「なんとかなるよ」


何か厄介な問題に直面したり、困難な決断をしなければいけないとき、チャップリンの映画「モダン・タイムス」のラストシーンが思い出される。

何の仕事をしてもうまくいかないチャーリー。 街をうろつく中、孤独な浮浪少女に出会う。 二人のために家を建てようと俄然やる気をだすが、やっぱりそれもうまくいかない。 落ち込む少女を 「元気出して、くよくよするなよ、なんとかなるよ」 と励まし、長くまっすぐな道を二人が肩を寄せ合って歩いていくラストシーンで終わる。バックに流れる「スマイル」という曲が美しい。

だいぶ前、まだ学生のころ、街の名画座で見た。 それ以来、このラストシーンを繰り返し思い出す。 「どんなことになったって死にはしない。なんとかなるものだ。」という勇気と希望のメッセージを受け取った。

人によっては、このラストシーンから絶望をイメージする人もいるらしい。 最後に、二人は夕日に向かって歩いているからだそうだ。  とらえ方は人それぞれだが、私は楽観的なのだ。 その方が気が楽だと思う。

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「オーケストラ・リハーサル」


巨匠フェデリコ・フェリーニの映画に「オーケストラ・リハーサル」というものがある。

ある寺院の礼拝堂を舞台に、そこでの演奏のために集まって来た音楽家たちのリハーサル風景をドキュメンタリー・タッチで描く。

演奏家たちはみな個性的で、楽器を深く愛し、音楽家としての誇りを持っている。 ただし、まとまりが何もない。 音楽を勝手な解釈で演奏をし、他の人が弾いているときには勝手なことを始めてしまう。 指揮者が仕切ろうとすると、「俺たちは芸術家だ、誰にも指図されたくない、指揮者なんていらない、メトロノームで十分だ」 と文句をいう。 しかし、実際にはまったく演奏にならないのだ。

組織とは何かを考えさせてくれる映画だ。

個人の自由と組織の規律のバランスには、細心の注意を払わなければならない。 特に、ソフトウェア開発会社で、それは生命線だ。

私たちは自由でありたいが、自由放任であってはいけない。 そうでなければ、結局すべての人の目標を達成できない。

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マキャべリも教えたほうが良い


SBIグループが、経営学修士(MBA)を取得できる通信制の大学院大学の設置を文部科学省に申請した、という記事を見た。

企業経営に不可欠な「哲学」、「人間学」まで教えるのが狙いだという。 そのために、孔子の論語や孫子の兵法などについても教えるそうだ。

これは正しい方法だと思う。  実際に経営をする上で最も悩み、最も難しく、それでいて最も重要なものは、決して経営戦略などについての科学的アプローチではなく、人間についてだ。

孫子の兵法を教えるなら、ついでにマキャべリについても教えた方がよい(ひょっとすると、既に計画されているのかもしれないが)。

自分が必ずしもマキャべリが説くようなリーダーにならなくてもいいかもしれないし、第一なれないかもしれない。  しかし、世の中にはマキャべリを愛読し、実践するリーダーは少なからずいる。 そのような者たちと対峙しなければいけないときが来るかもしれない(特に、海外に進出しようというときは)。

そのような時のためにも、マキャべリは知っておくべきだ。 でないと勝ち目がない。

「彼を知り己を知らば、百戦殆うからず」である。

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仕事をすることへの偏見を捨てよ


水泳選手のインタビューを見ると、彼らが自己ベストの更新に最大の目標を置いているのが良くわかる。 彼らは、自己ベストを更新するために、来る日も来る日もプールの中で、すたすら泳ぎ続けているのだ。 プールの底を見続けながら。 自己実現のためには、人の意欲は無限になる。

そのようなものを仕事の中に見出せたらどんなに素晴らしいことだろうか。 あなたは、誰かの命令によって仕事をするのではないのだ。 「あなたが達成したい目標」・・・あなたを仕事に駆り立てるものはそのようなものであって欲しい。

仕事に夢中になれることは人生において素晴らしいことなのだ。 インテル創業者 アンディ・グローブが著書の中で書いているように、偏見を捨てよう。

「われわれは文化的偏見を克服しなければならない。 われわれの社会はスポーツに夢中になる人を尊敬するが、長時間にわ たって働く人は病人、働き過ぎ中毒のようにみなす。 だから大多数の人びとは、スポーツは善でおもしろいが、仕事は単調で、必要悪、楽しみの源泉にはなら ない、というような偏見をもっている。」

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グローバル化の時代を生きる


今、日本は格差問題が大きな社会問題となっている。

格差問題の根源は、グローバル化だ。  グローバル化されれば、労働力は世界中で調達される。 経済規模の拡大により、富めるものはより豊かになる。 しかし、付加価値を与えられない労働は、最低賃金に向かってしまう。

おそらく、世界規模で見てしまえば、理屈が通っているのだ。 いままで貧しかった中国や東ヨーロッパの人たちに金がいきわたるようになっている。 彼らは昔より豊かになっているはずだし、それを得る権利もある。 しかし、それは、日本やアメリカやヨーロッパの労働者がいままで得ていたものを失うことを意味する。

戦後日本は奇跡的な復興を遂げた。 日本が発展していく段階で、世界の多くの労働者の富を奪ったのかもしれない。 実際、アメリカとは何度となく貿易摩擦を起こしている。 しかし、私たちはそれは自由競争の中で得たものだから正義であると信じた。

これは難しい問題だ。 国内問題ならもう少しコントロールが効くかもしれない。 国内のパートや派遣労働者の問題を改善することはできるだろう。 しかし、グローバル化という根本のところを変えることは難しい。

今、予測されることは更にグローバル化は進んでいくだろうということだ。 このような時代に、私たちがすべきことは、自分自身の能力を高め、付加価値を提供できるようになることだ。 努力を要するし、時間もかかる。 それはすぐに報酬面などの形で返ってこないものだろう。 しかし、短期的な視点では失敗する。 自分の未来に対して投資しなければならない。 安易な道を選んではいけない。

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