとでじっくり読みたい記事があったら、Evernoteに転送します。 Evernoteには、Eメールに送る要領で送ることができます。

■ まるごとRSS

RSSの部分配信フィードを全文配信フィードに変換してくれるサービスです。これは、iPhoneでRSSフィードを読むときの重要なツールです。 記事の途中までしかRSSフィードになく続きはウェブサイトにアクセスして読む、ではアクセスの遅いiPhoneでは不便で仕方ありません。 まるごとRSSで設定しておけば、記事の全文が読めます。

■ あとで読む

閲覧中のウェブページの内容をまるごとメールで送ってくれるサービスです。ブラウザFirefoxなどであれば、ブラウザのツールバーに「あとで読む」ボタンが付くので、それを押すだけという簡単操作です。 しかし、PCで閲覧時にはこのツールをほとんど使いません(Evernoteで取り込んでしまうので)。 このツールが威力を発揮するのは、iPhoneでウェブを閲覧しているときです。iPhoneでウェブ閲覧時に非常に簡単な操作で、そのウェブページの内容をメール送信できます。もちろん、メールの送り先はEvernoteに設定されています。つまり、情報はEvernoteに送られます。

■ Google Apps(Gmail、Googleカレンダー、・・)

ロゴスウェアは、Google Appsを挿入しているので、メールは当然Gmailを使います。情報を徹底的に効率よく扱いたいならば、Gmailはもっとも強力なメールソフトです。第一に、GmailはPCでもiPhoneでも動作します。ウェブメールなので、どちらの機器を使っても同じメール情報にアクセスします。第二に、Gmailは検索やラベル付けの機能が強力です。過去を振り返って調べることがあるとしたら(そして、それは結構あるのだが)、Gmailほど強力なものはありません。 第三に、ToDo機能です。以前は、ToDo管理に別のツールを使っていましたが、もはや必要ありません。仕事の流れからして、ToDoなどは、メールでのやり取りの中で発生することが多く、Gmailからシームレスに使えるのは便利です。関連するメールにリンクが貼れるのも便利ですし、設定した締め切り日が自動的にGoogleカレンダーに設定されるのも便利です。

■ twitter

twitterを使う目的の一つに情報収集があります。twitterで追いかけたい検索語を設定しておき、その検索語を含むツイートを見ていけば、思わぬ情報に、しかも時間をかけずにめぐり会えます。 なお、twitterもこれまたiPhoneに最適なもので、ちょっとした空き時間を利用して行う場合がほとんどです。 ついでに、私の twitter はこちら。フォローをお願いします。

■ iPhone

最後に、既に上で何度も触れましたが、情報の整理・管理を極めようと思ったら、いまのところ、iPhoneがなければ話になりません。今後、Android機種が登場すれば、もちろん、それらスマートフォーンと呼ばれる機種が使えます。 今後のAndroidなどは、Flashに対応してくるので、より便利かもしれません。

情報を蓄積し、整理し、管理した後はどうするのだ、という話もありますが、長くなるので、それは次回。

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RSSフィードは全文配信にすべし


さて、Webサイトから情報を収集するのに使うRSSだが、サイトによって、全文を送ってくるところと、そうでないところがある。 一部分だけを送ってくるところは、全文を読ませるためにサイトに誘導する。 どうも、これは、広告収入などのために、サイトへのアクセス数を増やす必要があるかららしい。

PCで閲覧している分にはそれもあまり気にならないのだが、iPhoneで閲覧しているときは話は別だ。RSSリーダー(私の場合は、Googleリーダー)から、別のサイトに移動したりすると、アクセスに時間がかかる。 更に深刻な問題は、別のサイトからGoogleリーダーに戻ったときに、さっきまで読んでいた箇所に正しく戻ってくれず、初期状態になってしまうことがあるのだ。

これは何とかならないのかと思っていたら、「まるごとRSS」という便利なサービスを見つけた。 RSSの部分配信フィードを全文配信フィードに変換してくれるサービスだ。

このサービスのおかげで、私のGoogleリーダーには、全文記事が届くようになった。 もう、iPhoneでGoogleリーダーを見ていてもイライラさせられることはない。 そして、保管しておきたい記事があれば、Googleリーダーの「メール」ボタンを押して、自分のGmailアカウントに記事を送って情報管理ができるようになった。

あ、ところで、Gmailアカウントにメールするときには、+マークとフィルター機能を上手に使って、設定したラベル場所に自動的に入るようにすること。

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Rain


以前、フロー状態のことを書いた

「目の前の何かに集中し、 我を忘れるほど没頭し、時間が経つのも忘れ、最高のパフォーマンスを発揮する状態」

日本のオフィスの環境はあまり良くないので、仕事場でそんなフロー状態に入るのは本当に難しい。 どうしても他人の話し声が耳に入ってしまい、集中力を欠くのだ。

ロゴスウェアでは、本当に何かに集中したいとき、自宅で仕事をすることも許されるのだが、それも毎日というわけにはいかない(別の問題を生じてしまうから)。

iPhoneに、「sleepmaker」というアプリがある。 Rain, Waves, Stream, Wildlife といくつかの種類がある。 それぞれ、雨音、波の音、水の流れる音、虫や昆虫の声、などの環境音が収録されている。 sleepmakerという名前の通り、寝るときのために作られたものだが、昼間、集中したいときに聞いていても効果を発揮するようだ。

お試しあれ。 ちなみに、私には「Rain」が適しているようだ。

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GTD


過去を振り返って後悔するのはどういう時だろうか?

たいがいは、過去にした行動や意思決定そのものについて悔やんでいるのではない。 その行動や意思決定をベストな心の状態で行えなかったことを後悔する。 最善を尽くしてうまくいかなかったことには納得するものだ。 頭の中が雑念でいっぱいで、何かにあせっていて集中できず、そんな心の状態でしてしまう意思決定に悔やむのだ。

GTD(Getting Things Done)というタスク管理手法のことを読むと、どうもこれは、そういうことから開放してくれるものらしいのだ。

次のように書いてある。

従来、タイムマネジメント(時間管理手法)によって優先順位や仕事の計画を立てることが強調されてきたが、実際の仕事の場は年々複雑化し、せっかく立てた計画や優先順位は次々に割り込んでくる仕事のために破綻しがちである。計画の破綻や、計画すらたてられない多忙な状態の中、頭の中にすべき仕事を山ほど抱え込んでストレスは増大し、仕 事はますます苦痛になり進まなくなる。

GTDの基本はなすべき仕事のリストを何かに記録しておくことで、頭の中からなすべき仕事のことを追い出してしまうというものである。これで頭の中はすべき仕事全部を覚えなくてもよくなりすっきりとし、リストに基づき実際の仕事をこなすことに集中できる。

GTDをマスターしている状態とは、(1) 頭の中に雑念がなく、今やるべきことだけに集中している状態か、(2) 雑念があったとしてもそれを取り除く方法を知っている状態だ。

まったく、その通りだ。 計画通りに事は運ばないものだ。 自分たちを取り巻く状況は刻一刻と変化し、私たちはそれに対応しなければならない。 割り込んでくる仕事から逃れようとするならば、それは別のどこかに歪を生む。 

それが現実ならば、その現実を直視しよう。 逃れるのではなく、適応しよう。 このような環境の中で、心乱されることなく、雑念から開放され、今やるべきことに集中する、そんな方法を習得するべきだ。

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